(****中国の「運び屋」全面規制=粉ミルク不足深刻化で―香港****
香港政府は2月1日、隣接する中国広東省深セン市から香港に来て日用品を大量に買いあさる「運び屋」に対する規制を全面的に強化すると発表した。運び屋による買い占めで特に粉ミルク不足が深刻化しているため、粉ミルクは近く原則として輸出を禁止する。
香港は1997年の中国への返還以後、本土との人的往来や経済交流が拡大し続けており、この種の規制は異例。日用品の不足だけでなく、一部の駅が巨大な荷物を持つ運び屋の往来で異常に混雑するといった問題も生じ、香港で反中感情が高まる一因になっていた。
香港政府保安局の黎棟国局長(閣僚)は記者会見で、既に運び屋のブラックリストを作成しており、疑いがある者は入境を拒否すると宣言。また、深セン税関でも1日から取り締まりを強化すると表明した。【2月1日 時事】)
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2047年まで一国二制度がとられている香港では、2017年から普通選挙で行政長官を選出することになっています。
現在は、政治的トップである行政長官は職域組織や業界団体の代表による間接選挙で選出されることになっており、その任命は中国本土の国務院が行います。
間接選挙から住民による普通選挙へ・・・ということで、香港側の要求を中国本土政府も一定に認めた形ではありますが、その実態はなかなか・・・
****反政府派の長官認めず=香港政策で中国要人****
7日付の香港各紙によると、中国の国政助言機関である全国政治協商会議(政協)主席就任が内定している兪正声共産党政治局常務委員は6日、2017年に初めて普通選挙で行われる見通しの香港行政長官選について、反政府派の長官就任は認めないとの方針を示した。香港・マカオ選出の政協委員と北京で会見した際に語った。
香港では、習近平総書記率いる中国の新指導部は香港に対する政治的締め付けを強化するのではないかとの見方が出ていたが、兪氏の発言はそれを裏付けた形だ。【3月7日 時事】
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“反政府派の長官就任は認めない”ということの制度的仕組みは、立候補者の資格要件になります。
****自由な立候補認めず=香港次期長官選で中国高官****
25日付の香港各紙によると、中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)法律委員会の喬暁陽主任委員は24日、2017年に初めて「普通選挙」が導入される見通しの香港行政長官選で、自由な立候補を事実上認めない方針を示した。民主派有力者の立候補を阻止する狙いがあるとみられる。
喬氏は香港と隣接する深セン(広東省)で香港立法会(議会)の親中派議員37人との座談会を開催。長官「普通選挙」の方式について、(1)立候補者は「国を愛し、香港を愛する」および「中央政府に対抗しない」ことが条件になる(2)立候補者を確定する「指名委員会」による指名は個々の委員ではなく、委員会全体で行う(3)一般有権者の署名に基づく立候補は認めない―との立場を明らかにした。
指名委の設置は香港基本法(憲法に相当)で規定されているが、その構成は未定。中国側は指名委を親中派で固めた上で、当選の可能性がある民主派候補を「愛国者ではない」などとして排除することを想定しているようだ。【3月25日 時事】
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こういう仕組みは「普通選挙」とは呼ばない・・・というのが、日本や欧米の常識ではありますが、まあ、それでも現状に比べれば大きな前進であり、中国本土では認められていない権利と言うべきなのでしょうか。