題詠
柿噛んで千年祟る臍固め
父眠る白磁の皿の柿熟るる
村中の雀集めて柿熟るる
柿もいだ従兄もいつか古希となり
棒切れの柿に届かずトボトボと
ふるさとの柿いっぱいの宅配便
里の柿はたらく義母の頬染める
豆柿や何処かに故郷あるような
天日萎え渋柿日毎に色を成す
柿ひとつ梢に残し村暮るる
照る柿の絵を古里と定めけり
熟柿一つテーブルにあり値踏みする
鳥も来ず落ちて潰れし熟柿かな
自由詠
木犀の金はらはらと零れけり
萩叢を括りて今日の客を待つ
古都の月蒼林かなた鴟尾の座す
裏通り金木犀の落つるのみ
晩学の本積むばかり熟柿食ぶ
濡縁に萩の花降る数奇屋かな
曲がり角ぬっと人影秋の暮
踏み入れば道遥かなる花野かな
秋日和カバにはカバの時間あり
和菓子屋の柿ヘタ上に並べけり
いわし雲水平線で海に浮く
十六夜の月コンドルは飛翔せり
友去りて一句を残す山河かな
番外
種なしの柿あらがえず口の中(麗子)
金木犀窓開けてみる五六日(愚足)
柿噛んで千年祟る臍固め
父眠る白磁の皿の柿熟るる
村中の雀集めて柿熟るる
柿もいだ従兄もいつか古希となり
棒切れの柿に届かずトボトボと
ふるさとの柿いっぱいの宅配便
里の柿はたらく義母の頬染める
豆柿や何処かに故郷あるような
天日萎え渋柿日毎に色を成す
柿ひとつ梢に残し村暮るる
照る柿の絵を古里と定めけり
熟柿一つテーブルにあり値踏みする
鳥も来ず落ちて潰れし熟柿かな
自由詠
木犀の金はらはらと零れけり
萩叢を括りて今日の客を待つ
古都の月蒼林かなた鴟尾の座す
裏通り金木犀の落つるのみ
晩学の本積むばかり熟柿食ぶ
濡縁に萩の花降る数奇屋かな
曲がり角ぬっと人影秋の暮
踏み入れば道遥かなる花野かな
秋日和カバにはカバの時間あり
和菓子屋の柿ヘタ上に並べけり
いわし雲水平線で海に浮く
十六夜の月コンドルは飛翔せり
友去りて一句を残す山河かな
番外
種なしの柿あらがえず口の中(麗子)
金木犀窓開けてみる五六日(愚足)