【強制力を増したこれまでになく厳しい内容】
核実験を強行する北朝鮮に対して、国連安保理は中国を含む全会一致で、これまで以上に厳しい制裁を決定しています。
****北朝鮮制裁決議を採択=金融規制・貨物検査義務付け―全会一致で圧力強化・安保理****
国連安全保障理事会は7日午前(日本時間8日未明)、2月に3回目の核実験を行った北朝鮮に対し、制裁を大幅に強化する決議案を全会一致で採択した。北朝鮮との金融取引の規制や貨物に対する検査を国連加盟国に義務付けるなど、強制力を増したこれまでになく厳しい内容で、挑発行為を繰り返す北朝鮮に対し国際社会の断固とした姿勢を示した。
ライス米国連大使は採択後、記者団に対し北朝鮮が挑発行為を続ければ「制裁はますます厳しくなり、孤立は深まるだろう」と警告。中国の李保東国連大使は、「この決議は(北朝鮮の)核計画に反対する国際社会の新たな決意の表れだ」と強調し、制裁の「全面的履行」を加盟国に求めた。
常任理事国の米国と中国を中心にまとめた決議は、核実験を「最も強い表現」で非難。国連憲章第7章の下で、決議に法的拘束力を持たせた。
資産凍結や海外渡航禁止の対象となる団体・個人、禁輸品目の追加指定など既存の制裁を拡大する一方、新たな措置として、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画などに貢献し得る金融サービスの提供や、資産の移動を阻止するよう加盟国に義務付けた。
また、北朝鮮に関係した貨物に禁輸品の疑いがある場合、加盟国は自国領内で貨物の検査を行うよう義務付けられた。こうした措置はこれまで加盟国への「要請」にとどまっていた。
このほか、外交官特権を悪用した不法活動を念頭に、北朝鮮の外交官に対する警戒を強めるよう加盟国に要請。安保理決議違反や制裁破りを手助けしたと判断される北朝鮮国籍の人物については原則、強制送還するよう加盟国に義務付けた。【3月8日 時事】
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【韓国との不可侵合意を破棄】
当然のように、北朝鮮は“韓国との不可侵合意を破棄する”といった強い反発を示しています。
****北朝鮮、南北不可侵合意を破棄 制裁決議に反発****
北朝鮮は8日、国連安全保障理事会で対北制裁決議が採択されたことに反発し、韓国との不可侵合意を破棄するとともに南北直通電話も遮断すると発表した。
北朝鮮の祖国平和統一委員会(CPRK)は、国営朝鮮中央通信(KCNA)を通じて発表した声明で、「南北間の不可侵に関する全ての合意を無効化する」と宣言。さらに「韓国側に、南北直通電話もただちに遮断すると通告した」と述べた。【3月8日 AFP】
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なお、これに先立ち、北朝鮮は米韓合同軍事演習に抗議して“朝鮮戦争の休戦協定の効力を全面白紙化する”ことを発表しています。
****休戦協定を全面白紙化=板門店代表部の活動も中止―米韓演習に反発・北朝鮮軍****
北朝鮮軍最高司令部は5日、スポークスマン声明を出し、米韓合同軍事演習などを非難した上で、「重大措置を取る」として、米韓演習「キー・リゾルブ」が始まる11日から朝鮮戦争の休戦協定の効力を全面白紙化すると表明した。さらに、北朝鮮軍の板門店代表部の活動を中止し、米朝間の軍事電話も遮断するとした。朝鮮中央通信が伝えた。
休戦協定は事実上死文化しており、過去にも北朝鮮軍が「義務履行放棄」を表明したことはあるが、「全面白紙化」と宣言するのは初めてとみられる。(後略)【3月5日 時事】
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いつもながらの瀬戸際外交というか、恐喝外交です。
【北朝鮮の最大の支援国である中国の真剣度が試される】
常に指摘されるように、北朝鮮に制裁がどの程度実効を持つかは、北朝鮮の後ろ盾となって、経済的に北朝鮮を支えている中国の対応次第といいたところです。
****連安保理制裁決議 試される中国の真剣度****
国連安全保障理事会で7日に採択された北朝鮮の核実験に対する制裁決議の内容は、「国連の制裁では最も厳しい」(ライス米国連大使)との評価もある。だが、その実効性は加盟国の取り組み次第だ。とりわけ、北朝鮮の最大の支援国である中国の真剣度が試される。
これまでの決議で加盟国は、制裁を実施するための法整備など国内で取った措置について安保理に報告を提出することが求められている。だが、制裁違反を調査する安保理の専門家パネルが昨年5月にまとめた報告書によると、提出したのは93カ国(昨年3月現在)で、加盟国全体(193カ国)の半分以下。北朝鮮の核問題に無関心な国が多いのも現状だ。
新決議の目玉の一つは、加盟国への「要請」だった貨物検査の強化だ。禁輸物資を積んだ疑いのある北朝鮮出入りの貨物について、自国領域内での検査が義務化され、公海上での検査を拒否した船舶の入港を禁止することも義務となった。
専門家パネルの報告書では、昨年5月までの1年間で貨物検査を実施したとの加盟国からの報告は3件のみ。「義務化」に伴う報告の増加が期待されるが、加盟国が国内法に従って検査することに変わりはなく、検査内容や厳しさに差が生じる可能性はある。
一方、中国は北朝鮮と経済関係が深いだけでなく、大連港が禁輸品の積み替え港としてパネル報告書にたびたび登場。新型弾道ミサイルの移動式発射台車両を北朝鮮に輸出した疑いもある。中国の制裁実施への真剣度が問われるのは、こうした経緯があるためだ。
今回、強い内容の新決議に中国が同意した背景には「挑発行為を続ける北朝鮮への不快感があった」(国連外交筋)。だが李保東(りほとう)国連大使は7日の採択後、決議が制裁だけでなく、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議再開に言及している点を強調。「目下の優先事項は緊張を緩和し、交渉に戻ること」と述べ、中国の基本姿勢に変化がないことを示した。
新決議が実効性を上げるためには、米国や日本、韓国による中国など他国への働きかけも問われる。【3月8日 毎日】
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【“不快感”の中国:独自に事実上の制裁】
中国が北朝鮮支援を続けていることは事実ですが、一方で、中国の指導・助言を無視する形で続く昨今の北朝鮮の挑発行為に強い“不快感”も持っているのも事実のようです。
中国としての“独自の制裁”も報じられています。
****中国:北朝鮮核実験に事実上の制裁 輸出規定を厳格化****
北朝鮮による3度目の核実験(2月12日)を受け、中国が北朝鮮に対する輸出規定の運用を厳格化したうえ密輸の取り締まりを強化することで、核実験に対する事実上の制裁を加えていたことが分かった。
この結果、北朝鮮で食料価格が急上昇するなど、市民生活に影響が出ているという。核実験に対する国連安全保障理事会での制裁論議が大詰めを迎えるなか、最大の支援国・中国が単独で北朝鮮に圧力をかけた形で、北朝鮮はさらに態度を硬化させそうだ。
複数の中朝経済関係者によると、中朝貿易の拠点である中国遼寧(りょうねい)省丹東の税関で2月末ごろから、輸出規定が厳格に運用され、北朝鮮に向かうトラックの積載重量や品目などが詳細に点検されるようになった。以前には検査されることがなかった運転席や車両の下部も詳しく調査されるようになり、「北朝鮮への物資輸送を中国当局が妨害している」(貿易関係者)との指摘も出ている。この結果、北朝鮮への物流が大幅に滞っているという。
また、国境を流れる鴨緑江(おうりょくこう)下流域などで横行する密輸に対しても取り締まりが強化され、北朝鮮への食料や生活物資などの持ち込みが激減している。
密輸ルートで北朝鮮に運び込まれる食料は、コメや果物が多く、北朝鮮国内の価格は急騰。核実験以降、平壌の市場では1キロ当たり5500ウォン(実勢レートで約60円)だったコメが9000ウォン(約100円)▽ミカンが同1万5000ウォン(約160円)から2万5000ウォン(約270円)−−とはね上がり、市民生活を直撃しているという。
ただ、中国の圧力は限定的とみられ、中朝間の共同開発事業は続けられている。中朝共同で開発する黄金坪島(ファングムピョンド)(鴨緑江に位置する北朝鮮領の中州)をみれば、3月に入ってからも大型トラックが中国側から出入りを続け整地作業を進めるなど影響はみられない。
中国は北朝鮮に対する圧力を、税関手続きの厳格化などの形で加えながらも、北朝鮮経済を壊滅に追い込むような経済協力などの大きな枠組み面では変更しないとみられる。【3月7日 毎日】
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“中国の圧力は限定的”とは言いがらも、コメが6割ほども値上がりするというのは、市民生活への影響も大きいようにも思えます。思った以上に圧力をかけている・・・という感もあります。
ただ、北朝鮮の内情はまったくわかりませんので、判断もしにくいところです。
また、おそらく今回措置は、北朝鮮側に中国の不快感を伝える一時的なものなのではないでしょうか。
“血盟”関係の中国と北朝鮮の関係の現状は、外部からは窺い知れぬものがありますが、中国としては、北朝鮮が中国の意に従わないこと、それによって面子をつぶされること、また朝鮮半島の緊張が高まることなどについては苦々しく思っているところでしょう。最近は中国国内でも北朝鮮に対する強い対応を求める声も出ているとか聞きます。
ただ、一方で軍部や党指導層において北朝鮮との強固な人脈があることも指摘されています。
経済・資源などで北朝鮮の生命線を握る中国としては、少なくとも、緩衝地帯でもある北朝鮮の体制崩壊につながるような不安定化は望んでいませんので、制裁措置とはいってもおのずと限定的なものになることは予想されます。
核実験を強行する北朝鮮に対して、国連安保理は中国を含む全会一致で、これまで以上に厳しい制裁を決定しています。
****北朝鮮制裁決議を採択=金融規制・貨物検査義務付け―全会一致で圧力強化・安保理****
国連安全保障理事会は7日午前(日本時間8日未明)、2月に3回目の核実験を行った北朝鮮に対し、制裁を大幅に強化する決議案を全会一致で採択した。北朝鮮との金融取引の規制や貨物に対する検査を国連加盟国に義務付けるなど、強制力を増したこれまでになく厳しい内容で、挑発行為を繰り返す北朝鮮に対し国際社会の断固とした姿勢を示した。
ライス米国連大使は採択後、記者団に対し北朝鮮が挑発行為を続ければ「制裁はますます厳しくなり、孤立は深まるだろう」と警告。中国の李保東国連大使は、「この決議は(北朝鮮の)核計画に反対する国際社会の新たな決意の表れだ」と強調し、制裁の「全面的履行」を加盟国に求めた。
常任理事国の米国と中国を中心にまとめた決議は、核実験を「最も強い表現」で非難。国連憲章第7章の下で、決議に法的拘束力を持たせた。
資産凍結や海外渡航禁止の対象となる団体・個人、禁輸品目の追加指定など既存の制裁を拡大する一方、新たな措置として、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画などに貢献し得る金融サービスの提供や、資産の移動を阻止するよう加盟国に義務付けた。
また、北朝鮮に関係した貨物に禁輸品の疑いがある場合、加盟国は自国領内で貨物の検査を行うよう義務付けられた。こうした措置はこれまで加盟国への「要請」にとどまっていた。
このほか、外交官特権を悪用した不法活動を念頭に、北朝鮮の外交官に対する警戒を強めるよう加盟国に要請。安保理決議違反や制裁破りを手助けしたと判断される北朝鮮国籍の人物については原則、強制送還するよう加盟国に義務付けた。【3月8日 時事】
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【韓国との不可侵合意を破棄】
当然のように、北朝鮮は“韓国との不可侵合意を破棄する”といった強い反発を示しています。
****北朝鮮、南北不可侵合意を破棄 制裁決議に反発****
北朝鮮は8日、国連安全保障理事会で対北制裁決議が採択されたことに反発し、韓国との不可侵合意を破棄するとともに南北直通電話も遮断すると発表した。
北朝鮮の祖国平和統一委員会(CPRK)は、国営朝鮮中央通信(KCNA)を通じて発表した声明で、「南北間の不可侵に関する全ての合意を無効化する」と宣言。さらに「韓国側に、南北直通電話もただちに遮断すると通告した」と述べた。【3月8日 AFP】
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なお、これに先立ち、北朝鮮は米韓合同軍事演習に抗議して“朝鮮戦争の休戦協定の効力を全面白紙化する”ことを発表しています。
****休戦協定を全面白紙化=板門店代表部の活動も中止―米韓演習に反発・北朝鮮軍****
北朝鮮軍最高司令部は5日、スポークスマン声明を出し、米韓合同軍事演習などを非難した上で、「重大措置を取る」として、米韓演習「キー・リゾルブ」が始まる11日から朝鮮戦争の休戦協定の効力を全面白紙化すると表明した。さらに、北朝鮮軍の板門店代表部の活動を中止し、米朝間の軍事電話も遮断するとした。朝鮮中央通信が伝えた。
休戦協定は事実上死文化しており、過去にも北朝鮮軍が「義務履行放棄」を表明したことはあるが、「全面白紙化」と宣言するのは初めてとみられる。(後略)【3月5日 時事】
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いつもながらの瀬戸際外交というか、恐喝外交です。
【北朝鮮の最大の支援国である中国の真剣度が試される】
常に指摘されるように、北朝鮮に制裁がどの程度実効を持つかは、北朝鮮の後ろ盾となって、経済的に北朝鮮を支えている中国の対応次第といいたところです。
****連安保理制裁決議 試される中国の真剣度****
国連安全保障理事会で7日に採択された北朝鮮の核実験に対する制裁決議の内容は、「国連の制裁では最も厳しい」(ライス米国連大使)との評価もある。だが、その実効性は加盟国の取り組み次第だ。とりわけ、北朝鮮の最大の支援国である中国の真剣度が試される。
これまでの決議で加盟国は、制裁を実施するための法整備など国内で取った措置について安保理に報告を提出することが求められている。だが、制裁違反を調査する安保理の専門家パネルが昨年5月にまとめた報告書によると、提出したのは93カ国(昨年3月現在)で、加盟国全体(193カ国)の半分以下。北朝鮮の核問題に無関心な国が多いのも現状だ。
新決議の目玉の一つは、加盟国への「要請」だった貨物検査の強化だ。禁輸物資を積んだ疑いのある北朝鮮出入りの貨物について、自国領域内での検査が義務化され、公海上での検査を拒否した船舶の入港を禁止することも義務となった。
専門家パネルの報告書では、昨年5月までの1年間で貨物検査を実施したとの加盟国からの報告は3件のみ。「義務化」に伴う報告の増加が期待されるが、加盟国が国内法に従って検査することに変わりはなく、検査内容や厳しさに差が生じる可能性はある。
一方、中国は北朝鮮と経済関係が深いだけでなく、大連港が禁輸品の積み替え港としてパネル報告書にたびたび登場。新型弾道ミサイルの移動式発射台車両を北朝鮮に輸出した疑いもある。中国の制裁実施への真剣度が問われるのは、こうした経緯があるためだ。
今回、強い内容の新決議に中国が同意した背景には「挑発行為を続ける北朝鮮への不快感があった」(国連外交筋)。だが李保東(りほとう)国連大使は7日の採択後、決議が制裁だけでなく、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議再開に言及している点を強調。「目下の優先事項は緊張を緩和し、交渉に戻ること」と述べ、中国の基本姿勢に変化がないことを示した。
新決議が実効性を上げるためには、米国や日本、韓国による中国など他国への働きかけも問われる。【3月8日 毎日】
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【“不快感”の中国:独自に事実上の制裁】
中国が北朝鮮支援を続けていることは事実ですが、一方で、中国の指導・助言を無視する形で続く昨今の北朝鮮の挑発行為に強い“不快感”も持っているのも事実のようです。
中国としての“独自の制裁”も報じられています。
****中国:北朝鮮核実験に事実上の制裁 輸出規定を厳格化****
北朝鮮による3度目の核実験(2月12日)を受け、中国が北朝鮮に対する輸出規定の運用を厳格化したうえ密輸の取り締まりを強化することで、核実験に対する事実上の制裁を加えていたことが分かった。
この結果、北朝鮮で食料価格が急上昇するなど、市民生活に影響が出ているという。核実験に対する国連安全保障理事会での制裁論議が大詰めを迎えるなか、最大の支援国・中国が単独で北朝鮮に圧力をかけた形で、北朝鮮はさらに態度を硬化させそうだ。
複数の中朝経済関係者によると、中朝貿易の拠点である中国遼寧(りょうねい)省丹東の税関で2月末ごろから、輸出規定が厳格に運用され、北朝鮮に向かうトラックの積載重量や品目などが詳細に点検されるようになった。以前には検査されることがなかった運転席や車両の下部も詳しく調査されるようになり、「北朝鮮への物資輸送を中国当局が妨害している」(貿易関係者)との指摘も出ている。この結果、北朝鮮への物流が大幅に滞っているという。
また、国境を流れる鴨緑江(おうりょくこう)下流域などで横行する密輸に対しても取り締まりが強化され、北朝鮮への食料や生活物資などの持ち込みが激減している。
密輸ルートで北朝鮮に運び込まれる食料は、コメや果物が多く、北朝鮮国内の価格は急騰。核実験以降、平壌の市場では1キロ当たり5500ウォン(実勢レートで約60円)だったコメが9000ウォン(約100円)▽ミカンが同1万5000ウォン(約160円)から2万5000ウォン(約270円)−−とはね上がり、市民生活を直撃しているという。
ただ、中国の圧力は限定的とみられ、中朝間の共同開発事業は続けられている。中朝共同で開発する黄金坪島(ファングムピョンド)(鴨緑江に位置する北朝鮮領の中州)をみれば、3月に入ってからも大型トラックが中国側から出入りを続け整地作業を進めるなど影響はみられない。
中国は北朝鮮に対する圧力を、税関手続きの厳格化などの形で加えながらも、北朝鮮経済を壊滅に追い込むような経済協力などの大きな枠組み面では変更しないとみられる。【3月7日 毎日】
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“中国の圧力は限定的”とは言いがらも、コメが6割ほども値上がりするというのは、市民生活への影響も大きいようにも思えます。思った以上に圧力をかけている・・・という感もあります。
ただ、北朝鮮の内情はまったくわかりませんので、判断もしにくいところです。
また、おそらく今回措置は、北朝鮮側に中国の不快感を伝える一時的なものなのではないでしょうか。
“血盟”関係の中国と北朝鮮の関係の現状は、外部からは窺い知れぬものがありますが、中国としては、北朝鮮が中国の意に従わないこと、それによって面子をつぶされること、また朝鮮半島の緊張が高まることなどについては苦々しく思っているところでしょう。最近は中国国内でも北朝鮮に対する強い対応を求める声も出ているとか聞きます。
ただ、一方で軍部や党指導層において北朝鮮との強固な人脈があることも指摘されています。
経済・資源などで北朝鮮の生命線を握る中国としては、少なくとも、緩衝地帯でもある北朝鮮の体制崩壊につながるような不安定化は望んでいませんので、制裁措置とはいってもおのずと限定的なものになることは予想されます。