お湯の国 日本

美しい日本の温泉地中心の旅記録(おんせん鑑定士:監修) 【記事・映像は著作権、人権保護法等により無断使用を禁じます】

与謝野晶子 (浪漫の歌人) 探訪紀行

2019年03月01日 | 📀芸術・文学・絵画DB.

 映像:文化学院女学部長時代の撮影と思われるハイカラな与謝野晶子photo(文化学院所蔵)
    元文部大臣与謝野馨氏は与謝野晶子の孫で、文化学院(29年閉校)の院長であった。
 ≪ 平成調査結果:研究&調査&執筆 与謝野晶子(官能と情熱の歌人)2006.4~2018.12 ≫ 

 「 やは肌のあつき血汐・・・」 などの情熱短歌作家、12人の子沢山、源氏物語の現代語訳者。
 この作家も筆者の心をときめかせた一人に違いない。そして後に温泉地の先々で彼女の
 歌碑と出逢うことになる。温泉地探訪の女性先駆者。その理由は温泉地で開催する歌会。
 豊かでなかった晶子は夫鉄幹と歌会を主宰することで趣味(温泉旅行)と実益を兼ねていた。
                  (下記アンダーラインをクリックすると本ブログの訪問記録参照可) 
 ①「山畑に しら雲ほどの かげろふの 立ちて洞爺の 梅さくら吹く」・・北海道洞爺湖温泉
 ②「啄木の 草稿岡田 先生の 顔も忘れじ はこだてのこと」・・・・・北海道湯の川温泉
 ③「深山なる   かじかに通う   声もして  岩にひろがる  釜ふちの滝」・・岩手県花巻温泉
 ④「さみだれの 出羽の谷間の朝市に 傘して売るは おほむね女・・・山形県温海温泉
 ⑤「温泉は いみじき瀧の いきほいを 天に示して  逆しまに飛ぶ」・・新潟県瀬波温泉
 ⑥「草まくら 手枕に似じ 借らざらん 山のいでゆの 丸太のまくら」・・栃木県法師温泉
 ⑦「榛名山(はるなさん)の一角に 段また段を成して羅馬時代の野外」・・群馬県伊香保温泉
 ⑧「山代の 泉に遊ぶ たのしさを たとへて云えば  古九谷の青(鉄幹)
・・石川県山代温泉
 ⑨「松たてる 安宅の砂丘 その中に 清きは 文治三年の関」・・・・・石川県片山津温泉
 ⑩「川浪が 雨の裾をば 白くする 三朝の橋を 越えてこしかな」・・・鳥取県三朝温泉
 ⑪「かじか鳴き  夕月映り  いくたりが  岩湯にあるも みな高田川」・・・岡山県湯原温泉

 ⑫「かまくらや  みほとけなれど  釈迦牟尼は  美男におわす  夏木立かな」・・・・ 鎌倉大仏
 ⑬ 霧島の  つばさとすれど   地を捨てぬかな」・・・宮崎県霧島連峰韓国岳登山口白鳥温泉
 ⑭ 明礬の湯の きよらなり 帝王の翡翠の床と くらべて想う」・・・・・・鹿児島県硫黄谷温泉

 与謝野晶子の足跡は北海道から九州まで主要温泉地に見られる。先に述べた様に地方富裕
 層を対象に「歌会」を開催し、その場所が各地の著名温泉地であることが与謝野夫妻の温泉
 地での歌碑が多数存在する理由と推察。明治から昭和初期まで温泉地は富裕層の社交場所

 所感:短歌「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」(乱れ髪)にも
    ある通り当時(明治時代)としては驚く官能的な表現や、戦地の弟に寄せた詩文「
    死にたまふことなかれ」は専制国家時代では自由的表現であり、その表現は奔放だ。
    五万首とも云われる中、探査した歌碑は少ないが温泉観光地の短歌をしみじみ鑑賞。

 余談:与謝野鉄幹は教え子二人と関係するなど明治にあって好色的。晶子は鉄幹に妻子が
    ありながら、一時不倫の誹りを受けつつ謂わば略奪婚同様の行動で時代を生き抜く。
    その強烈なパワーが全国の温泉地に歌碑が残る原動力となったのだろう。女は強し

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新版 日本温泉地域資産:日本温泉地域学会

2019年03月01日 | 💽日本温泉地域学会..

影像:温泉学術誌『 新版 日本温泉地域資産』の表紙(3.25発行96頁頒価1,000円)

筆者が理事を務める日本温泉地域学会では2008年5月18日に日本の優れて貴重な
温泉文化(文化・自然)資産を125選定して「日本温泉地域資産(全78頁1000円)」
を発行したが、今回全面見直して追記「 新版 日本温泉地域資産 」を発行した。

解説:2008年発行は「第一選考」として二次選考を想定しての刊行。筆者は一次
   選考、そして今回の二次選考「新版日本温泉地域資産」にもスタッフ(製
   作協力)として関わり、新版では写真提供や掲載候補温泉地の抽出に参画。
   新版は初版125選定に2次選考25件を加え150の日本温泉地域資産とした。

※本誌20頁「乳頭温泉郷の多彩な自然湧出泉と湯治場景観」の記載例
     

🔵製作スタッフ五十音順に記載
 執筆写真・・・飯出敏夫 (温泉紀行ライター) 、石川理夫(温泉評論家)、長島秀行
         (東京理科大学名誉教授) 、 西村理恵温泉ライター)、田靖志
       (下呂発温泉博物館名誉館長)、山村順次(千葉大学名誉教授)、
        佐悠紀(京都大学名誉教授)
 写真提供・・・滝野沢優子(フリーライター)、谷口清和(温泉地活性化研究会代表)
 英文翻訳・・・田淵実穂(ライター)、ハーヴィ‣シャピロ(大阪芸術大学名誉教授)

🔵本冊子は学会学術誌なので一般の書店では販売していない。購入希望の方は
  下記宛、料金リストを参考に送料を含む料金を添えてお申し込みされたい。
      〒859-3298 長崎県佐世保市ハウステンボス町2825-7
      長崎国際大学人間社会学部 池永研究室内日本温泉地域学会事務局  
      FAX: 0956-39-4908 E-mail: mikenaga@niu.ac.jp
      ※お問い合わせはメールかFAXにてお願いします
🔵送金は冊数明記の上、郵便振替にてお願い致します。
      郵便振替口座番号 00190-6-462149 加入者名:日本温泉地域学会 
🔵料金 「新版 日本温泉地域資産」1冊、1,000円。
       (送料:1冊300円、2-4冊360円、5冊以上はお問い合わせ)
🔵20冊購入:特別割引、16,000円(送料等はお問い合わせください)

参照#①日本温泉地域学会 ②初版日本温泉地域資産」(日本温泉地域学会)

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