人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

日本人的な物

2005年12月31日 | 今日の雑感雑記

Fuzisan2  今日で2005年も終わり。サラリーマン生活が長かった私にとって、暦年の変わり目は実 生活上あまり意味が無く、会計年度である3月31日が実質的年代わりであった。でもここ は日本人、明日の夢は、一富士二鷹三茄子としておこう。

 先ほど藤原正彦の「国家の品格」を読み終えた。今売れている本だそうだが、理由が良 く解った。①講演記録をもとに書いたもので、話し言葉で読みやすい(二時間で読んでしま った)②専門家にありがちな難しい用語を使用していない(著者は数学者)③欧米批判を 適度に組み込み、読者の気持ちをスカッとさせている④何よりも、日本人の気持ちの奥底 に眠っていた「日本人的な物」に訴えている。著者が、日本人として失った物、故に失った 国家の品格、としているそのものである。これは、随筆などで用いられる「ある、ある、ヘ ー」の法則をうまく利用している。さすが蛙の子は蛙である。

 藤原正彦氏は、新田次郎の息子だそうであるが、顔写真を見て驚いた。息子と言うより は、本人のクローンである。まさにウリ二つ。

 第二章の「理論」だけでは世界は破綻する、では数学理論により実に理論的に説明して いる。つい数学者の本音が出てしまったようで、ちょっと笑える。

 この本の内容は、今世界的に湧き起こっている反グローバリズム≒反米運動を、日本 人の視点から解説したものと受け止めた。したがってこれと同じ論調は、各文明・各民族 毎に複数存在する。著者が最後に「この世界を本格的に救えるのは、日本人しかいない と私は思うのです」と締めくくっているが、数学者にあるまじき理論の矛盾に陥っているよ うな気がするのは、私だけでしょうか?

 


こんな家に住んだら

2005年12月28日 | 今日の雑感雑記

Abaraya

 春から秋にかけて、日本昔話に出てくるような家に住んで、畑でも耕してノンビリと余生 を過ごせたらいいな~っ。なんて考えていたら、つい現実感が出てしまい、電気と電話を 引かなければパソコンが使えないな。生活用水はどうしよう、井戸を掘るか沢水か。下水 処理はやはり合併浄化槽を設置しなければ、金がかかるなぁ~。囲炉裏の薪だって、そ の辺の木を勝手に切るわけにはいかないし。あれ!車が入る道が無い!どうしよう。

 今の日本、ど田舎暮らしは都会生活よりよほど難しい。何処かの自治体で、ど田舎暮ら し特区を作ってくれないかな。結構ニーズが有ると思うよ。特区の設置条件は

①土地は借地が可能であること(その内死んでしまう中高年が多いから)

②砂利道一車線道路で良いから車が入ること(年寄りは足腰が弱い)

③沢水の水利権を確保すること(最も安上がり)

④下水処理は合併浄化槽を義務づける(やはり衛生管理は必要)

⑤半径300m以内に他の家を建ててはならない(群れてはただのスラム街)

⑥上記以外は全て自己責任(後でもめないように誓約書を書かせる)


危険な物ほど美しい

2005年12月26日 | 今日の雑感雑記

Fuzisan                  昨日に続いて富士山。日本各地の風光明媚な景色は、大抵新旧は別にして火山と関係 が有る。この風景などは、まさに典型であるがそれだけに孕む危険も大きい。救いと言え ば、玄武岩溶岩を噴出する火山であること。これが石英安山岩質の溶岩であれば、破局 的大噴火が起こった時、火砕流が丹沢山地を越えて東京まで達するかも知れない。

 火山に限らず、危険な物ほど美しい。たとえば日本刀、妖しい光を発するあの刃物ほど 危険な物は無い。軍用戦闘機は機能美の極致。ライカのカメラも機能美では負けていま せん。あれは危険ではないと、そんなことは有りません、人によってはライカ病と言う病気 を引き起こす危険な物です。赤瀬川源平は、すっかりこの病に取り憑かれているではない ですか。(らしい)なにより危険なのは人間の女性、それもとびっきりの美女。


宝永火山

2005年12月25日 | 今日の雑感雑記

Houeikazan

 宝永の噴火は、1707年12月16日午前10:00から始まり、17日間続いた。噴火の最盛期 は23日~24日であり、298年前の今日この時江戸の町は火山灰に覆われ真っ暗闇になっ ていた。とんでもない新年を迎えたわけです。

 一時期富士山の下の方が騒がしい、と言う報道が有ったがその後どうなったんでしょ う?今同程度の噴火が有れば、東京の都市機能は完全にマヒ状態に成るでしょう。株価 は下がり円安に成り、インフレが進み世界経済にも少なからず影響が出るかも。何よりも 東京都民の日常生活は維持出来るのでしょうか。1000万人の国内難民が発生する可能 性も否定出来ません。ああ!恐ろしい。

 東海地震と富士山噴火は連動していると、言う説が有ります。また東海地震・東南海地 震・南海地震も連動して発生する可能性も否定されていません。こうなったら小松左京の 「日本沈没」ですな。草彅剛主演でまた映画化されるそうですね。「日本沈没」は、1973年 初版で400万部のベストセラーですが、このころちょうどプレートテクトニクス理論が確立 し、これにヒントを得て書いた小説だそうです。小松先生印税がガッポリ入いったので、関 係者一同引き連れて、アイスランドの地溝帯を見学に行ったそうです。

 同じ頃、ゼミでプレートテクトニクスを発表したら、ロシア学派の老教授から「君!それが 全てではない!」と叱られたことが有ります。時代の流れを感じますなぁ~。


琉球石灰岩の下

2005年12月22日 | 今日の雑感雑記

ryuukyuusekkaigan

 学生時代から撮り溜めた写真、35mmと645が一万枚以上有り、デジタル化・分類整理す る作業を進めています。安いフイルムスキャナーを買ってしまったので、時間がかかってい つ終わるか予想もつきません。まあ、どうせ暇だからいいんですが。片っ端からスキャナー へ放り込んで、機械的に処理しているのですが、何時何処で撮った写真か全く思い出せな い物も有ります。またディスプレーに映し出された映像を見て、昔を懐かしんで居ることも有 り、さらに作業が進みません。

 その中で私なりに面白い(興味のない人はゴメンナサイ)と思ったものを、幾つか紹介しま す。この写真は、与那国島の高台(テンダバナ?)で撮った物ですが、上のオーバーハング 部分が更新世の琉球石灰岩です。下のえぐれた部分が新第三紀中新世八重山層群の砂  岩です。すなわちこれは、珊瑚礁を下から見ている事になります。珊瑚礁と基盤岩の境目 (地質用語で不整合面と言います)は、実によく密着しています。長年地質屋をやって来ま したが、生物起源の不整合面を見たのはこの時が初めてです。

 与那国島の遺跡からは緑色片岩の石器が出土するそうです。最も近い緑色片岩の分布 地は西表島です。当時から丸木船で交流が有ったのですね。祖納の民俗資料館、とは言 っても81才(当時)になるおばーさんが一人で収集した民具を展示してあるだけだが、話を 聞いたら戦前までは台湾との交易でそれなりに活気が有ったが、戦後は全く職が無くなっ た、とのこと。さらに子供の頃は、絶海の孤島で悲惨な生活を強いられ、こんな所で自分を 生んだ親を恨んだ、などと話をしてくれました。


無駄な公共事業

2005年12月21日 | 今日の雑感雑記
yonaguni

 何年か前に与那国島へ行ったとき撮った写真です。「農林水産省補助事業・ウルグアイ ラウンド農業合意関連対策」と書いてある。米の輸入自由化とイベント広場が何の関係が 有るんだよ!!!!ましてや与那国島の主要産業は、牧畜と観光じゃなかったの。

 国の借金は役人に返させろ!


心が寒い時代

2005年12月18日 | 今日の雑感雑記

umenohana

 全国的に寒波襲来、昨春に撮った紅梅の花です。気分だけでも暖かくなって下さい。 昨今は、気候だけでなく心まで寒くなる様なニュースが多いですね。昨日でしたか、ブッシュ 大統領が「イラクに大量破壊兵器は無かった、情報は間違いだった」などと今更の様に言 っているが、アメリカ人ジャーナリストのポール・ロバーツは著書「石油の終焉」の中で、 「イラク戦争は、石油資源の確保」とはっきり言っている。常識で考えれば、そんなことは当 初から当たり前のことであり、正論であっても利益にならない事は言わない、これが国際政 治の「常識」であるらしい。日本もお裾分けに預かろうとして、自衛隊を派遣しているが、ア メリカ国内の逼迫したエネルギー事情を考慮すれば、そう簡単に問屋が卸してくれるか な?前著は、まだまだプロのジャーナリスト健在なりと実感させてくれる一冊であった。おす すめ本に追加しておきましたので、ぜひご一読を。

 「耐震強度偽装問題」が連日ニュースに成らない日はないが、これこそ利益にならない正 論は言わない、の典型です。私は建築の専門家ではないが、同じ技術屋としての目から見 れば、関係者一同解らないはずが無い。科学技術とは、ある日突然ブレイクスルーする物 ではなく、地道な積み上げの上に成り立っているものです。特定の業者なり物件が、常識 的値より鉄筋量が少なかったり、工事費が10%も少なければ、当然おかしいと気づくはずで す。みんな解ってはいたが、利益に成らないから声を上げなかったのでしょう。関係者の一 社長が「今更正義を振りかざして何になる!」と言ったそうですが、以外と正直!

 


今年の冬は?

2005年12月17日 | 今日の雑感雑記
yuki

 三日間ほど外回りの仕事をし、しっかりと風邪をひいてしまいました。よりによって今年一 番の寒波襲来の時に仕事に出るとは!今日も又外は雪。北陸山陰地方は、例年に無い 大雪とか。地球温暖化が進めば、気候が極端な方へぶれるらしい。これまで雪の多い地 方は大雪に、寒かった所はより寒く、暑いところはより暑くなる。

 でも、数十年前の子供の頃と比較競れば、確かに冬暖かく雪も少なくなっている。長い目 で見れば、やはり温暖化が進んでいるらしい事が実感できる。それともう一つ、子供の頃に 大陸高気圧に覆われた冬晴れの日、雪に寝転がって空を見上げれば、そのまま宇宙空間 へと繋がっていると思はれるほどの暗紫色の空だった。ちょうど成層圏飛行している飛行 機の窓から見上げた空の様に。今ではもう見ることが出来ない。それだけ大気汚染が進ん でいるのだろう。

 


何か変!

2005年12月12日 | 今日の雑感雑記

maborosi

 ここ十年ほど世界中が何か変。日本では、バブル経済がはじけてから特に変。変なの は、人間社会だけでなく気候も変。動植物の世界も変かも知れない。人々の頭の中も変。 私の頭も変、変になって会社を退職し今ではプータローと言われています。

 頭が変に成りそうになった事、前にも一度有りました。昭和から平成に変わった頃、世は まさにバブル経済の真っ最中でした。それもバブルの権現と言われた不動産関連事業に 従事していました。関西方面のある民間宅地開発事業でしたが、300haの山谷を切り崩し、 総事業費2500億円、2万人の町を一つ作ってしまおうと言う計画でした。その当時は、坪 100万円だいや200万円でも売れる、それ行けドンドンの時代でした。

 その時職場で交わされていた会話に「見積書は未だか!何金額が合わない?幾らだ何 5000万円、そんなのどうでも良い、すぐもってこい」とか「地元と話が付いた、一億一枚と 5000万二枚小切手すぐに持ってきてくれ」などと言う話がポンポン飛び交っていました。

 此処で言う地元とは、隣接地権者のことで、一億円は掴み金です。300haの隣接地権者 は一カ所や二カ所ではないはずですから、はたして幾らバラマイタ事やら。隣接地権者の 方も、ゴネれば幾らでも金が湧いてくるから、その浅ましいことと言ったら。

 事業の流れは、銀行⇒影の施主⇒ブローカー⇒表の施主⇒元請けゼネコン⇒下請け 下請け段階で適正な事業費積算(とは言っても今と比べればアコギな)をし、後は上乗せ上 乗せで総事業費を決めていたみたいです。後日聞いた話では、融資した銀行はつぶれ、 経営者は背任で逮捕されたそうです。影の施主とは、事業が軌道に乗った時点で名乗りを 上げる大手不動産会社、ブローカーはほとんどヤクザ。

 こんな環境に長く居れば、頭が変に成りそうだったので転勤願いを出して北海道へ来まし た。でも周りの人達は、大して変とは思っていなかった様でした。その後事業がどうなった かは聞いていないが、恐らく大部分はペンペン草が生えているんじゃないですか。

 今の時代は全く逆です。銀行融資の時点で絞りに絞った事業費を積算し、後はピンハネ ピンハネで下請け孫請けへ降りてきます。会社は赤字赤字の連続で、去るも地獄残るも地 獄頭が変に成りそう、ならばいっそうのこと退職して仙人暮らしと決心しました。

 幻日は写真には写っていませんが真上と左側にもあります。バブル期の日本人は、幻の 方の太陽を見ていた様ですが、今でも真ん中の本物を見ているとは思えません。