575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

空蝉や思想史の書にじりじりと   結宇

2020年09月04日 | Weblog

空蝉という文字から「虚しい」という感じが伝わってきて、
厭世観みたいなものにつながりそうでした、
そんな時の「思想の書」は関心 を持ちましたが、
あまりにも大きな問題で、戸惑いました。

この場合は、まず宗教史が浮かびましたが、
宗教思想史を学ぶということは
自分がどのような価値観で生きているのか、
何を目的として、どこに向かって生きるのかを考えること。

社会思想史は「人間社会を歴史的にどのように位置づけ、
これからの人間社会をどのように構築したいか」を考えること。
だそうです。
と、考えるだけでじりじりしてきます。千香子さん。


空蝉の句とともに投句された自由題の句。

  虫食いに文字と認めし夏落ち葉

虫食いのあとを文字と思ってしまった、とあります。
本がスムームに読み進めない苛立ちがあるようです。
思想史の本、読んだ先から頭から抜けてゆく。
そんな感じを季語の「空蝉」に託しているのかも知れません。遅足
コメント (2)
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片岡球子の面構え ( つらがまえ )  竹中敬一

2020年09月04日 | Weblog

昨夜、片岡球子の絵に出てくる富士山の夢を二回も見ました 。

球子氏は日本画の巨匠 小林古径から “ あなたの絵はゲテモノと

言われているが、構わずその画風を変えないで “と言われたそうで、

富士山シリーズなどその大胆で力強い作風は存在感があり、今も

人気があります 。

私が特に気に入っているのは、「 面構え 」シリーズです。

徳川家康や北斎、世阿弥などその特長をよくとらえた構図 。

それらは球子氏ご自身の画家としての面構えにも見えます 。

政治家にも面構えが必要だと思います 。

戦後では吉田茂 、田中角栄くらいか 。

今の総理候補には残念ながら見当たりません 。強いて言えば石破氏か 。

私の勝手な推測です 。

片岡球子氏には愛知県立芸大の教授をしておられた平成 3年、ハイビジョン

番組「 名古屋城障壁画の復元 」を制作した時、お世話になりました 。

当時、すでに名を成していた県立芸大の先生方を率いて障壁画の復元に尽力

されていました 。

この様子を追った番組 ( デレクターは遅足さん ) はハイビジョン国際映画祭

1995年のユネスコ賞最優秀賞に選ばれました 。

その報告もかねて神奈川県藤沢市のご自宅を訪れました 。

何しろ、県立芸大の教え子たちも球子先生から一喝されない人はいないと

聞かされていただけに、とても緊張していました 。

しかし、お目にかかって見ると とても気さくで礼儀の正しい方だと思いました。

後日、和紙に毛筆で御礼の手紙をいただきました 。



片岡球子氏から送られてきた手紙の一部 。
和紙に毛筆で球子氏らしい勢いのある書体です 。


この時 、85歳 。

片岡球子氏は長生きされ、平成20年102歳で亡くなられています 。
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