山歩きの世界では、一般論として藪漕ぎ時速500m、ハイマツ漕ぎ時速300mと言われています。今回は距 離600m標高差115mの藪漕ぎに一時間五十分も掛かってしまいました。ただ単に年のせいで体力が衰えてし まったと言えばそれまでですが。
今の一仕事は、一万分の一の地形図に落とされたポイントを、コンパスと地形図のみを頼りに探し当てるこ とです。背丈よりも高いクマザサの中に入り込めば、全く方向感覚と距離感を失います。誰かさんみたいに、何 時までも大航海時代みたいな事はやってられませんね。
ハンデイタイプの簡易GPSの精度は10mとのこと。長年の感と経験もハイテクにはかないません。でも電波 の届かない谷間では唯の箱です。いざと成れば、感と経験が物を言うのだ。明日も又藪漕ぎに行ってきます。
クロウサギさん、コメントありがとう。二十年ぶりに訪れたら、赤沼が成長して大きくなっていたとか。これは 四年前に撮った写真です。この沼が成長して大きくなることは、あながちあり得ない話ではありません。赤沼周辺 は褐鉄鉱鉱床で、かっては「赤沼鉱山」として採掘されていました。鉱泉に含まれる鉄分が、鉄バクテリアによ り、または空気中の酸素と反応し褐鉄鉱として沈殿したものです。
空気に触れやすい沼の縁ほど多く沈殿し、縁が段々高く成ってゆきます。したがって沼の面積も大きくなり ます。地質年代で二十年は瞬時の間ですが、観察眼の鋭いクロウサギさんの目は僅かな違いを見逃さなかった のでしょう。写真は上から①赤沼全景②鉱泉湧出口③層状褐鉄鉱床④褐鉄鉱露頭です。