575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

歌会始     麗

2015年01月15日 | Weblog
昨日、新春恒例の歌会始の儀が皇居で行われました。
今年のお題は「本」でした。一般応募の2万861首から入選された10人の方の歌も読み上げられました。
地元名古屋の74歳の女性も入選されていました。

実は私も今年、生まれて初めて応募したのです。厳密にいうと昨年9月末が締め切りでした。
昨年の手術の前後、本好きの私に友人から厳選の本の数々が送られてきました。
どの本にも私は多いに慰めれれ、元気や笑いを与えてくれました。
今まで読んだことのない本ばかりで、まさに皇后陛下のおっしゃるとおり、本の
林の下陰に憩わせて頂きました。

そんな気持ちを初めて短歌にし、急いで100円ショップで半紙と筆を買い宮内庁、詠進歌の係に応募しました。

       手術前友から本の贈らるる その優しさの重さを抱く 

20861首の1は私の一首です。 なんだか嬉しいです。

ちなみに来年のお題は「人」です。私の恒例行事にしようと思います。  麗

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「初」句会近づく     遅足

2015年01月14日 | Weblog
今年最初の句会の題詠は「初」です。

歳時記は、天文、地理、生活などと項目によって分けられています。
まず天文で、初空・初日・初明りなど。
地理で、初景色・初富士など。
生活は、書初・読初・初旅・初句会・初電話・・・
行事では、初詣・初神楽・初場所・・・
動物の初雀・初烏など。
歳時記のなかで一番多い季語ではないでしょうか。

時間の流れは、直線ではなく循環であるという考え方。
一度リセットをして新しい年が迎える。
どこかホッとしませんか?

   初夢の羊の群れをぬけられず  

           

応答の一日一句

   山茶花や少女初めて紅を差し   孝

   山茶花や少年老いて句に馴染む  亜子


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まる、か、四角か   鳥野

2015年01月13日 | Weblog
「またお雑煮なの」正月も三日になると、不満も
出始めていました。と言われても、正月の行事食、
外すわけには参りません。

よくも長年、と感心するほどに、一般家庭に伝え
られてきた「雑煮」の形。地方色も厳然と守られ
ています。

濃尾平野を大方の境にして、東は切り餅、西は丸、
汁の仕立も澄ましか、味噌か。出しもイリコ、カ
ツオ節、アゴ、ブリ、鮭、鰤等々と譲りません。
確か香川県では、餡子餅入りの雑煮。それが大変
に美味ということです。

さて、日常生活が戻ってみると、餅が残っている
のも例年のこと。先人の知恵を借りて食卓へとし
ましょう。

 ・ 変わり映え無きも愉しや年賀膳  鳥野



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

霜柱北の大地を持ち上げる    狗子

2015年01月12日 | Weblog
大きな視点ですね。似た読み方がありそうですが・・・。
北海道の大地が浮かびます、と結宇さん。

持ち上げたのが大地。スケールの大きな句です。
子供の頃読んだ地底探検の世界を思いだしました。
地下にももう一つ別の世界が存在する。
日常では地下を感ずることは少ないだけに
ファンタジーを呼び覚ましてくれる句です。

  霜柱馬場を持上げ朝稽古  早川典江

           

今日は成人の日。
日本海側は雪。太平洋岸も晴れてはいますが寒い。
あと50年経ったら、どんな日本になっているのか?
若者は霜のように大地を持ち上げる力があるはず。
そのパワーで、平和な日本を・・・と。

                     遅足




  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

霜を踏む足袋に穴あり托鉢僧   能登

2015年01月11日 | Weblog

情景が浮かぶ句です。
托鉢僧が足袋を履いていなかった記憶もありますが・・・。
宗派の違いかもしれませんね。
托鉢僧は捧げる相手の顔を見てはいけない、という所もあるとか。
僧はただ納めるのみであって、相手との交流を避けるようです。
なんとなく分かる気が、と結宇さん。

写生の効いた句。なぜ穴のあいた足袋のままなんでしょうね。
修行僧ですから自分で縫うのでしょうか。
忙しくて縫う時間がないのか?
縫い方が悪くて・・・また穴が?
穴のことしか言っていませんが。
急かれるように修行する若い僧の姿が浮かんできます。(遅足)

  踏みてみてまた踏みしめて霜柱  渡辺茫子

              

応答の一日一句

  初旅やこの日常が遠くなる   孝

  初旅や禍福を縫ってひた走る  亜子

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

霜柱地下にガラスの城ありや   静荷

2015年01月10日 | Weblog
アナ雪の世界。地下にお城があったら面白いですね、と麗子さん。
よく見ると、霜柱がガラスの塔のように見えますね。
日本ではなくヨーロッパのお城でしょうね。
どんな王様やお后、王子様、お姫様がすんでいるのでしょう。
私たちの地上の世界とは違った価値観を持った精霊たちの世界。
冒険物語もありそう。想像力を刺激する句ですね。

  霜柱白宮殿を現じけり   下村梅子

もう一句はこちら。

  サクサクとただサクサクと霜柱   すみ

音が聞こえますね、と麗子さん。
霜柱の立った道を一心に歩む人の姿が浮かんできます。
さくさくとまたサクサクサクと霜柱
など、表記と接続詞を工夫すると・・・
面白みが増すかも知れませんね。

            

応答の一日一句

  老木にそっと寄り添う寒椿    孝

  寒椿故人に似たる喪主の声    亜子

東山植物園の椿園はかなり強い剪定が行われて
花はあまり咲いていませんでした。

                  遅足

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

霜万朶光万朶の月の夜    佐保子

2015年01月09日 | Weblog
万朶(ばんだ)。「朶」は垂れ下がった枝。
万朶は多くの花の枝。また、多くの花を意味します。
霜万朶光万朶は、一面の霜が光を浴びて輝いている様。
それは月の光のためと。

日本画のような幻想的な景が言葉によって描かれています。
一瞬が永遠のような景色。この句を思いだしました。

  金剛の露ひとつぶや石の上  川端茅舎

           

応答の一日一句

  住所録広げしままの寝正月       孝

  授かりし一日(ひとひ)短し寝正月   亜子

寒にふさわしい寒さです。まだまだ大寒が待っています。
体調管理に充分きをつけて下さい。
                      遅足

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中今     麗

2015年01月08日 | Weblog
昨日BSプレミアムで明治神宮の特集をやっていました。
その中で印象的だった言葉が宮司さんが話された「中今」(なかいま)という考え方。
仏教もキリスト教も来世を説いているが神道には来世という考え方はないそうです。
将来のことを心配したり、過去を悔いたりするのではなく、生きている今現在を一生懸命生きること。それが「中今」という考え方だそうです。

今は過去にも未来にも通じているからその真ん中が今というもの。
今を一生懸命生きる。平成の世が始まって27年目。本当にあっという間でした。
一日一日大切に過ごして行きたいですね。

そんなことを言いながらまだ初詣に行っていないことに気づきました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

枝を切るやっと私になりました   穗實

2015年01月07日 | Weblog
えみさんが送って下さった川柳です。

私って何でしょうか?あなたではない私。
何時の頃からか「私探し」の時代に。
しかし私は何もない空間には存在できません。
他の人との関係のなかに現れてくるのが「私」
一本の樹木に喩えることも可能です。
枝が数を増やして一杯に。自分でも整理がつきません。
そこで一本づつ切って行きます。何本切ったでしょうか?
やっと安心できる私になりました。

時々、思いついたように庭木の剪定を。これが熱中すると止まらない。
振り返ると・・・???木が丸坊主に。枝の切りすぎは要注意です。

私って、本当に不可思議なモノです。

えみさんが参加しているのは「かもめ舎」。主宰は川瀬晶子さん。

  私の深いところで飛ぶカモメ

「かもめ舎」は、この句にちなんだもの。
映画の脚本も書いていらっしゃいるそうです。

         

応答の一日一句

  挨拶も普段に戻り松納め      孝

  マンションの扉拭き上ぐ松納め   亜子 

松納めは関東が六日の夕、関西では十四日の夕だそうです。
我が家は関西圏ですね。
                      遅足









   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猿ぼぼからの御慶   鳥野

2015年01月06日 | Weblog
何はともあれ、猿ぼぼのご挨拶。
 「おめでとうございます、今年もよろしく」

どこの家にも二つや三つはあるに違いない郷土
玩具。旅先で買ったり、お土産に頂いたり。思
い出もたっぷり。
何時もは、埃を被っていても、お正月くらいは、
と飾り棚へお出ましです。

そんな中、当方のお気に入りは「猿ぼぼ」、赤
ぼぼとも言われる、飛騨高山の這い這い子です。
赤い布を括って、手足を作り、綿を入れただけ
の縫いぐるみ。アマガツと呼ばれて、すでに源
氏物語・薄雲の巻では都に上る明石の姫君のお
供をしています。
遊び相手になるばかりか、幼子の凶事の身代わ
りになるという、大役もありました。
とにかく、素朴で愛らしいのです。

 ・ 猿ぼぼを下げて幼の御慶かな  鳥野
 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

俳句は意味を伝えるものではない。    遅足

2015年01月05日 | Weblog
小川軽舟さんの「俳句入門」を読みました。
ポイントは以下の4点でした。

①俳句は詩。意味を伝えるものではない。

読者に何かを思いださせるもの。
575の短い詩型だから、言葉の連想の力を活用する。
季語は大きな連想の力が秘められている。

②取り合わせの句。

  卯の花や箸の浮きたる洗桶   軽舟

季語と中七下五のフレーズの隙間を読んでほしい。

③写生。

  鳥の巣に鳥が入ってゆくところ   波多野爽波

その情景を思い出してほしいという句。
読者それぞれがイメージを膨らませる。そのための鍵が俳句。

④写生のコツ。
頭をからっぽにして待つ。何を?
言葉を。
頭が働くと擬人法や比喩といった表現に向かう。

           

応答の一日一句

  初雪や妻ベランダに走り出て   孝

  初雪や先斗町にも下駄の跡    亜子



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬鳥の声のあつまる冬青(そよご)の木   遅足

2015年01月04日 | Weblog
東山の林のなかを散歩すると小さな赤い実をつけた木が。
冬青と書いて「そよご」と読みます。風に葉がそよぐ木という意味。
以前は、そろばんの珠にも使われていたとか。
10月から11月ころい実が赤く熟します。
そんなに美味しくないようで、冬になっても残っています。

秋から冬、日本に渡ってくる鳥たち。冬は食べ物の少ない季節。
そんな鳥たちに冬も残っている木の実は大切な食糧。

冬青は実を沢山つけて待っています。鳥に種を運んでもらうためです。
食べて貰うと、種は発芽しやすくなるそうです。
糞とともに地上へ落ちた種は新天地を開拓。

渡り鳥と植物のお付き合いは何百年、いや何千年。
樹木はテリトリーを拡大。
鳥たちは渡りのルートに食べ物を蓄える結果に。
持ちつ持たれつですね。

               

応答の一日一句

  初日差す和紙の明かりの柔らかし   孝

  ビルの窓モザイクに染め初日かな   亜子



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私が生むなら霜のような猫   遅足

2015年01月03日 | Weblog
純白の地毛にグレーの差し毛。宝物のような美猫、と鳥野さん。

今朝は雪かと思っていましたが、晴れ。霜の朝でした。
日の光をあびてキラキラと。
霜の猫とはどんな猫なのでしょう?
美しいけれども、近寄りがたい冷たい感じも。
そんな猫を産む私とは?
いろいろに想像して楽しんで下さい。

霜と猫の取り合わせの句がありました。

  爆音や霜の崖より猫ひらめく  加藤楸邨

この句、実は戦争の句です。
前書に「昭和十九年十二月二十一日戦局苛烈の報あり。
午後九時、一機侵入、照空燈しきりなり」とあります。
爆音は米軍のB29でしょうか。
照空燈が、一瞬照らしだした霜の崖。
驚いた猫がひらりと舞ったところです。

お産を詠んだ句。

  産みに行く夜のびつしりと霜柱  辻美奈子

             

応答の一日一句

  雑煮餅やうやく二つ啖いけり   孝

  卓袱台に正座せし日の雑煮かな  亜子



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「鳥の道を越えて」      遅足

2015年01月02日 | Weblog
奥さんの知人から薦められて観たドキュメンタリー映画。
監督の今井さんは、岐阜県の東白川村の生れ。
「故郷の空に鳥の道があった」と、祖父から聞いて育ちました。

その道には、鳥屋(とや)がつくられ、カスミ網猟が行われていたとのこと。
長野県と岐阜県の県境にある鳥屋山へ登ったことを思いだしました。
カスミ網が張ってあったのでしょうか。

網をかけておくだけでは鳥はかかりません。オトリを使って呼びよせます。
オトリの囀りが仲間を呼ぶのですが、囀りは春の鳴き方。
猟は秋に行われます。どうするのか?
餌の与え方で秋に囀るように仕向けます。なかなか技術の必要な猟です。
(今ならテープで簡単ですが)
さらに、布切れを振って鷹の羽音に似た音を立て小鳥をおどします。
かくして低空飛行に移った鳥を網に遊動。一網打尽。
一度に100羽、200羽と網にかかったと言います。

カスミ網猟は農閑期の副業として岐阜県の東濃地方で盛んに行われていました。
捕獲されたツグミなどの鳥は、腹を取り、麹などにつけて保存食に。
山村の貴重な蛋白源として珍重されました。

猟師たちは、お隣の福井県などへも出稼ぎに行っていたのです。
山の権利を買って鳥屋をつくり、秋から冬につぐみなどの渡り鳥を捕獲していたとのこと。
これにはビックリでした。カスミ網猟は生活の手段だったのです。

戦後は禁止に。

敗戦後、GHQは自然保護を名目にカスミ網を全面禁止に。
私が現役の頃は「密猟摘発」のニュースが、毎冬のようにマスコミに。
野鳥の会と鳥屋師の戦いは、その後も続きました。
半世紀経った平成の時代、ようやくカスミ網猟も姿を消したようです。

実はカスミ網は秋の季語。
小鳥狩り・鳥屋師(とやし)などは傍題です。

  袂より鶫(つぐみ)とり出す鳥屋師(とやし)かな   大橋櫻坡子

この映画、名古屋今池のシネマテークで9日まで上映中です。

             

応答の一日一句

  羽根突きも独楽回す子も消えし町   孝

  羽根つきの消えて久しき閑所かな   亜子



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新年   麗

2015年01月01日 | Weblog
明けましておめでとうございます。新年のお目覚めはいかがですか?

私は六時起床。お雑煮の準備をしてお屠蘇で乾杯。今年一年の無事を祈りました。
夫は初仕事で雪の降る中、出かけていきました。早くもうっすら雪景色。初日の出はお預けですね。

今年は平成27年。西暦2015年。ユダヤ紀元5776年。イスラム紀元1437年だそうです。
光と光技術の国際年、国際土壌年だそうです。

どうぞ世界が平和で穏やかでありますように。
そして今年はどんな出会いがあるでしょうか?一日一日を大切に過ごしていきたいです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

         新年の窓を開ければ雪景色    麗
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする