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(台風15号で、家の前の街路樹が根元から・・・・)
【久々に怖かった台風15号】
台風15号が今朝未明の3時~4時頃、私の住んでいる鹿児島県薩摩川内市をかすめる最悪コースで過ぎていきました。
うなりをあげる強風のなかで家が揺れて軋む・・・家の前の大きな広告塔が割れて電気関係がショートしたのか、窓の外の暗闇に一瞬閃光が走る・・・停電の暗闇の中で久しぶりに台風の怖さに身を固くして、ただ通り過ぎるのを待つだけでした。(飼っている猫は、さほど気にしていない様子でしたが)
幸い速度が速く、また、台風通過後の吹き返しがほとんどなく、強風が吹き荒れた時間はそれほど長くはありませんでした。(子供の頃経験した台風はなぜかいつも夜中にやってきて、しかも鹿児島付近では速度が遅く、一晩中吹き荒れることがよくありました。)
外が明るくなった頃、窓から通りをうかがうと、なんと、家の前の街路樹が根元から横倒しに倒れています。直径25cmほどある結構大きな街路樹です。
やはり広告塔は割れて、中の配線がむき出しになっていました。
外に出てみると、隣の空き家は窓が割れて風が建物内を吹き抜けたらしく、おもてのシャッターがグシャグシャに壊れていました。
沖縄県石垣島では、この地点では観測史上最高となる最大瞬間風速71メートルを記録したそうですが、あとで確認したところ、薩摩川内市では45メートルを記録したそうです。
感覚的には、もっと強かったのでは・・・という感もありますが、石垣島のように乗用車が吹き飛ぶようなことにはなっていませんので、そんなものかもしれません。
ただ、朝になっても電気が止まり、給水のためのポンプが止まって水も出ません。ということは、トイレも使えません。冷蔵庫の中のものもやがて解け出します。電動シャッターを動かせないので、建物内に取り込んだ唯一の足であるバイクも出せません。
何より、TVもパソコンも使えないので、情報が全く入らないことが困りました。
台風がどこを通り、どこに行ったのか・・・それすらわかりません。情報は、水や食料と同じくらい重要です。
電気も水も使えない状況で、いつ復旧するかもわかりませんので、携帯電話で身内と連絡をとり、今後のことなどを相談。
幸い、電気の復旧が7時半頃と早く、ようやく「やれやれ・・・」といったところでした。
【今年上半期は過去最高の平均気温】
そんな「自然の猛威」を改めて実感した日だったので、今日は温暖化、気候変動の話。
温暖化とはいっても、当然ながら異常寒波もあれば冷夏もある訳ですが、そういうなかでも今年は気温が高いようです。
****世界の上半期の平均気温 過去最高に****
国連の世界気象機関やアメリカ海洋大気庁によりますと、ことし1月から6月までの上半期の世界の平均気温は、調査を開始した1880年以降で最も高くなったということです。
ことし上半期の世界の平均気温は20世紀の平均よりも0.85度高く、これまでで最も高かった2010年よりも0.09度上回りました。
月別にみると、3月、5月、6月がこれまでの月間の平均気温の最高を更新し、1月と2月がそれぞれ2番目、4月が4番目の高さだったということです。
また、地域別に見てもユーラシアやアフリカなど多くの陸地で平均気温を上回っています。
一方、暑さ以外にも異常気象とみられる現象が世界各地で確認されています。
インドでは5月下旬から気温が急に上昇し40度を超える地域が相次ぎ、2000人以上が死亡しました。
その一方で、スカンディナビア半島では多くの地域でことし6月の平均気温が例年を下回り、ノルウェーでは1900年に統計を取り始めて以降、18番目に寒い月になったということです。
また、アメリカのカリフォルニア州では、3年前の2012年から雨や雪が少ない状態が続き、ことしも水源となる山間部の積雪が平年を大きく下回ったことなどから、ことし4月には初めて州全体に25%の節水が義務づけられました。
さらにタイでも去年1月からほとんどの地域で降水量が平年を下回っていて干ばつの影響で農作物にも被害が出ています。【8月10日 NHK】
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イランでは“体感温度74度”を記録したとか。
水源でもある氷河の融解も早まっているようです。
****世界各地を熱波襲う イランで体感温度74度、インド2300人死亡、アルプスの氷河ピンチ****
日本で猛暑日が続く中、世界各地も記録的な熱波に見舞われている。イランでは体感温度74度という「天文学的」(米紙ワシントン・ポスト)な暑さを記録したほか、欧米では山火事が相次いだり氷河の解けるペースが速まったりしている。
イラン南西部のペルシャ湾に面したバンダルマズハーでは7月31日に気温が46度となり、湿度などを加味した体感温度は74度に達した。同紙によると体感温度に関する公式記録はないが、2003年7月にサウジアラビアで観測された81度に次ぐ数値とみられる。
AP通信などによると、イラクの首都バグダッドでは7月30日、気温が52度に達した。政府は酷暑の予想を受け、同日から4日間を公休日とすることを急遽(きゅうきょ)決定。03年のイラク戦争以降、同国では発電設備の破壊などで電力不足が深刻化し、クーラーや扇風機が満足に使えない状態だ。
ただ4日には南部アマラで、暑さと電力不足に不満を募らせた市民らが街頭でアバディ政権を批判するなど反政権デモが頻発。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の支配地域奪還を目指す政権にとり頭の痛い問題となっている。
一方、インドでは1年で最も気温が高くなる4〜6月、熱波による死者数が記録のある1990年以降最悪となり、インド政府は5日、2037が熱中症などのため死亡したと発表した。パキスタンでは6月、南部シンド州を熱波が襲い、州当局によると1200人以上が死亡する過去最悪の事態となった。
欧米でも熱波の影響は深刻だ。米ニューヨークでは7月29日、同日の気温としては過去3位タイとなる35.6度を記録。オーストリアでは気象当局が「過去248年の観測史上で最も暑い7月」と認定した。
スペインでも7月上旬、気温が記録的な水準に上昇。国内各地では山林火災が発生し、焼失面積は少なくとも計1万5千ヘクタールとも報じられている。
欧州の専門家は最近の調査の結果、世界各地で近年、氷河が解けるペースが加速していると指摘。アルプス地方では「氷河が数キロも後退している」とし、特に深刻な現象とも警告した。【8月5日 産経】
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【「北米大陸西部の自然界と人類は、現代史上の経験をはるかに超えた乾燥状態に見舞われるだろう」】
【8月10日 NHK】にもある、アメリカ・カリフォルニアの水不足については、5月18日ブログ「アメリカ・カリフォルニア 深刻化する水不足 もし来年も雨が降らなかったら・・・・」(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20150518)でも取り上げました。
また、西部ワシントン州で発生した一連の森林火災が同州史上最大規模にまで拡大しているほか、西部各地で山火事が広がっています。
****山火事消火に軍も出動 干ばつ続く米西部で多発****
干ばつの続く米西部各地で大規模な山火事が発生し、軍が200人出動する事態となっている。
全米省庁合同火災センター(NIFC)によると、18日現在でカリフォルニアやオレゴン州など7州、95カ所で山火事が発生し、約44万7千ヘクタールを延焼中だ。
CNNによると、これまでに2万5千人の消防士が消火にあたっているが、猛威を振るう火事を抑え切れず、軍も出動。山火事の消火への軍の出動は、2006年以来という。
当局によると、カリフォルニア州では、1月から8月までで、4382件の山火事が発生した。昨年の同時期に比べて、1335件以上多い。
アイダホ州では、50件の家が焼けたほか、27頭の馬が焼け死んだ。オレゴン州では26件の家が焼け、約300人が避難している。【8月21日 朝日】
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ただ、カリフォルニアなど西部各地の乾燥は今年にとどまるものではなく、これから始まる「メガ干ばつ」を示すものだとか。
****アメリカに迫り来る未曽有の「メガ干ばつ」****
今世紀後半に米南西部と大平原地域を、過去1000年で最悪の干ばつが襲うとの衝撃の研究が
この数年、カリフォルニア州を含む米西部は記録的な干ばつに襲われ、水不足と農作物の不作に悩まされている。
NASA(米航空宇宙局)は「州内の水源に残された水はあと1年分」と警告。同州産のオレンジやアーモンドの価格は既に高騰し、州政府は4月、州内全域を対象に25%の節水を義務付ける初の行政命令を出した。
しかし新たな研究によると、真の危機が訪れるのはこれからだ。米西部には、より「乾燥した未来」がやって来る。
今年2月、NASAとコーネル大学、コロンビア大学の研究チームが発表した論文によれば、米南西部と大平原地域には過去1000年で最悪の干ばっが迫っているという。そうした「メガ干ばつ」はおそらく今世紀後半に起こり、10~数十年続く可能性もあるとのことだ。
「われわれの研究によれば、北米大陸西部の自然界と人類は、現代史上の経験をはるかに超えた乾燥状態に見舞われるだろう。それに適応するのは、極めて困難かもしれない」と、研究チームは論文で記している。
そうなれば、人々の暮らしが今以上に過酷になることは避けられない。まず、水不足で食料生産が打撃を被るだろう。そして最も手ごわい問題は、飲み水の確保。既に米西部では、飲み水不足に陥っている地域がある。
「再生不可能な資源である地下水の枯渇が幅広い地域で進んでいる。これまでは地下水を活用することにより、自然に繰り返される干ばつの影響を和らげられていた」と、研究チームは指摘している。
「この地域の主要な貯水池であるミード湖とパウエル湖の合計に匹敵する量の地下水が枯渇したケースもある」
研究チームは、将来の温室効果ガス排出量に関する複数のシナリオに基づき17通りの気候変動モデルを検討した。それによると、将来の温室効果ガス排出量が「緩やか」にとどまると仮定しても、中世の温暖期(1100~1300年頃)の「最も乾燥した時代をも上回る」乾燥期が訪れる見通しだという。(後略)【8月25日号 Newsweek日本版】
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アメリカ北西部の環境が悪化しても、逆にこれまで農業に適さなかった土地が使えるようになるといった話も出てくるのでは・・・というのは、あまりに楽観的過ぎるでしょうか。
いずれにしても、世界規模での人口・産業の再配置は必要となるでしょう。そのとき日本がどうなっているのかは知りませんが。
【ツンドラに巨大クレーター】
“これまで農業に適さなかった土地”と言う意味では、ロシアのシベリアなどもそうした地域でしょう。
ただ、シベリアの永久凍土でも困った事態となっているようです。
****シベリアに謎のクレーター出現 メタン放出、恐れる学者****
それはまるで、地球の表面にぱっくりと開いた口のように見えた。
先住民族ネネツ人の言葉で「世界の果て」を意味するロシア・西シベリアのヤマル地方。8日、高度100メートルを飛ぶヘリコプターから見下ろすと、地平線まで広がるツンドラの平原に、月面のクレーターのような巨大な穴が現れた。ロシアメディア以外では最初の現地取材だ。
輸送用ヘリの操縦士が2014年6月、初めて見つけた。最寄りの拠点となる街から約400キロ離れ、トナカイ遊牧民がわずかに行き交う北極圏にある。
地元政府の緊急要請でロシアの科学者が調査を始めた。穴は直径約37メートル、深さ約75メートルあった。その後、同様の穴の報告が相次ぎ、4個が確かめられている。
では、穴はどのようにして生まれたのか。隕石(いんせき)の衝突、不発弾の爆発、宇宙人の襲来――。出来た瞬間を見た者はおらず、さまざまな臆測がされた。
真冬には気温が零下40度まで下がる厳寒の地。地中には永久凍土が数百メートルの厚さで広がっている。メタンが多く含まれ、近くには世界有数の天然ガス田もある。
研究者の間では「永久凍土が溶け、メタンガスの圧力が地中で高まって爆発した」との説が有力だ。
ロシア科学アカデミー石油ガス調査研究所のワシリー・ボゴヤブレンスキー教授は「ここのところの異常に高い気温の影響を受けた可能性がある」と話す。
将来地球温暖化が進み、凍土全体から、温室効果の高いメタンの大量放出が始まれば、さらに温暖化を加速させかねない。【7月19日 朝日】
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メタンはCO2以上に厄介です。
****メタンの温室効果、CO2の25倍 温暖化進む恐れ****
永久凍土はシベリアだけでなく、カナダやアラスカなど、北半球の大陸表面の24%に存在する。
温暖化による極地の気温上昇は、世界平均の2倍の速さで進むとされる。国連環境計画(UNEP)が2012年にまとめた報告書によると、今から2100年までに全地球の気温が3度上がれば北極では6度上昇し、地表付近の永久凍土の30~85%が失われる可能性がある。
特に心配されているのが、温室効果ガスの大量放出だ。全世界の永久凍土にあるメタンや二酸化炭素(CO2)の炭素量は、現在の大気に含まれる量の2倍。メタンの温室効果はCO2の25倍ある。どれほどの影響がでるのか、専門家でもまだ見通せていない。
名古屋大学地球水循環研究センターの檜山哲哉教授は「永久凍土の融解が進めば温暖化は加速し、大地や植物だけでなく人間社会にも大きな影響を及ぼす。100年後、1千年後を見通すための研究が必要だ」と話す。【7月19日 朝日】
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【温暖化のバロメーター 氷河融解】
ついでに、温暖化の影響を敏感に反映する氷河融解の話も。
****氷河融解縮小、観測史上最低水準に 研究****
世界の氷河は、過去120年の観測史上、最低の水準にまで縮小しているとの研究報告が3日、発表された。氷河融解のペースについては、21世紀の最初の10年間での加速が確認されたという。
学術誌「Journal of Glaciology(氷河学)」に掲載された論文によると、氷河の厚みは現在、平均で年間50~150センチのペースで減少しているという。
論文主執筆者で、スイスにある研究機関「世界氷河モニタリングサービス」のミヒャエル・ゼンプ所長は「これは、20世紀における氷河の厚みの平均減少速度の2~3倍に相当する」と語る。
世界10億人以上の、特にアジアや南米で暮らす人々は、飲料水の半分以上を雪や氷河氷の季節融解によって得ていることが、これまでの研究で明らかになっている。
世界の氷河の現在の融解速度は、科学的観測の対象となった過去120年間、あるいはおそらくもっと長い期間において、前例のないレベルに達しているとゼンプ所長は指摘した。
さらに、消失ペースが加速されていることにより、たとえ地球温暖化による世界気温の上昇が続かなかったとしても、多くの地域では氷河の縮小が止まらない動向が発生している。
今回の論文では取り上げられていないが、過去5年間の予備分析データは、氷河質量の急速な減少が現在も続いていることを示唆している。
氷河氷の消失量について、1998年に観測された20世紀の最高記録は「2003年、2006年、2011年、2013年と続けて更新され、また2014年にも更新される可能性が高い」とゼンプ所長は話している。【8月4日 AFP】
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老い先短い私にとっては「どんな世界になるのだろう・・・」という怖いもの見たさ的な話ですが、若い人たちにとっては深刻な話です。