阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

日本尊厳死協会の会員になった話  会員No.87531

2018年06月10日 | 身辺あれこれ


会員No.87531          2004.07.15 作成

配達された封筒を開けたら、紙製の会員証をプラスチック製の会員証に改めたというレターと共に、新しいプラスチック製の会員証が同封されていた。

会員証を手にとって初めてよく読んでみた。

「No.00087531   正会員
日本尊厳死協会会員証
会員氏名  阿智胡地亭辛好  入会日 1996.04.24
日本尊厳死協会 印」         と書いてあった。


1)嫌な言葉だが(スパゲッテイみたいな管を一杯身体につけられてベッドに・・)という言い方がある。

本人は既に意識をなくして何ヶ月にもなるのだが、医師の延命措置を家族は止められない。

医師は医師法により生存の可能性がある限り、患者に対し延命措置をおこなうよう義務づけられている。

本人の意思が確認できない限り、身内がいくら頼んでも医師は措置をやめるわけにはいかない。

そのため、意識が回復しなくて植物状態のまま何ヶ月も何年も、人工呼吸器や点滴でベッドにスパゲッテイのような管が身体に巻かれたままのことが自分にも起こりうる。

2)知っている家族は父親が倒れ、3年後に意識を取りもどさないまま亡くなったが、奥さんも看病疲れで病気になり、医療費で退職金も全て使い果たしマンションも売って出られた。

ご夫婦の老後の計画は全て雲散霧消し、残されたご家族は生活が変ってしまった。

そんなことを見たり聞いたりしていた頃、相方が新聞で「日本尊厳死協会」の記事を見て資料を取り寄せた。そして時期を忘れていたけど、結局震災の翌年に夫婦会員になっていたのだった。(会員証は当然二人個別に発行)

3)会員になると宣言書(リビング・ウイル)を作成し本人と近親者がコピー各一部を保管し、原紙は協会が保管する。

日本医師会も1992年に、日本学術協会が1994年に尊厳死(自然死)を容認している。

リビング・ウイルの趣旨

①私の傷病が、今の医学では治せない状態になり、死期が迫ってきたとき、いたずらに死期をひき延ばす措置は、いっさいおことわりします。

②ただし、私の苦痛を和らげるための医療は、最大限にお願いします。

③数ヶ月以上、私の意識が回復せず植物状態に陥って、回復の望みがないとき、いっさいの生命維持措置をやめてください。

以上、私の宣言に従って下さったとき、全ての責任はこの私自身にあります。

注 「いたずらに死期をひき延ばす措置」ということは人口呼吸器や点滴による人工栄養補給を含めるのが普通。

4)この宣言書を家族が見せたからと言って、全ての医師が望む対応をとるかどうかは個別に違うだろうが、大多数の医師は身内ではなく「本人が事前に宣言している」ことを文書で示されことで、或る意味で安心して、従来と違う対応になるようだ。

彼らも医療訴訟の対象になることを恐れているはずだから、本人の書いた文書で意思表示があることは意味があるようだ。

協会は尊厳死を法制化する活動をしているが、悪用される恐れの防止策がまだ見えないということもあるらしく簡単ではないようだ。

今我が家の二人は、どちらが先に往くにしろ、いざの時を考えるとき、お互いなんとなく安心して今日を生きていけるような気がしている。(のはずだ。)

同封されていた機関紙によると6月8日現在の会員数は“105,585人”です、とあった。

関心がある方はインターネットで「日本尊厳死協会」にアクセスするか03-3818-6563へ電話して資料請求してください。





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