575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

魂の ゆらぎ灯りて 吉田川 <殿>

2020年08月08日 | Weblog


岐阜県郡上八幡。徹夜踊りで知られる小さな街。
この郡上市には「古今伝授の里」があります。

古今伝授の里フィールドミュージアム
http://www.kokindenju.com/index.html

古今伝授とは、古今和歌の歌学を口伝や切紙を
師から弟子へ伝授すること。室町時代の東常縁
<とうのつねより>は郡上を治めた領主。また和
歌の功労者でしょう。

古今和歌は、紀貫之が醍醐天皇の命に従い作ら
れた平安時代の勅宣和歌集です。しかし、成立
後、歌の解釈についてさまざまな論議が巻き起
こり乱れが生じます。

東常縁<とうのつねより>は、藤原定家の二条流
を享受。代表的な歌人たちに学び、その得た知
識を切紙により連歌師の宗祇に伝えます。この
切紙により和歌の古今伝授という形式が確立し
ました。

古今伝授を学んだ細川幽斎。関ヶ原の戦いで城
を包囲されます。しかし古今伝授を得た学識者
を失うことを恐れた後陽成天皇が、勅命を出し
幽斎は命を救われます。合戦においても古典文
学を大切にした証。日本人として誇らしく感じ
ます。

古今伝授の里には、和歌文学館、東氏の記念館、
短歌図書館など、さまざまな文化施設がありま
す。なお、郡上市はコロナ対策として愛知、三
重からの来訪者に限り、歓迎しているようです。
この機に訪ねてみるのもよいかもしれません。

今夏は、徹夜踊りはなく街を流れる川のイルミ
ネーションが開催されるとの由。こうした告知
にも俳句が添えられています。郡上八幡。ちょ
っと粋な街といった感。


文と写真<殿>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする