大相撲春場所8日目
↑龍郷町秋名(たつごうちょう、あきな)コミュニティーセンターの土俵(大きな写真で見る)
今場所、最初に旭南海から勝ち星をあげたのは、里山だった。
先場所のこの同郷対決は4日目、旭南海が制している。
里山は奄美大島笠利町、旭南海は徳之島天城町出身。
共に、低い攻め、うまい相撲、内容も似通っている。
ここまで旭南海とともに全勝の把瑠都(バルト)は、すでに今日勝ち越しを決めている。
「注目の旭南海」土俵上です。
しきり続く
「さあ、非常に楽しみな一番」制限時間いっぱいです。
「立合いです」
まったなし!行司: 木村寿行 呼出: 幸司
「・・・明日からは市町村合併で奄美市になります。」笠利町のこと。取り組後も、やや詳しく言及した。
手をついて(しずかに)
はっきっよーい(一回)
実況
「いい当たりの里山」
残った!残った!(計2回)
「左が入ったっ!」
「得意の形(だ)」里山
急ぐ感じで
「前に出た!」出にアクセント
言い終えるとすぐに
「寄りきりーぃ!」(場内決まり手、寄り倒し)「里山の勝ち」
続けて
「いいー、攻めです」里山
大きな歓声と拍手 大阪府立体育会館
「旭南海は一敗。きょうの勝ち越しはなりません。」
アクセントは、ょう
両者一礼
それを待って、おもむろに行司「さとぉーや、まぁー」とぉにアクセント
「いやぁー、たつたがわさん、里山の攻めがよかったですねぇ」
分解写真
低い立ち合いの里山(西方、画面右)
一瞬、フェイントのように一段と頭を下げ、難なく潜り込む。里山の背中は、ほぼ水平。落ち着いて旭南海が、里山の肩越しに右上手を取れる程低い姿勢で、深く。
里山が右で前褌(まえみつ)をさぐる動きと、それを防ぐ旭南海の左手の攻防を、下からのカメラはアップでとらえている。
里山の「左が入ったっ!」瞬間は、その前だった。(立ち合いの直後、旭南海の右上手より早い)それを嫌った旭南海がわずかに体をよじる。
攻防の末、さっと「右」で前褌を取った里山、左を刺して前に出る。旭南海はしまった、と後退しながら、何と、右上手も自ら放してしまい、両腕で里山の右を防ぎにかかるが、時遅し。棒立ちになり、土俵際、俵に足をかけ、土俵下に目をやりながら黒房(画面手前みぎ角)下に押し倒された。
前褌を取ったあと、間髪いれず「前に出た!」里山は、ただ前に出ているのではなかった。
右で取ったまわしを、ぐいぐい引きつける。前に出る里山の頭で次第に旭南海の上体があがる。
頭を相手の胸に押し付けての攻めが「はやいですよね、もう、旭南海、何もできなかったですよね」解説。
里山の最後の一押しは、両手でダメを押すように気合を入れ力強く、相手を突き放した。
土俵下に、正座するように座り込んでしまった旭南海はポーカーフェースながら、くやしさがにじむ。旭南海の稽古熱心は先日の支度部屋情報でも紹介された。
ふいっと首を振り、乱れたマゲを直し、会心の表情で土俵をおりる里山がアップ。
この相撲は、総合テレビでも放送された。