流星群を見る事が出来なかったので、地上の自然観察でも。
巨大なクワズイモの葉、毒が有るため人間は元より家畜の餌にもならず。
至る所生え放題、延び放題である。
この時期数少ない花、海岸に咲くオオジシバリの花。
キャンプ場を縄張りとしている(らしい)ズグロミゾゴイです。
朝昼晩とキャンプ場の中を彷徨いて餌となる昆虫やミミズを探している。
鶏ほどの大きさが有り、数mまで近づいても悠然としている、一応絶滅危惧種です。
このキャンプ場には、長期滞在者の他に入れ替わり立ち替わり色々な人がやって来る。
私とほぼ同年代のオジサンに「長いんですか?」と聞いたら「まだ一ヶ月だが、これから長くなる」
と言っていた。立派なテントに車を持っていた、この不況で職を失ったのか?
この様な場所では、お互いの過去は詮索しないのがルールであるが、だいたいは想像が付く。
長期旅行者のお兄さん方は、年齢的には三十代前半で就職氷河期の世代である。
どうせまともな就職先が無いなら旅に出てしまえ、と言った所か。
中央に座っている二十歳代半ばの女の子は、沖縄本島から石垣島へ、
そしてサトウキビ刈りのアルバイトを求めて西表島へやって来たとの事。
それ以上の事は聞かなかったが、超ビンボー生活を経てきた事は想像に難くない。
食事内容を見ていたら「アズキの炊き込みご飯」「カボチャの炊き込みご飯」のみ以上終わりである。
「私、白菜を持っているので今夜は鍋にしましょう」・・・オイオイ、黄色く成って半分腐っているジャン!
翌日テントをたたんで「バイト予定している大富の農家まで行ってくる、二時間も歩けば着くでしょ」
足下見たらビーチサンダル、見るに見かねて遊びに来ていた人のトラックに乗せてあげた。
このくらい逞しくなければ生きて行けないよなぁ~、こんな生活。若いってウラヤマシイ。
右に座っている中年の男性、一見しただけで貧乏旅行者とは人種が異なる。
ポツリポツリと語り出したのを聞いていると、東京のI T 企業でシステムエンジニアしていたらしい。
一年中休み無し、昼夜を問わないハードスケジュール、社内の派閥争い、同業他者の陰湿な謀略、
どんなに良いシステムを開発しても、所詮は影の存在で社会的に認知されない
等々で心身とも疲れ果て、月収200万円だったが現在休職中でバイクで全国旅行中とか。
周りに居た貧乏人が「俺、年収100万円・・・俺も・・・俺も」の大合唱。
私も、と言いたかったが退職したオヤジが言っても様に成らないので黙っていた。
なんて話聞いていると、「人生金じゃないよなぁ~」と思う半面、ここに居る貧乏人達は
将来どうするんだろうと心配したりするのであった。
「他人の心配している場合かバカ人間、お前こそどうするんだ!」と頭の中で声がした。