日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第二十九段

2020年01月07日 | 徒然草を読む


【原文】  
静かに思へば、万に、過ぎにしかたの恋しさのみぞせんかたなき。
人静まりて後、長き夜のすさびに、何となき具足とりしたゝめ、残し置かじと思ふ反古など破り棄つる中に、亡なき人の手習ひ、絵かきすさびたる、見出いでたるこそ、たゞ、その折の心地すれ。このごろある人の文だに、久しくなりて、いかなる折、いつの年なりけんと思ふは、あはれなるぞかし。手馴れし具足なども、心もなくて、変らず、久しき、いとかなし。
 
【現代語訳】
静かに瞑想して想い出す。どんな事もノスタルジーだけはどうにもならない。
人々が寝静まった後、夜が長くて暇だから、どうでもよい物の整理整頓をした。恥ずかしい文章を書いた紙などを破り捨てていると、死んだあの子が、歌や絵を書いて残した紙を発見して、当時の記憶が蘇った。
死んだ人はもちろん、長い間会っていない人の手紙などで「この手紙はいつ頃の物で、どんな用事だっただろう?」と考え込んでしまうぐらい古い物を見つけると、熱いものがこみ上げてくる。
手紙や絵でなくても、死んだ人が気に入っていた日用品が、何となく今日までここにあるのを見れば、とても切ない。

◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。

Daily Vocabulary(2020/01/07)

2020年01月07日 | Daily Vocabulary
24601.kind of(程度がちょっと)spoken slightly but not exactly, or in some ways 類義語 sort of 
It's  kind of late, isn't it?
24602.jealous (焼きもちを焼く)feeling unhappy because someone has something that you wish you had → envious jealous of 
You don't have to be jealous.
24603.prejudice(偏見an unreasonable dislike and distrust of people who are different from you in some way, especially because of their race, sex, religion etc – used to show disapproval 
Imagine a world free from prejudice.
24604.even worse (さらに悪い)  
Business is bad, and the outlook for next year is even worse.
24605.won't let A do (A に…させるつもりはない )  
I won't let that happen! 

今日の英語ニュースを聞こう!NHK WORLD Daily News