575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

雨模様幽かに揺れるダリアかな     朱露

2011年05月23日 | Weblog
    十個のダリアが東上空を向いて今満開。
    淡いピンクの重い首を細い枝が支える。
    大風が吹けばひとたまりもないだろう、
    と余計な心配すると血圧が上がるのだ。

                


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蛇潜む互いに意識する小庭    朱露

2011年05月23日 | Weblog
  夏ともなればヤツが出て来るのは覚悟。
  青大将の子供にどうしても一度は会う。
  こっちは立ちすくみヤツは這いすくむ。
  親が見ているから殺すわけには行かぬ。

             



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マネキンの装い初夏を競い合う 立雄

2011年05月23日 | Weblog
京都で、何気なく訪れた島津製作所の展示館。
ノーベル賞を受賞した田中さんのいる、あの島津製作所です。
ここで日本最初のマネキンに出会いました。

戦前、島津製作所には標本部があり、
教育用の模型や標本、人体模型をつくっていました。
ところが、昭和の世界恐慌で教育予算が大幅カットに。
そこで「人体」の製造知識を生かして、マネキン制作に方向転換。
これが日本のマネキンの始まりだそうです。
このマネキンは、和装用ですから、八頭身じゃありませんでした。

マネキンは、戦前からあったんですね。
デパートなどの商戦では、一足早く、夏がやってくる。
ショーウィンドウのマネキンは、春から初夏を競い合っています。
都会の人たちが、初夏を最初に感ずる時でしょうか。

                        遅足
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百合の根の甘味戦後が巡り来る    朱露

2011年05月22日 | Weblog
   歳時記の夏を見ていたら百合に会う。
   百合と来れば花じゃなく根の甘さだ。
   戦中戦後のヘンな甘さがサッカリン。
   この音で戦争のバカらしさが分かる。

             


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五月 薔薇と俳句 ぐ

2011年05月22日 | Weblog
★庭にも公園にも薔薇が真っ盛りです。
 薔薇の句を満開にしてみました。
 お好きな花をどうぞ。


花嫁の
 総身ひかり
 薔薇に佇(た)つ
            柴田 白葉女


 己が活けし
 薔薇へ礼して
 わが少女
            田川 飛旅子


 愁ひつつ
 岡にのぼれば
 花いばら
             蕪 村 

薔薇呉れて
 聖書かしたる
 女かな
            高浜 虚子


 馥郁と
 因習の村
 今朝の薔薇
            成木 文


 薔薇培(つく)り
 詩をつくりみな
 若きひとよ
            中尾 白雨

全輸血
 了りぬ薔薇を
 換へくれぬ
             石田 波郷


 薔薇大輪
 稚ければ神
 召されしや
             角川 源義


 テームスの
 ふなびとに寄せ
 窓の薔薇
             京極 紀陽


垣の薔薇
 白きがちりて
 怪しろし
           水原 秋桜子


 噴水に
 花薔薇もろく
 なりにけり
           佐々木 有風


 花うばら
 ふたたび堰に
 めぐり合ふ
           芝 不器男 

 饒舌の
 ひとに日曇り
 花いばら
           原 コウ子


 青空の
 青ふかく薔薇
 傷みけり
           木下 夕爾

 名は忘れ
 同窓の笑い
 薔薇の部屋
           成木 文


 とほるとき
 こどものをりて
 薔薇の門
            大野 林火

野いばらの
 水漬く小雨や
 四つ手綱
           水原 秋桜子


 野茨や
 たなご釣りしに
 堰の跡
           石塚 友二

 ばら剪(き)つて
 すでに短命
 にはあらず
            寺田 京子


 海光に
 薔薇に眩しき
 家ばかり
            村岡 籠月


 薔薇の土
 誰か訪ひくる意
 にしつとり
            野沢 節子 

 ひとところ
 野薔薇散り敷く
 谷の道
            川崎 展宏

 捨仔犬
 をりて川辺に
 野ばらの香
            北原 李枝子


 花いばら
 そこはかとなく
 関の跡
            佐藤 漾人

 人の恋
 見て来て薔薇に
 立ちすくむ
             菖蒲 あや


 胸移しに
 嬰児抱きうけ
 薔薇夕べ
             山本 馬句


 花いばら
 故郷の路に
 似たるかな
             蕪 村



































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明日は小満      遅足

2011年05月21日 | Weblog
5月21日は小満。
二十四節気のひとつ。太陽が黄経60度の点を通過する時。
といっても、よく分かりませんね。

畑では、いろいろな作物が育っていますが、
まだ本格的な実りには至っていません。
大いに満ちる前の小さく満ちる頃という意味だそうです。
わが家の家庭菜園もまだ苗を植えたばかりです。
大きく満ちて欲しいものです。

  小満のみるみる涙湧く子かな  山西雅子

なにがあったのでしょうか?
子供の目にみるみる涙が湧いてきます。
まだ幼い子供なんでしょうね。
男の子かな?

そういえば、子供の頃、泣き虫と言われていました。
思い出してしまいました。







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木下闇奈良朝のままと心得る   朱露

2011年05月21日 | Weblog
    我が家から徒歩三分真言宗「赤岩寺」。
    不信心者だが四季を通じて山中を歩く。
    とりわけ真夏の山門を登れば昼尚寒い。
    源頼朝勢が来ているので更に寒くなる。

               

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夏の朝飛行機雲を訝りぬ    朱露

2011年05月20日 | Weblog
    訝(いぶか)るは不審に思うこと。
    昭和20年夏の飛行機雲は B29。
    制空権も制海権もアメリカの手中。
    一体あの戦争はと一生考えるのだ。

             



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夏めいた句会   麗

2011年05月19日 | Weblog
気持ちのよい五月晴れに行われた昨日の句会。
震災直後からすでに3回目の開催ですが以前、原発問題に進展なし。
いらだち・あきらめ・それでもつぶさに見るというスタンスでしょうか?

福島に置き去りにされた牛たち。その大きな瞳にも夏が兆しが。。。
何を思っているのでしょうか?
遅足さんの

    牛の瞳に被爆の大地夏兆す

がトップ賞に輝きました。マネキンや真珠の耳飾り・自転車で走り抜ける並木道・美白化粧品・焼き魚の化粧塩・名刹の廊下の軋み・病から一年・はだけたシャツ・香り・瑞枝・デートの山裾と様々の状況に夏が感じられ気持ちも明るくなりました。

想像力を刺激される一句や写生に徹した秀句あり。自由題も盛り上がりました。
なかでも能登さんの

   マニキュアに星座を描く薄暑かな

は女性陣の心をつかみました。が、まさか男性の俳句とは!!これがカメラマンの目がとらえた細部でした。

静荷さんの

   旧姓で呼ばれふり向く新樹光

旧姓で呼ばれるとその頃の自分に戻る不思議な感覚。色んな感情がわき出す一句でした。

立雄さんの

   打つ手なく盤上に藤ふりしきる

は長考の碁盤に藤の花が降りしきる。甘い香りと微風も感じられさわやかな一句。
五月の句会は乾いた気持ちのいい句が多い気がしました。
来月はちょっと湿り気の多い「黒南風」がお題。
でも気持ちは明るく過ごしましょう。

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5月句会の最終結果です。     遅足

2011年05月19日 | Weblog
7人が出席、まずはオシャベリ・・・
話題はやはり震災のこと。
句友の一人は、これまでは原発賛成だったけれど、
反対に気持ちが変わったと話していました。
そして句会に。
結果は、ごらんの通りです。


題詠「夏めく」

①マネキンの装い初夏を競い合う(立雄)鳥野・静荷
②夏めくや揺れる真珠の耳飾り(亜子)晴代
③はつなつの桜並木は自転車で(静荷)郁子
④牛の瞳(め)に被曝の大地夏兆す(遅足)能登・朱露・値遇・童子・結宇・狗子・亜子・静荷・立雄
⑤夏めくや美白につられまたひとつ(麗子)値遇・郁子・晴代・遅足
⑥化粧塩跳ねるがごとき夏めく夜(晴代)結宇・亜子・遅足
⑦名刹の廊下の軋み夏きざす(狗子)能登・鳥野・結宇・麗子・立雄
⑧夏めけば病ひ一年(ひととせ)巡りかな(結宇)能登・童子・麗子・亜子
⑨夏めいて もひとつはずすシャツの胸(郁子)狗子・晴代・遅足・立雄
⑩夏めきて出会いし人の香の残る(能登)狗子・静荷
⑪初夏の瑞枝拡ぐる水辺かな(値遇)朱露
⑫夏めいて彼女と歩く山の裾(朱露)値遇・麗子・郁子


自由題

①ほうれん草軸赤きまま老ひの伴(とも)(結宇)能登・静荷
②生真面目に今年もひそりぎぼし咲く(郁子)能登・童子
③マニキュアに星座を描く薄暑かな(能登)鳥野・結宇・麗子・狗子・晴代・静荷・立雄
④止まるも泳ぐも揃ふ鯉幟(値遇)鳥野・朱露・結宇・狗子・遅足
⑤薫風や蔵に古筆の日記みる(晴代)鳥野・値遇・狗子
⑥えんどうの豆飛び出して夕支度(麗子)値遇・郁子・亜子・遅足
⑦わが愛すバラ科のなかに妻はあり(遅足)麗子・立雄
⑧打つ手なく盤上に藤降りしきる(立雄)童子・郁子・亜子・晴代・静荷
⑨歓声の回転木馬夏来る(亜子)値遇・晴代・立雄
⑩旧姓で呼ばれふり向く新樹光(静荷)朱露・童子・結宇・麗子・郁子・亜子・遅足
⑪つき出しのサイコロのごと冷奴(狗子)
⑫あの年は蚫剥がして終りけり(朱露)能登 

           
 
次回は5月15日(水)東鮨本店 午後1時~
題詠は「南風」「黒南風(くろはえ)」などです。

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六月や車寝ている日曜日     朱露

2011年05月18日 | Weblog
  「六月や峰に雲おくあらし山」芭蕉。
  芭蕉と私の六月はこんなに違うのだ。
  私は日曜朝の住宅群を眺めて作った。
  私は一年中住宅群を見て生きている。

           



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憲法九条風はみどりに立ち上がる   遅足

2011年05月18日 | Weblog
船団・小枝ドクターの診断です。
 憲法九条についてはさまざまな論がありますが、
「風はみどりに立ち上がる」を鑑賞しますと、
初夏の若葉の爽やかな緑の中を風が
立ち上がるように吹いているということでしょうか。
「立ち上がる」という言葉に少し作為が見えないこともないですが、
新緑のような清々しさを持って、風が吹いていると鑑賞しました。
気持ちのいい句です。

ありがとうございます。


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雪形ウォッチング  鳥野

2011年05月17日 | Weblog
信州大町の友人からのお誘い。
残雪の五竜岳を背景に咲き盛る「霞桜」を見にきませんか、と。

ならば連休明けに、と手配しました。
サクラを見るには遅いかな、と気にしながら。

ところが、お目当ての名木。蕾は固く色づいてもいません。
やっぱり信州の春はこれから。

かわりに「雪形ウオッチング」を楽しみました。

安曇野から白馬村へと続く北アルプスの斜面に、残雪と岩肌が描く雪形。
年によって違う寒暖の訪れを、知らせてくれる農作業の指標、と伝承されて来ました。

五竜岳の武田菱、白馬岳の代かき馬、小蓮華の仔馬、白馬乗鞍の尾長鳥、爺ヶ岳の種まき爺さん、常念岳の常念坊、東天上岳の達磨。蝶ヶ岳の蝶は胴の部分に黒い線が入ったら出来上がり。
どれも、山里の人たちが待ちかねています。

友人のガイドは詳細で行き届いて、感謝の旅でした。

 ・ ひと夜さの明けて雪形くっきりと白馬の春の足取りたしか

                       鳥野
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5月句会の投句が集まりました。    遅足

2011年05月17日 | Weblog
あの日から、もう2ケ月。季節はすっかり夏模様です。
津波からの復興は、いまだ始まったともいえない状態。
原発の対策は、一歩も前に進んでいません・・・
被災地のみなさんの笑顔には勇気を頂いています。
私も一日一笑を心がけています。

       

今回も力作が集まりました。

題詠「夏めく」

①マネキンの装い初夏を競い合う
②夏めくや揺れる真珠の耳飾り
③はつなつの桜並木は自転車で
④牛の瞳(め)に被曝の大地夏兆す
⑤夏めくや美白につられまたひとつ
⑥化粧塩跳ねるがごとき夏めく夜
⑦名刹の廊下の軋み夏きざす
⑧夏めけば病ひ一年(ひととせ)巡りかな
⑨夏めいて もひとつはずすシャツの胸
⑩夏めきて出会いし人の香の残る
⑪初夏の瑞枝拡ぐる水辺かな
⑫夏めいて彼女と歩く山の裾

自由題

①ほうれん草軸赤きまま老ひの伴(とも)
②生真面目に今年もひそりぎぼし咲く
③マニキュアに星座を描く薄暑かな
④止まるも泳ぐも揃ふ鯉幟
⑤薫風や蔵に古筆の日記みる
⑥えんどうの豆飛び出して夕支度
⑦わが愛すバラ科のなかに妻はあり
⑧打つ手なく盤上に藤降りしきる
⑨歓声の回転木馬夏来る
⑩旧姓で呼ばれふり向く新樹光
⑪つき出しのサイコロのごと冷奴
⑫あの年は蚫剥がして終りけり 

明日の句会は、どの句が顔を見せるのでしょうか?
楽しみです。

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蚊や蝿が居ない浮世を何と見る   朱露 

2011年05月16日 | Weblog
    百害あって一利ない奴らはいなくていい、
    ということで片付けてしまっていいのか。
    歳時記から蚊と蝿がなくなっていいのか。
    「叩かれて昼の蚊を吐く木魚かな」漱石。

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