映像:蔦温泉の久安の湯。昔湯治混浴湯であったが今は時間制で男女交代制
大町桂月は酒と温泉をこよなく愛しついにこの宿の住人となってしまった。
浴槽直下から沸々湧く温泉は天下の名湯である。吉田拓郎の名曲「旅の宿」
の詩は、作詞家:岡本おさみがこの宿の格別情景月夜を詩に現わしたもの。
【Data】含芒硝ー重曹泉 46.9度 pH7.3 源泉:旧源泉(足元湧出)
参考:本物の名湯ベスト100-59 蔦温泉(講談社現代新書:石川理夫)
学術:日本温泉地域文化資産NO.11伝統的旅館建築と泉源浴舎(日本温泉地域学会編)
記録:桂月の名は高知県出身の彼が名勝桂浜の月をそのまま名前とした。
八甲田山は南に奥入瀬・十和田湖を擁している。どちらが玄関か奥座敷かは読者が
判すべきであるが、むつ湾から八甲田を抜けるルートだと奥座敷ともいえる。大町
桂月は高知出身の文士であったがこの地、特に「蔦温泉」を愛しこの地で終焉した。
碑文:大町桂月の辞世の歌ともいえる。蔦温泉を愛した桂月らしい短歌である。
極楽へ こゆる峠の ひとやすみ 蔦のいで湯に 身をばきよめて
十和田湖を世間に紹介したことから「湖水の父」とも慕われた。温泉の前に墓がある。