575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

命二つの中に生きたる桜かな           愚足

2008年06月29日 | Weblog
 
 芭蕉全句集というのをめくっていてこの句に出会った。
 この句は芭蕉が貞享二年四十二歳の時、奈良のお水取りなどを見物の帰路、近江の水口まで迎えに来てくれた同郷上野の青年「土芳」に二十年ぶりに会った時の句。
 少年の頃の面影しか覚えていない土芳が、上野藩槍術師範にたくましく成長した
姿に感動し、自分の命にも思いをはせた句であろう。

 今春、街角でずーっと気にかかっていた教え子と出会った時の気持ちと二重写しになって忘れがたい句になりそうである。
コメント (2)
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