575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

俳句教室より    遅足

2008年06月16日 | Weblog
先回の荻原先生の宿題は「走り梅雨」と「ほととぎす」

  鍵穴に鍵のこさるる走り梅雨

なつかしい感じがする。子供の頃、鍵をかけっぱなしにして
親の叱られたことを思い出す。
しかし今は、鍵のシステムも進化して、こんな風景は余りないのでは?
との評でした。

厳しく言いなおすと、句がありきたりで、新しい発見がない。
言葉の並べ方も工夫が必要、という評でしょうか。

そういえば昨年も梅雨晴れ間の宿題があって

  梅雨晴れ間鍵のかからぬ旅鞄

という句をつくっています。
梅雨の取り合わせに鍵。潜在意識になにかあるのでしょうか?
どうしてだろう?
落ち着かないな・・・

   

  うぐいすの耳に初音のほととぎす

うぐいすと、ほととぎすを同じ空間のなかで詠むことは問題ない。
しかし、耳に、と、初音、がいけない。とくに初音は。
うぐいすの耳に、というと、現実の景ではなく、作者の頭の中のこととなる。
それをもう一度現実に引き戻す必要がある。

実際にほととぎすの声を聞きにいったのですが、
アタマでつくる句になってしまいました。
この句は一から考え直さねば。

   



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マジッスか? この和名。       草女

2008年06月15日 | Weblog
「事実は小説より奇なり」という事実に出会い爆笑した。
 図書館でたまたま借りた「虫の名、貝の名、魚の名」という東海大学出版会の本である。副題は「和名にまつわる話題」とある。
 全ての生き物には世界共通の学名というのがラテン語で付けられている。ところがラテン語というのは馴染みにくいので、和名(日本名)が付けられる。
 それは、その生物の古来からの日本での名前であったり、発見者が名付けたりするが一応日本国中では統一されている。
 ところで、「虫の名、貝の名、魚の名」によれば思わず「マジ?・・・・・?」と爆笑してしまう和名の命名がある。

 ・トゲトゲと呼ばれていたハムシ類の中にトゲを持たない種があり、それをトゲナシトゲトゲと呼んでいた。ところが、その中になんとトゲのあるものが見つかったのでトゲアリトゲナシトゲトゲ。
 ・カニの仲間にケブカガニという種があり、その中に毛の無いものが見つかったのでスベスベケブカガニ。
 ・脚が極端に細く短いカニをイトアシガニという。このイトアシカニなのに脚の太いものが発見されたのでアシブトイトアシガニ。

 わたしの興味のの中心である植物には、ここまで爆笑させてくれるものにお目にかかっていない。
 時には、他の生物も覗いてみなくてはと思ったしだいである。、
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周平と詰碁に暮れる梅雨機嫌   朱露

2008年06月14日 | Weblog

    「梅雨機嫌」は造語「軽い不機嫌」。
    滅茶苦茶不機嫌を俳句では言い難い。
    無力な子女たちを襲う男がウヨウヨ。
    青年たちを狼に仕立てる狼社会日本。

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三光鳥           草女

2008年06月13日 | Weblog
 その囀りの節回しが「月・日・星」に聴こえるというので三つの光の鳥と名づけられた。しかし、何度聴いても「フィチフィチホイホイホイ」としか聴こえない。
 スズメ目カササギヒタキ科の夏鳥。スマトラ島で越冬し日本で繁殖する。雄は45cm、雌は18cmくらいだ。雄は繁殖期に長い尾を持つためこの大きさとされる。正身はすずめを少し大きくしたくらいである。
 この尾羽は紫色を帯びた黒色で、体の背面は茶褐色で地味である。コバルトブルーのアイリングがとても可愛い。
 しかし、杉やヒノキの暗い森を動き回っていて、姿を見せることは少ない。
 海上の森もサンコウチョウの繁殖地の一つで、毎年声を聞くことができる。
 5月23日今年初めての鳴き声を耳にした。大砲のようなレンズを構えたカメラマンが何人もンコウチョウを待ちわびていた。そこから百メートルほど歩いて行ったら、何と目の前に居るではないか!! この森を歩くようになってから五年になるが、こんな良い場所で巡り会えたのは初めてである。しかも、長い尾羽を持った雄。幸せなひと時であった。
 サンコウチョウは確実に減っている。日本での環境の悪化もあるが、スマトラ島の熱帯雨林の伐採が大きい。スマトラでは1932年を100とすると1980年ごろは70%その後の5年間で30%にまで減少しているという。しかも、その輸出先が日本であると聞くと、暗い気持ちになる。

  三光鳥光を曳いて飛びゆけり      水野露草

  三光鳥鳴きやみし尾を垂れにけり    島崎秋風

★写真は「みみのブログ」よりお借りしました。雛に餌やりの場面とか、こんな写真が撮れたらね。
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ちぇす?   麗

2008年06月12日 | Weblog
月曜9時フジテレビで放送の「change」を見ていたら
今時の体育会系の若者の挨拶で
「こんにちは」のことを「ちぇす」と言うというシーンが出てきました。
「どうも」や「よろしく」という意味にも使え一応敬語なんだとか。
私は聞いたことがなかったので実際の学生に聞いてみたら
「使います!」とのこと。
私が高校生の頃は先輩の姿がちらっとでも見えたら
「おっす!」という野球部員がいましたが今ごろは
「ちぇす!」に変わったのかな?

以前新聞で見かけた川柳で

「マジッすか?」「敬語使えよ」「おマジっすか?」
というのがあり笑ってしまいました。
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神田川祭の中をながれけり  久保田万太郎

2008年06月11日 | Weblog
久保田万太郎の句はわかりやすくて好きです。
この句も、とても気に入っています。
祭は秋祭と思っていましたが、夏の季語なんですね。

風景としての動と静の鮮やかなコントラスト。
音の風景としても静と動の対比。
神田川という地名の力。とくに神というコトバの力。
隅田川では、句としての密度がずっと弱くなりますね。

太古より静かに流れる川。年に一度の祭の賑わい。
また、祭は年に一回ですが、
毎年毎年、繰り返される永遠性を持っています。
人間の営みも永遠かも。
永遠に見える川も、流れる水は再び帰ってきません。
一瞬を秘めています。

一瞬と永遠のコントラストがこの句の魅力かも知れません。

神様のいない現代では、祭がイベントになってしまっていますが、
そんな祭はちょっと淋しいですね。

                  遅足




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荻原教室・近況報告(5)    鳥野

2008年06月10日 | Weblog
早いものです。先回の報告から3ヶ月がたちました。

教室は相変わらずの盛況。最近はお互いが顔見知りになり、和やかさが増してきました。
他の教室に比べて、先生もお若く、受講生も若い女性が多く、時にキャーと甲高い笑い声が起きたりして、楽しいものです。

私がいうのもおこがましいけど、皆どんどん上達。先生もその点は認めておられます。

指導は個人の持ち味を尊重して、添削は最小限度、文法や用語の間違いははっきりと指摘されます。
ナイショの話。「情況はよくわかります」と言われたら、先生は苦心して大意を把握されているということ。実際は今一つなんです。

 引き続きの題詠の題は、「揺」「入」「出」「落」「笑」「泣」

 先生のお作

  ・ 揺らしたり零したりしたときに濁らせてわたしの奥のみずの春秋

  ・ 夕焼にどのあたりからどうやって入るのかもはや思ひ出せない

  ・ 浴室を出てゆくやうにわたくしの夜を出てゆくものがゐて春

  ・ どこまでも祭がゆれるポケットの夏を落とさぬやうに歩いた

  ・ 大喜利で歌丸師匠がいくたびも殺されて笑ひつくして翳る

  ・ 泣くことと涙を流すことの差を滲ませて額の花に降る雨
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また夏か前世からの派遣かな   朱露

2008年06月09日 | Weblog


  広辞苑では派遣・覇権・馬券になる。
  私が派遣されたら覇権野郎を殺すさ。
  私コンニチあるは派遣と無縁なだけ。
  私を認める人が私を含め三人居れば。

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この木何の木・・・金木犀          愚足

2008年06月09日 | Weblog
 二・三年前、近くの家に咲き誇る南国情緒たっぷりで明るい凌霄花・ノウゼンカズラに憧れ苗をもらって金木犀の根元に植えた。
 わが庭で異常なほど巨大化し全盛期を誇っていた金木犀に恐る恐る巻きつかせて貰って細々と花を咲かせていた。

 ところが、栄枯盛衰は分からぬもの、余りの巨大化で狭い庭全体を日陰にしていた金木犀は主人の我慢の限界を超えたため無残にも伐採され丸坊主となった。

 喜んだのが「凌霄花・ノウゼンカズラ」我が世の夏とばかりに、もう天辺にのぼりつめ勝どきの雄たけびを上げている。

 調子に乗るとお前も長くないぞ。

  日盛りの風あふれゐるのうぜん花      石原舟月

  とき放つ紅紐のうづ凌霄花         長谷川久々女

  凌霄や午後は日の渦風の渦         古賀まり子

凌霄や雨を怺ふる近江富士         八木林之助
 
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伊吹山 三合目          草女

2008年06月08日 | Weblog
 植物の観察会が伊吹山であった。
 この前四月二十八日に訪れた時はゴンドラで登れたのだが,
行ったらゴンドラが運転していない、驚いて聞くとこの前はゴールデンウイークの期間で特別であり、七月一日から運転すると言う。
 こうなれば歩いて三合目まで行く以外方法が無い。
 しかし、歩けば犬でなくとも良いことにめぐり合う。
 一合目あたりでウスバシロチョウが飛び交っており、ヒラヒラ飛ぶ姿は優雅で美しい。この蝶の幼虫はケシ科のムラサキケマンやジロボウエンゴグサなどを食べる。やはり道中ムラサキケマンがいっぱいの花や実をつけていた。この実はホウセンカのように莢がはじけて種子を飛ばす。何度莢に触れても弾ける力の強さに驚かされる。
 二合目辺りからホタルカズラの青い花に出会う。ムラサキ科イヌムラサキ属の多年草で、花の色を蛍にたとえたもの。花の直径は1・5㎝くらいで、5裂して平らに開く。中心を向いて白い隆起があり星を連想させ、蛍光色ぽくて美しい。
 汗だくで三合目にたどり着く。
 開けた斜面に何とウスバシロチョウが無数に飛んでいる。聞けば近年伐採地の拡大で生息地が広がっているという。伐採も悪いことばかりではないということか?

そのほか、ミズバウコギが満開だったり、カラスアゲハに出会えたり大変楽しいウォーキングだった。
 名古屋駅から、名鉄、JR、湖国バスを乗り継いで一時間ちょつとでゴンドラ駅に着く。伊吹山は近くて、楽しい所である。
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ビックリしました。   遅足

2008年06月08日 | Weblog
我家は名古屋大学の近くなので、
名大祭はお馴染みで、昨日も覗きにいきました。
写真は文学部前のステージ。
この周辺には、屋台が立ち並んでいました。
「あげアイス」を売っているお店には列が出来ていました。
シュークリームにコーンフレークをまぶして
油であげたもので、食指が動きましたが、
なにしろ油っぽいものは厳禁の身。

家に帰ったら、救急車のサイレン。
しばらくしてヘリコプターが飛んできました。
なにかあったのかな?とちょっと気になりましたが、
寝てしまいました。

翌朝、ニュースで知ってビックリ。

どのくらい前からか?学園祭といえば屋台が出るように。
名大祭を体験した者としては違和感を感じていましたが、
こんな騒ぎになるとは・・・

なぜ梅雨時に大学祭なのか?と不思議に思っていましたが、
第一回の時、伊勢湾台風が来て翌年の6月に延期になったんですね。

食中毒になった方には心からお見舞い申し上げます。
来年から屋台中止ではなく、安全に楽しめるようにして欲しいな。



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涼風や人は独りで笑うべし   朱露

2008年06月07日 | Weblog


     行き倒れの青年が自分の名は忘れたが、
     歴代総理の名は覚えているというので、
     誠に失礼だがのたうち回って爆笑した。
     待てよ俺様も歴代総理知ってるじゃん。

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蛇結茨             草女

2008年06月06日 | Weblog
 蛇をも縛るという刺が無ければとうの昔に庭木になっていたという低木がある。
 マメ科ジャケツイバラ属のつる性の落葉低木の「蛇結茨」。
 5~6月が開花の時で大変美しい黄色の花穂を上向きにつける。マメ科であるが
蝶型でなく、花の内側に朱色の線が入り艶かしい。
 名前の由来には諸説あって、蛇をも縛る木というのと、太くて刺だらけ茎がよく分岐し曲がりくねってまるで蛇がとぐろをまいているように見えるので「蛇結茨」と言われるとも。
 どちらにしても、その刺に触れれば衣服も皮膚も破れるという危険植物である。
 別名を「カワラフジ」と言うように海上の森でも川の近くに生えている。
 この花のアップの写真を撮りたいと願っているが近づくことが出来ない。川と刺とに行く手を阻まれている。
 これからは、この木の実のウォチングが楽しみになる。長さ7~10cm幅3㎝ほどの大きな豆果が出来る。10月~11月に褐色の熟し二つに裂ける。中の種が出てしまった後も大きな豆の皮が残っていて、花の無い季節を楽しませてくれる。
 花も実も魅力十分だが、危険度も一級のインパクトがある木である。
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雨降りに   麗

2008年06月05日 | Weblog
平年より早く梅雨入りした今年。
先日、雨の激しく降る中、田んぼで傘もささずに雑草取りをしていた
農家の女性を見かけました。
なんとたくましい!晴耕雨読というのは嘘でした。
お米を作るには晴耕雨耕のご苦労があるのですね。
頭が下がりました。

岡本眸さんの句に

   割って飲む薬や梅雨に入りにけり

というのがあります。低気圧の影響で体の不調を訴える人が多いこの頃ですが
宇宙ステーションでは「きぼう」のとりつけが成功。
「きぼう」ののれんをくぐっていった宇宙飛行士の姿に感動しました。
 
    低気圧無き空間にきぼうあり   麗
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梅雨入り    遅足

2008年06月04日 | Weblog
東海地方は、はやくも梅雨入りです。
暦では10日が梅雨入りですから、
一週間ほど早くなっています。
このところ気象台が梅雨入りを宣言すると
好天になっていましたが、今年はどうかな?

   

荻原俳句教室の宿題の一つが「走り梅雨」
走り梅雨もなく、そのまま梅雨に。

  走り梅雨仲むつまじき妻と猫  遅

   

豊田市の猿投山に散歩に行った時、
麦秋に出会いました。

  クレヨンの黄を麦秋のために折る  林桂

麦秋を描くためにクレヨンの黄色を手に。
画用紙に黄色を塗っていく。
ぽきん、と折れる。
散文として読めば、そんな光景が浮かんできます。
私は、この句をそれ以上には読めませんでした。

しかし、句のポイントは「ために」にあるようです。
麦秋のためにクレヨンの黄を折る。
クレヨンを犠牲にする。麦秋に捧げる。
そんな意味が「ために」には含まれています。

人間を超えた抽象的な世界に、犠牲を捧げる。
深読みかな?





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