県庁おもてなし課 | |
クリエーター情報なし | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
【一口紹介】
◆内容紹介◆
とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。
若手職員・掛水は、地方振興企画の手始めに、人気作家に観光特使を依頼するが、しかし……!?
お役所仕事と民間感覚の狭間で揺れる掛水の奮闘が始まった!?
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
地方には、光がある―物語が元気にする、町、人、恋。
とある県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。
観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、振興企画の一環として、地元出身の人気作家に観光特使就任を打診するが…。
「バカか、あんたらは」。
いきなり浴びせかけられる言葉に掛水は思い悩む―いったい何がダメなんだ!?
掛水とおもてなし課の、地方活性化にかける苦しくも輝かしい日々が始まった。
【読んだ理由】
ベストセラ―。
【印象に残った一行】
非効率であることを義務づけられていると言っても過言ではない。全ての業務にマニュアルがあり、即応性もを求められる事柄も手続き論で停滞する。それは手続きで縛らねば信用できないという前提を背負わされているからだ。
つまり、役所のシステムにはそこで働く者の堕落が織り込まれている。お前たちは堕落する者だと最初から決め打ちされたシステムの中で、能力を発揮できる人間がどれだけいるだろうか。ましてやマニュアルにないあたらしいことを始めるなど。
行政の硬直性を批判しながら、一方で逸脱を責める意見がある。前例がない施策はすべて逸脱になり得るのだから、自己規制に走るのは当然の話だ。
結果として誰の幸せにもならない空疎な正論だけがまかり通り、地方は動脈硬化を起こす。
【コメント】
行政の小説なのに何故か読後感が爽やかだ。
私は読み終わるまで、てっきり作者有川浩さんはアリカワヒロシという男性かと思っていたがアリカワヒロという39歳の女性だった。
『県庁おもてなし課』印税をすべて東北地方太平洋沖地震の被災地に寄付することを決めているとのこと。