【ネパール:道路、水、電気・・・問題山積】
現在、ネパール・カトマンズを観光中です。
12年ぶりのネパールですが、当然ながら車・バイクが道路に溢れる状況になっています。
その分、野良牛の姿が通りから消えたようです。
問題はその道路。“古い街並みが残るカトマンズ”ということは、道路も古くて狭いままということにもなります。
そこへ車とバイクが乗り入れ、通りを歩く人々の中にはマスクで口・鼻を覆う人も少なくありません。
また、でこぼこ道路、未舗装の道路なども相変わらずで、細い裏通りを走るときなどはロデオ状態で、乗車しているだけで疲れます。(もちろん、幹線道路はまともです)
ガイド氏の話では、政治家が国民生活のことを考えていないせいで改善が進まないとのこと。
同じ理由で、ヒマラヤに豊富に存在する水の供給も不足しているそうです。
街を走っていて気付いたのは、ガソリンスタンドに並ぶ(多分)バイクの長蛇の列。生半可な長さではありません。給油できるまで数時間はかかるのではないでしょうか。
もうひとつ不足しているのが電気。
朝起きる停電中。ホテルで訊いたところ、今日月曜日は午後1時から6時までと、午後9時以降が電気を使える時間とのこと。ガイド氏の話では12時間の計画停電を行っており、以前に比べると少しはましになった方とか。
もっとも、計画停電が行われているのはネパールだけではありません。
現在の状況は知りませんが、以前の旅行経験で言えば、バングラデシュやミャンマーも同じような状況でした。
【ミャンマー:NLD党大会 中執委の若返りは限定的】
そのミャンマーですが・・・と、話を強引にミャンマーに持っていきます。
****ミャンマー:スーチー議長を再選、指導部倍増 NLD大会****
ミャンマーの野党「国民民主連盟(NLD)」は10日、最大都市ヤンゴンでの党大会で最高意思決定機関「中央執行委員会」のメンバー15人を選出し、議長(党首)にアウンサンスーチー氏(67)を再選した。「党運営が中央集権的だ」との内外の批判を受け、新指導部に「新しい血」(スーチー氏)を入れた。15年総選挙での政権獲得に向け4月から新たなスタートを切る。
ミャンマーは11年3月、軍政から民政のテインセイン政権に移行。民主化改革を加速させる中、民主化勢力の「本家」国民民主連盟に対し、「意思決定のあり方も旧態依然で、自らの民主化がまず必要だ」との指摘が相次いだ。仮に総選挙で勝利しても、政権を委ねることへの懸念も漏れていた。
8日開会した党大会には各支部で選出された代議員約900人が参集。中央委員(120人)を選出し、この中から中央執行委員を選んだ。スーチー氏を含め7人だったこれまでのメンバーは全員(60歳以上)が再選、さらに8人(うち半数は少数民族)が新たに加わり倍増した。執行部拡充の背景には、スーチー氏の後継候補や政権に参画できる人材を幅広く育成する狙いもある。
スーチー氏は9日の式典での演説で、指導部の選出を巡り「この国を真の民主国家にするという党の目的に沿った人物を選んでほしい」と要望。「新旧の世代にかかわらず新しい血を入れないといけない」と述べていた。
ただ、新メンバー8人は50〜70歳代で、若い世代から不満が出る可能性がある。【3月10日 毎日】
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懸案事項となっていた組織の若返りはあまり十分ではなかったようです。
*****スー・チー氏、党首に再選…ミャンマー最大野党****
ミャンマーの最大野党・国民民主連盟(NLD)は党大会最終日の10日、最高決定機関である中央執行委員会の改選を行い、アウン・サン・スー・チー氏ら従来のメンバー7人に加えて8人を起用、15人体制に拡充した。
ただ、焦点だった中執委の若返りは限定的で、党の今後の具体的な活動方針も示されぬまま閉幕した。
党大会は1988年の結党以来初めて開かれ、NLDが2015年の総選挙で過半数獲得を狙う上での体制固めの行方が注目された。幹部人事ではスー・チー氏を党首に再選する一方、中執委は50~70代の8人を新たに加えることにした。
ただ、40代以下からは、補欠要員として2人が選ばれただけだった。スー・チー氏は閉会式後の記者会見で、「中執委は経験や知識が必要で、若い世代はまだ十分ではない」と説明したが、地方組織の代議員(32)は「若手の委員をもっと増やすべきだ」と語った【3月10日 読売】
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【「新しい血」を入れることへの「既得権層」の抵抗】
党大会開催にあたっては、一部支部では混乱もあったようです。
*****ミャンマー:スーチー氏、組織再構築へ NLD党大会*****
ミャンマーのアウンサンスーチー氏率いる野党「国民民主連盟(NLD)」は8〜10日、最大都市ヤンゴンで全国党大会を開く。1988年の結党以来初の本格的な大会で、15年の総選挙に向け新指導部を発足させ、活動方針を打ち出す。スーチー氏の議長再選は確実だが、大会代議員選出を巡り一部の支部でゴタゴタがあり、スーチー氏は総選挙に勝利して大統領の座を得るためにも、組織の再構築を急ぐとみられる。
国民民主連盟のニャンウィン報道官によると、大会には全国から約900人の代議員が参集。中央委員(120人)を選出し、その中から最高指導部「中央執行委員会」(現在スーチー氏を含め7人)の委員を選ぶ。
だが昨年後半から今年初めにかけ、代議員選出を巡り西部イラワジ管区、中部マンダレー管区で主に新旧世代間の対立が表面化。街頭で数百〜1000人規模が「長く党に貢献してきたのに外された」「コネで選ばれている」などと抗議行動を起こし反発した。イラワジ管区では130人以上が脱党して新党を結成する騒動にも発展し、党大会は2度にわたり延期された。
国民民主連盟は長く軍政と対峙(たいじ)してきた。だが、11年3月の民政移管に伴い発足したテインセイン政権が矢継ぎ早に民主化改革を進める中、かつての結束と緊張感が緩み、「民主化勢力」としての方向感を見失いつつあるとの指摘もある。
ビジネス界などからは「国民民主連盟はまず自らの民主化に取り組むべきだ」と冷ややかな声も漏れる。中央執行委員会メンバーは全員が60歳以上。有能な人材の発掘や若返りによる組織の活性化は急務だ。若い世代の党内改革要求が相次ぐ中、代議員選出を巡る対立は、党幹部に「新しい血」を入れることへの「既得権層」の抵抗という構図もある。
ミャンマーでは次期大統領への「スーチー待望論」が根強い。だが、135以上の多民族で構成されるこの国で、国民民主連盟は多数派ビルマ族が主体。今も政府軍と少数民族カチン族武装組織が交戦する中、特にスーチー氏に「なぜ静観しているのか」と国内外から批判が出ている。問題解決に向けたスーチー氏や党への期待感の裏返しでもあり、党も「国民政党」への脱皮を迫られている。【3月7日 毎日】
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組織の若返りが十分に進まない背景には、“党幹部に「新しい血」を入れることへの「既得権層」の抵抗という構図”があるようです。
【国民政党への脱皮 政権との距離】
もうひとつの問題が少数民族問題へ対応、国民政党への脱皮という点ですが、新たに選出された中央執行委員8名のうち半数が少数民族出身という形になっています。
ただ、少数民族への配慮を重視すれば、少数民族への反感も強いビルマ族支持者の支持を失う恐れもあるということで難しい問題です。
もうひとつの重要な問題は、上からの民主化政策を進めるテイン・セイン政権との距離のとり方でしょう。
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式典には旧軍政下に翼賛政党として結成された政権与党「連邦団結発展党(USDP)」のテーウ副議長が来賓として出席。スーチー氏は「国家の将来にとり良いサインだ。手を携えれば国民の利益になる」と述べた。
党大会は、スーチー氏らが88年に民主化・反政府勢力を結集し発足させて以来初。与党幹部の出席は、軍政と民主化勢力が敵対した時代が過ぎ去ったことを演出した格好ともなった。【3月10日 毎日】
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「国民民主連盟(NLD)」の党大会に政権与党「連邦団結発展党(USDP)」から来賓が出席する・・・・驚くべき変化です。
“かつての結束と緊張感が緩み、「民主化勢力」としての方向感を見失いつつある”との指摘もありますが、方向としては、テイン・セイン大統領とともに民主化を推進するということでいいのではないでしょうか。
スー・チー氏が、民主化運動の象徴から現実政治化へ転進し、将来的には大統領としてミャンマーを導くのか、あるいは、理想は語ることはできても現実問題への対応はできないことをさらけ出すのか、今後の動向が気になるところです。
現在、ネパール・カトマンズを観光中です。
12年ぶりのネパールですが、当然ながら車・バイクが道路に溢れる状況になっています。
その分、野良牛の姿が通りから消えたようです。
問題はその道路。“古い街並みが残るカトマンズ”ということは、道路も古くて狭いままということにもなります。
そこへ車とバイクが乗り入れ、通りを歩く人々の中にはマスクで口・鼻を覆う人も少なくありません。
また、でこぼこ道路、未舗装の道路なども相変わらずで、細い裏通りを走るときなどはロデオ状態で、乗車しているだけで疲れます。(もちろん、幹線道路はまともです)
ガイド氏の話では、政治家が国民生活のことを考えていないせいで改善が進まないとのこと。
同じ理由で、ヒマラヤに豊富に存在する水の供給も不足しているそうです。
街を走っていて気付いたのは、ガソリンスタンドに並ぶ(多分)バイクの長蛇の列。生半可な長さではありません。給油できるまで数時間はかかるのではないでしょうか。
もうひとつ不足しているのが電気。
朝起きる停電中。ホテルで訊いたところ、今日月曜日は午後1時から6時までと、午後9時以降が電気を使える時間とのこと。ガイド氏の話では12時間の計画停電を行っており、以前に比べると少しはましになった方とか。
もっとも、計画停電が行われているのはネパールだけではありません。
現在の状況は知りませんが、以前の旅行経験で言えば、バングラデシュやミャンマーも同じような状況でした。
【ミャンマー:NLD党大会 中執委の若返りは限定的】
そのミャンマーですが・・・と、話を強引にミャンマーに持っていきます。
****ミャンマー:スーチー議長を再選、指導部倍増 NLD大会****
ミャンマーの野党「国民民主連盟(NLD)」は10日、最大都市ヤンゴンでの党大会で最高意思決定機関「中央執行委員会」のメンバー15人を選出し、議長(党首)にアウンサンスーチー氏(67)を再選した。「党運営が中央集権的だ」との内外の批判を受け、新指導部に「新しい血」(スーチー氏)を入れた。15年総選挙での政権獲得に向け4月から新たなスタートを切る。
ミャンマーは11年3月、軍政から民政のテインセイン政権に移行。民主化改革を加速させる中、民主化勢力の「本家」国民民主連盟に対し、「意思決定のあり方も旧態依然で、自らの民主化がまず必要だ」との指摘が相次いだ。仮に総選挙で勝利しても、政権を委ねることへの懸念も漏れていた。
8日開会した党大会には各支部で選出された代議員約900人が参集。中央委員(120人)を選出し、この中から中央執行委員を選んだ。スーチー氏を含め7人だったこれまでのメンバーは全員(60歳以上)が再選、さらに8人(うち半数は少数民族)が新たに加わり倍増した。執行部拡充の背景には、スーチー氏の後継候補や政権に参画できる人材を幅広く育成する狙いもある。
スーチー氏は9日の式典での演説で、指導部の選出を巡り「この国を真の民主国家にするという党の目的に沿った人物を選んでほしい」と要望。「新旧の世代にかかわらず新しい血を入れないといけない」と述べていた。
ただ、新メンバー8人は50〜70歳代で、若い世代から不満が出る可能性がある。【3月10日 毎日】
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懸案事項となっていた組織の若返りはあまり十分ではなかったようです。
*****スー・チー氏、党首に再選…ミャンマー最大野党****
ミャンマーの最大野党・国民民主連盟(NLD)は党大会最終日の10日、最高決定機関である中央執行委員会の改選を行い、アウン・サン・スー・チー氏ら従来のメンバー7人に加えて8人を起用、15人体制に拡充した。
ただ、焦点だった中執委の若返りは限定的で、党の今後の具体的な活動方針も示されぬまま閉幕した。
党大会は1988年の結党以来初めて開かれ、NLDが2015年の総選挙で過半数獲得を狙う上での体制固めの行方が注目された。幹部人事ではスー・チー氏を党首に再選する一方、中執委は50~70代の8人を新たに加えることにした。
ただ、40代以下からは、補欠要員として2人が選ばれただけだった。スー・チー氏は閉会式後の記者会見で、「中執委は経験や知識が必要で、若い世代はまだ十分ではない」と説明したが、地方組織の代議員(32)は「若手の委員をもっと増やすべきだ」と語った【3月10日 読売】
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【「新しい血」を入れることへの「既得権層」の抵抗】
党大会開催にあたっては、一部支部では混乱もあったようです。
*****ミャンマー:スーチー氏、組織再構築へ NLD党大会*****
ミャンマーのアウンサンスーチー氏率いる野党「国民民主連盟(NLD)」は8〜10日、最大都市ヤンゴンで全国党大会を開く。1988年の結党以来初の本格的な大会で、15年の総選挙に向け新指導部を発足させ、活動方針を打ち出す。スーチー氏の議長再選は確実だが、大会代議員選出を巡り一部の支部でゴタゴタがあり、スーチー氏は総選挙に勝利して大統領の座を得るためにも、組織の再構築を急ぐとみられる。
国民民主連盟のニャンウィン報道官によると、大会には全国から約900人の代議員が参集。中央委員(120人)を選出し、その中から最高指導部「中央執行委員会」(現在スーチー氏を含め7人)の委員を選ぶ。
だが昨年後半から今年初めにかけ、代議員選出を巡り西部イラワジ管区、中部マンダレー管区で主に新旧世代間の対立が表面化。街頭で数百〜1000人規模が「長く党に貢献してきたのに外された」「コネで選ばれている」などと抗議行動を起こし反発した。イラワジ管区では130人以上が脱党して新党を結成する騒動にも発展し、党大会は2度にわたり延期された。
国民民主連盟は長く軍政と対峙(たいじ)してきた。だが、11年3月の民政移管に伴い発足したテインセイン政権が矢継ぎ早に民主化改革を進める中、かつての結束と緊張感が緩み、「民主化勢力」としての方向感を見失いつつあるとの指摘もある。
ビジネス界などからは「国民民主連盟はまず自らの民主化に取り組むべきだ」と冷ややかな声も漏れる。中央執行委員会メンバーは全員が60歳以上。有能な人材の発掘や若返りによる組織の活性化は急務だ。若い世代の党内改革要求が相次ぐ中、代議員選出を巡る対立は、党幹部に「新しい血」を入れることへの「既得権層」の抵抗という構図もある。
ミャンマーでは次期大統領への「スーチー待望論」が根強い。だが、135以上の多民族で構成されるこの国で、国民民主連盟は多数派ビルマ族が主体。今も政府軍と少数民族カチン族武装組織が交戦する中、特にスーチー氏に「なぜ静観しているのか」と国内外から批判が出ている。問題解決に向けたスーチー氏や党への期待感の裏返しでもあり、党も「国民政党」への脱皮を迫られている。【3月7日 毎日】
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組織の若返りが十分に進まない背景には、“党幹部に「新しい血」を入れることへの「既得権層」の抵抗という構図”があるようです。
【国民政党への脱皮 政権との距離】
もうひとつの問題が少数民族問題へ対応、国民政党への脱皮という点ですが、新たに選出された中央執行委員8名のうち半数が少数民族出身という形になっています。
ただ、少数民族への配慮を重視すれば、少数民族への反感も強いビルマ族支持者の支持を失う恐れもあるということで難しい問題です。
もうひとつの重要な問題は、上からの民主化政策を進めるテイン・セイン政権との距離のとり方でしょう。
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式典には旧軍政下に翼賛政党として結成された政権与党「連邦団結発展党(USDP)」のテーウ副議長が来賓として出席。スーチー氏は「国家の将来にとり良いサインだ。手を携えれば国民の利益になる」と述べた。
党大会は、スーチー氏らが88年に民主化・反政府勢力を結集し発足させて以来初。与党幹部の出席は、軍政と民主化勢力が敵対した時代が過ぎ去ったことを演出した格好ともなった。【3月10日 毎日】
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「国民民主連盟(NLD)」の党大会に政権与党「連邦団結発展党(USDP)」から来賓が出席する・・・・驚くべき変化です。
“かつての結束と緊張感が緩み、「民主化勢力」としての方向感を見失いつつある”との指摘もありますが、方向としては、テイン・セイン大統領とともに民主化を推進するということでいいのではないでしょうか。
スー・チー氏が、民主化運動の象徴から現実政治化へ転進し、将来的には大統領としてミャンマーを導くのか、あるいは、理想は語ることはできても現実問題への対応はできないことをさらけ出すのか、今後の動向が気になるところです。