![]() | 八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)高田 郁角川春樹事務所このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆出版社/著者からの内容紹介◆
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。
店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。
大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。
しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。
料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!
【読んだ理由】
「通勤電車では絶対に読んではいけない、なぜなら涙が止まらない」との触れ込み本。
【印象に残った一行】
雲外蒼天。
そうだ、長く忘れていたが、易者の水原東西は、澪に艱難辛苦が降り注ぐ、と予言した後、確かにこう言葉を続けたのだ。
--けんど、その苦労に耐えかねて精進を重ねれば、必ずや真っ青な空を望むことが出来る。
他の誰もが拝めんほど澄んだ綺麗な空を。ええか、よう覚えてときや。
長い間、垂れこめていた雲ばかりに気を取られて来た。その上に広がる青い空を忘れてしまっていたのだ。
見てやろう。どうあっても、青い空を。
【コメント】
八朔は、八月朔日の略で、旧暦の8月1日のこと。
涙は出なかったが、主人公澪さんの作る美味しそうな数々の料理によだれが出た。
巻末に「とろとろ茶碗蒸し」などレシピがついている。

