「戦後史の正体」を読む 本来は「高校生にもわかるように日米関係を解説する」趣旨で企画されたとのことで、非常にわかりやすく書かれています。 状況を具体的に説明しながら話を進めて行く説得力は、「池上彰の時事解説」にも似たところがあります。 アメリカの国益を最優先として支配されてきており、その状態は今も変っていないということです。これを政治家の系譜として見れば、 「アメリカ追従路線」と「自主独立路線」との消長の歴史でした。大ざっぱに言えば、比較的に安定長期にわたる「アメリカ追従」と、 短期不安定で終る「自主独立」との交代の繰り返しでした。 さらに経済的にも、東南アジア諸国の平均程度の生活水準にするのが当初の計画でした。しかし大戦後の米ソ対立と朝鮮戦争により、 日本の工業力を利用する方向へと、方針は急遽変更されました。共産主義への防波堤として、日本の利用価値が高まったのです。 ということは、アメリカは継続して日本の政治経済への支配力を維持する必要があったのです。そのためのノウハウは、 占領時代の圧倒的な権力を通して、日本国内のさまざまなシステムの中に、深く埋め込まれていました。 必要な影響力を与えられる多くのチャンネルを、今も保持しているのです。 アメリカの国益を損なう恐れのある日本の政権は、今でも短命に終る運命にあるようです。しかしアメリカは政権を倒すことはできても、 次の政権を指定することはできない、そこに「自主独立」への可能性があると孫崎氏は言います。 戦後67年たっても、アメリカにとっての日本は、独立した「外国」ではありません。 だからこそオスプレイの配備も自由にできて当然と考えるのです。 日本の戦後史は、アメリカとの関係がすべてであったと言ってよいでしょう。どうしたらここから「独立」できるか。 高校生とともに考える絶好のテキストになります。 |
引用元
☆ 著者の孫崎享は、(1943年 - )は、日本の元外交官、元防衛大学校教授、作家。東京大学法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。
2012.08.16 テクノクラートによる「対米従属」史
書評 孫崎 享著『戦後史の正体 1945-2012』(創元社)
半澤健市 (元金融機関勤務)
本書は読者にショックを与える本である。どんなショックか。対米従属外交の実態をキャリア外交官が暴露するショックである。著者は「はじめに」にこう書いている。
「この本は、かなり変わった本かもしれません。というのも本書は、これまではほとんど語られることのなかった〈米国からの圧力〉を軸に、
著者 孫崎享(まごさき・うける、1943年~)は東大法学部中退で外務省入省、国際情報局長、註イラン大使を経て09年まで防衛大学校教授。
《米国の対日政策・日本の対米姿勢》
孫崎は自作を「変わった本」というが、その方法論は決して「変わった」ものでない。
まず米国の対日政策についてこういう。
①米国の対日政策は米国の利益のために行われる。
②その政策は時期により大きく変化する。占領政策は冷戦開始で反転した。
③米国は自国のために様々な要求をする。
いずれも国益を重視する普通の外交方針で「変わった」ところは一つもない。
一方で日本の対米政策は何であったか。総じて言えば「対米従属」(孫崎語では「対米追随」)であった。
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立ちはだかる東電下請け400社の原発利権 政府・東電との交渉は遅々として進まず、時だけが過ぎた。 私たちは、次のステップを踏もうとしています。 |
脱原発運動を、しっかりした基盤の上に乗せて、政府を動かしていかなくてはならなくなったのです。
政府、政治家には、もうその力がないことが分かったからです。
山田恭暉氏が率いる福島原発行動隊は、私たちに、その糸口を与えてくれました。
山田氏が目指しているのは、原発利権を壊すまでいかなくとも、「どうにかする」ということと、その過程で必然的に生じる国の産業構造の転換です。
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数集めの政治 そのためには、数集めがなによりも優先ということなんだろう。 妥協を重ねていたら、政策の方向がぼやけてしまうばかりとなる。 それで、まともな政治が出来ようか? それだけ人気が高いわけだが、元はといえば橋下さんが大阪府や大阪市をこう変えるのだという明瞭な改革メッセージを発信し続けたからだ。 その強い政策遂行意欲に大阪の人々が応えていったはず。 決して彼が政治家仲間集めにエネルギーを費やしていたわけではない。 これまでの橋下さんの成功が示してくれた政治家としてのあるべき姿と、それに選挙民が応える図式は民主主義本来の姿ではなかろうか。 橋下さんが範を垂れてくれた成功モデルこそ、多くの政治家が心してもらいたいところだ。 一刻も早く次々と経済改革のメスを入れていかないと、本当に大変なことになる。
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