(12日、ロシア反政府組織「自由ロシア軍」が「テレグラム」に投稿した新兵らの写真【5月22日 産経】)
【ロシア軍4機撃墜は自軍によるもの? ワグネル創始者示唆】
ロシア国内で相次ぐ破壊工作、それに関与していると推測される反政府組織の存在については、5月2日ブログ“ロシア 頻発する破壊工作 反ロシア組織の関与か 「穴倉」に引きこもるプーチン大統領”でもとりあげました。
最近のロシア国内の「事件」としては、ロシア軍のヘリコプター2機と戦闘爆撃機、戦闘機各1機の計4機がほぼ同時に墜落するというものがありました。
****ロシア軍の4機、ほぼ同時に墜落…ウクライナ隣接州で1機はミサイル撃墜の可能性****
ロシアの有力紙コメルサントは13日、ウクライナと国境を接する露西部ブリャンスク州で同日、露軍のヘリコプター2機と戦闘爆撃機「Su(スホイ)34」、戦闘機「Su35」各1機の計4機がほぼ同時に墜落し、ヘリ1機はミサイルで撃墜されたとの見方を報じた。4機はウクライナの首都キーウ近郊チェルニヒウ州を攻撃するためチームを組んで出撃していたという。
ヘリは「Mi8」2機で、Su34とSu35とは約50キロ・メートル離れた場所で墜落した。コメルサントは乗員全員が死亡した可能性が高いとしている。地元州知事はヘリ1機の墜落だけを発表している。露国防省も墜落原因は明らかにしていない。
コメルサントはヘリ1機について、SNSで拡散している動画などに基づきミサイルで攻撃された可能性が高いと指摘した。ウクライナ軍機が発射したミサイルが命中した可能性や、ロシア軍の防空用の地対空ミサイルで誤って撃墜された可能性が指摘されている。
独立系メディア「マッシュ」は、捜査当局が破壊工作を受け墜落したとみて調べていると報じていた。
タス通信によると、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアでも12日、露軍の攻撃ヘリ「Mi28」が訓練中に墜落し、乗員2人が死亡した。露国防省は機体の異常が原因との見方を示していた。【5月14日 読売】
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4機同時に・・・となると、常識的には破壊工作云々というより、ミサイルによる撃墜が想像されますが、ウクライナは関与を否定しており、ウクライナ軍のイグナット報道官はロシア軍の防空システムが撃墜したとの見方を示しています。
さらに、ロシア軍犯行説を主張する人物がもう一人。話題のロシア民間軍事会社ワグネルの創始者プリゴジン氏です。
****ワグネル創設者「ロシア軍機4機を撃墜したのはロシア軍」?****
<ロシアの戦闘機2機と輸送ヘリ2機がウクライナ国境近くで墜落。ウクライナ軍の反攻かと思いきや、ワグネル創設者のプリゴジンは同胞の仕業だと示唆した>
(中略)プリゴジンはもともとロシアのウラジーミル・プーチン大統領の側近だったが、ウクライナ侵攻が思うように進まない中で両者の緊張は高まっている。そして13日、プリゴジンはロシア軍機を撃墜したのはロシア軍だと匂わせる発言をした。
プリゴジンはメッセージアプリのテレグラムの自身のチャンネルへの投稿で、4機の撃墜地点から描いた半径20キロの円の中心にありそうなのは、ロシアとウクライナどちらの防空システムだろうか、と問いかけた。
ロシア側は「エンジントラブル」説も
「4機の墜落地点を囲む円を描くと、円の直径は40キロメートルになる。つまり円の半径は20キロメートルだ」とプリゴジンは書いた。「次にインターネットで、どんな種類の対空兵器がこの円の中心にあるかを調べてみるといい。自ずと答えは出る。私は知らないが」
本誌はロシア国防省に電子メールでコメントを求めたが回答は得られていない。(中略)【5月15日 Newsweek】
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ウクライナ軍によって撃墜されたとか、反政府組織の破壊工作で墜落したとかよりも、ある意味、自軍防空システムで撃墜される方が事態はより“深刻”かも。
しかも、それを権力内部の一人が自軍を嘲笑するかのように示唆するとなると、ロシアの混乱ぶりが深刻です。
記事では、プリゴジン氏とプーチン大統領の関係について、“両者の緊張は高まっている”としています。
プリゴジン氏がバフムト攻略戦で「弾薬持ってこいや!」と吠えまくっていたのは周知のところ。
その後弾薬が供給されることになって、いったんは騒動はおさまりましたが、要求の10%しか届かないということで、9日の戦勝記念日には再び「我々はぬけぬけとだまされた!」と怒っています。
“「我々はぬけぬけとだまされた!」プリゴジン氏、ロシア軍幹部にまたキレる 弾薬が要求の10%しか届かず…内輪もめ再燃か”【5月11日 FNNプライムオンライン】
【ポスト・プーチンを見据えて「私兵」としての軍事会社を保有する権力者】
ただ、プリゴジン氏はプーチン大統領本人を攻撃することは避けており、その罵倒の対象はショイグ国防相や国防省・ロシア軍幹部です。
プリゴジン氏はポスト・プーチンを狙っているとも言われていますが、ポスト・プーチンを狙うのは、そしてその混乱に備えて“私兵”としての民間軍事会社を保有するのはプリゴジン氏だけではないようです。
****プーチン体制崩壊の予兆か?ロシアで「民間軍事会社」乱立の3つの事情****
ロシアによるウクライナ侵攻で一躍脚光を浴びた民間軍事会社「ワグネル」。そのトップのプリゴジン氏が東部の激戦地バフムトで「ショイグ!ゲラシモフ!弾薬はどこにあるんだ!」とロシア国防相と軍参謀総長を呼び捨てにしながら、弾薬の供給がなければ撤退すると凄んで見せた映像が記憶に新しい。
ワグネルだけじゃない…ロシアに37の「民間軍事会社」
プリゴジン氏とワグネル本来、雇い兵組織は法律で認められていないのだが、実はロシアの民間軍事会社はワグネルだけではない。公開情報の収集分析を行う国際企業「モルファー」が4月下旬に公表したリストには37の民間軍事会社が名を連ね、このうち25社がウクライナで活動しているという。
例えば、ロシアが2014年に併合したクリミア半島の首長、アクショノフ氏が資金面等で支援する民間軍事会社「コンボイ」。約3000人いるという戦闘員にはワグネル出身者もいて、ロシアの主力戦車T80やT90、航空機を保有している。
例えば、ロシアが2014年に併合したクリミア半島の首長、アクショノフ氏が資金面等で支援する民間軍事会社「コンボイ」。約3000人いるという戦闘員にはワグネル出身者もいて、ロシアの主力戦車T80やT90、航空機を保有している。
ヤシク副司令官はBS-TBS『報道1930』とのインタビューで「ロシア国防省と契約を締結し命令に従って軍務を遂行している。訓練センターもあり、志願した人に対してスナイパー育成、爆発物の取り扱い、ドローンや戦車の操縦などを教育している」と証言している。
国営企業ガスプロムやショイグ国防相も民間軍事会社を設立
最近注目を集めているのは、ロシア最大の国営天然ガス企業のガスプロムが設立した民間軍事会社で、「ポトーク」「ファンケル」「プラーミャ」という複数の会社の存在が明らかになっている。
エネルギー企業が掘削施設やパイプラインなどを守るため警備部隊を設けるのは不思議ではないが、国防省の傘下に入ってウクライナ侵攻に参加している。米国の政策研究機関「戦争研究所」によると、バフムトではワグネルとの主導権争いが激化しているという。
プーチン大統領に近いオリガルヒ=新興財閥のデリパスカ氏とティムチェンコ氏がスポンサーになっている民間軍事会社「レドゥット(リダウト)」もウクライナ侵攻に戦闘員を派遣している。ウクライナの捕虜となったロシア人戦闘員が「前線ではレドゥットの指揮下にあった」と語っている映像がSNSで流れた。
また、興味深いのはショイグ国防相までが「パトリオット」という民間軍事会社を立ち上げていることだ。ウクライナ東部軍の広報担当官は去年12月、ドネツク州南東部のウフレダルでパトリオットの部隊がワグネルと競う形で活動していると指摘していた。
プーチン大統領に近いオリガルヒ=新興財閥のデリパスカ氏とティムチェンコ氏がスポンサーになっている民間軍事会社「レドゥット(リダウト)」もウクライナ侵攻に戦闘員を派遣している。ウクライナの捕虜となったロシア人戦闘員が「前線ではレドゥットの指揮下にあった」と語っている映像がSNSで流れた。
また、興味深いのはショイグ国防相までが「パトリオット」という民間軍事会社を立ち上げていることだ。ウクライナ東部軍の広報担当官は去年12月、ドネツク州南東部のウフレダルでパトリオットの部隊がワグネルと競う形で活動していると指摘していた。
ワグネルを排除へ…ロシアで民間軍事会社が乱立する3つの事情
ロシアの民間軍事会社は、いずれも国防省や治安機関FSB=連邦保安局など政権側と何らかの関わりを持っている。本来は非合法のはずなのに、プーチン大統領のお墨付きのもと数多くの民間軍事会社が設立され活動している背景には大きく3つの事情がある。
まずはウクライナで戦うための兵力の補充だ。欧米の推計によると、今回の戦争によるロシア軍の死傷者は最大で20万人に上る。
まずはウクライナで戦うための兵力の補充だ。欧米の推計によると、今回の戦争によるロシア軍の死傷者は最大で20万人に上る。
不足する兵員を確保するために国家総動員令を出すのは可能だが、国民の動揺と反発を恐れる政権側はとても踏み切れない。
そこで民間軍事会社の戦闘員を代わりに戦地に送り込むのである。彼らはロシアの平均給与の数倍で雇われるが使い捨てにされ、仮に多数が死傷したとしても政府は責任を問われない。
2つ目は、クレムリン内の権力・利権争いとの関係だ。影響力を強めるワグネルのプリゴジン氏は、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長ら軍の主流派と対立。権力への野心を隠さなくなったことで大統領周辺からも疎まれている。
2つ目は、クレムリン内の権力・利権争いとの関係だ。影響力を強めるワグネルのプリゴジン氏は、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長ら軍の主流派と対立。権力への野心を隠さなくなったことで大統領周辺からも疎まれている。
プーチン大統領のサンクト・ぺテルブルク時代からの盟友、ミレル氏が率いる国営企業のガスプロムが“官製”の民間軍事会社を相次いで設立したのも、ワグネル排除の動きの一環とみられる。
プーチン体制崩壊でスムータ=大動乱の時代が来るか?
そして3つ目は、プーチン体制が崩壊する時に備えて、力ある政治家やオリガルヒたちが私兵部隊を整え、自らの身の安全を確保するとともに権力や利権を奪取しようと目論んでいるというものだ。
ロシアの腐敗を告発するサイト『グラグ・ネット』の運営者、オセチキン氏は「彼らは権力移譲の準備をしている。ロシアにおける権力の分配は権力者の間のみで行われることを完全に理解している」としたうえで「何かが起こった場合に彼らは民間軍事会社に頼ることができる」と指摘している。
ロシアの人たちはスムータ=大動乱を恐れる。スムータとはムソルグスキーのオペラ『ボリス・ゴドノフ』でも描かれた17世紀初頭のロシアの大動乱を言うが、ロシア革命の時の大混乱やソ連崩壊直後の混迷の時代を指す言葉としても使われる。
ロシアの腐敗を告発するサイト『グラグ・ネット』の運営者、オセチキン氏は「彼らは権力移譲の準備をしている。ロシアにおける権力の分配は権力者の間のみで行われることを完全に理解している」としたうえで「何かが起こった場合に彼らは民間軍事会社に頼ることができる」と指摘している。
ロシアの人たちはスムータ=大動乱を恐れる。スムータとはムソルグスキーのオペラ『ボリス・ゴドノフ』でも描かれた17世紀初頭のロシアの大動乱を言うが、ロシア革命の時の大混乱やソ連崩壊直後の混迷の時代を指す言葉としても使われる。
プーチン体制が本当に崩壊するのかはわからないが、民間軍事会社の乱立はスムータを予感させる現象の1つと言えなくもない。緒方 誠(TBSテレビ報道局解説委員)【5月20日 TBS NEWS DIG】
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【ロシア領内での大規模な攻撃を仕掛ける反政府組織】
ロシア権力者が「私兵」を集める一方で、反政府組織はロシア領内での大規模な攻撃を始めたようです。
****ロシア西部州、反体制派が内務省や連邦保安局を攻撃か 知事「ウクライナの破壊工作集団」****
ロシア西部ベルゴロド州のグラトコフ知事は22日、ウクライナの「破壊工作集団」がロシア領内となる国境の地区グライボロンに侵入したが、ロシア軍がこれを退けているとした。
ソーシャルメディアでは主要な町が深夜0時を過ぎた時間に攻撃されたという情報が出ている。一部チャンネルによると、内務省やロシア連邦保安局(FSB)の現地本部が狙われた。
一方、ウクライナ国内メディアは軍情報機関の話として、ロシアの反体制派である「自由ロシア軍団」と「ロシア義勇軍団」による攻撃だったと報じた。
また、ウクライナのポドリャク大統領顧問はツイッターへの投稿で「ロシアのベルゴロド地方での出来事を注視し状況を検証しているが、ウクライナは無関係だ」とした。
自由ロシア軍団は反体制派イリヤ・ポノマレフ氏率いるウクライナ拠点のロシア民兵組織で、プーチン政権打倒のためにロシア国内で活動しているという。ツイッターで、国境の町コジンカを「完全解放」し、前方部隊はさらに東のグライボロン地区中心部に到達したとしており、「前進している。ロシアは自由になる!」と投稿した。
グラトコフ知事は「テロ対応体制」を敷き、当局が人々の移動・通信を取り締まる権限を強化。深夜のテレグラム投稿で、ボリソフカとグライボロンの2つの町では別々の攻撃で家屋や行政庁舎が被害を受けたと明らかにした。
ロシアの軍事活動を監視するテレグラム・チャンネルによると、主要な町ベルゴロドでは内務省やFSBが入る建物が攻撃を受けた。グラトコフ氏は、ベルゴロドへの攻撃情報に触れていない。ロイターは独自に状況を確認することができなかった。
これに先立ち、ロシア治安当局と関連するテレグラム・チャンネル「バザ」は、ウクライナの装甲車がグライボロン国境検問所に侵入する様子を映したとされる空撮映像を公開した。
ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は、プーチン大統領はこの件について報告を受けたとし、「妨害者」を追い出す作業が進められていると述べた。RIAノーボスチ通信が報じた。
今回の侵入について、ロシア軍が完全制圧したとするウクライナ東部の要衝バフムトから注意をそらすことが目的だと指摘。「バフムトの喪失がウクライナ側に与える政治的影響を最小化しようとするこのような陽動作戦の目的をわれわれは完全に理解している」と述べた。【5月23日 Newsweek】
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独立系メディア「バザ」によると、22日夜の時点で少なくとも39人の破壊工作員が死亡し、5人が拘束されたということでのこと。【5月23日 テレ朝newsより】
ウクライナは直接は関与していなくても、反政府組織の行動には何らかの関与があるでしょう。
自由ロシア軍団などのロシア反政府組織については、以下のようにも。
****祖国と戦うロシア人義勇兵 プーチン氏打倒へ4千人 西部の攻撃に関与か****
ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州のグラトコフ知事は22日、ウクライナの「破壊工作グループ」が州内に侵入し、露軍や治安部隊による「反テロ作戦」が行われていると明らかにした。
ウクライナ側で露軍と交戦しているロシア人義勇兵の団体「自由ロシア軍」が、ベルゴロド州の一部地区を「解放した」と通信アプリで表明した。
ウクライナが大規模な反転攻勢を準備しているのと合わせ、ロシア人義勇兵の動向が注視されている。
(中略)「自由ロシア軍」はこれに先立つ22日朝、「自由を守るために武器を取った。クレムリンの独裁政治を終わらせるときが来た」と通信アプリに投稿していた。
「自由ロシア軍」などロシア人義勇兵の取りまとめ役とされているのが、キーウに住むロシアの元下院議員、イリヤ・ポノマリョフ氏(47)だ。産経新聞の取材に対し、ロシア人義勇兵は約4千人おり、前線で祖国ロシアと相まみえていると明らかにした。
ポノマリョフ氏によると、ロシア人義勇兵の部隊には約1千人を擁する「自由ロシア軍」のほか、「国民共和国軍」や「ロシア義勇軍」がある。
これら3団体は昨年8月末、キーウ近郊のイルピンで、ウクライナ軍と共闘するとの宣言に署名した。宣言では「ウクライナは勝たなければならない。プーチン政権を崩壊させる」とうたわれた。
ロシア人義勇兵らは、ウクライナ軍の外国人部隊の一部として各地の前線で戦ってきた。露軍による略奪や性犯罪といった戦争犯罪に嫌気がさした元露軍兵や、結婚などでもともとウクライナにいたロシア人が義憤にかられ、義勇兵になるケースが多いという。
ロシアのスパイでないと証明するため、ウクライナ軍への入隊時には厳格な身辺調査がある。入隊を支援するポノマリョフ氏は「ロシア人の信頼度は低いが、前線ではウクライナ国旗をつけて戦う。正規軍との連携に問題はない」と話す。
義勇兵らを結びつけているのは「プーチン政権の打倒」だ。「自由ロシア軍」の「シーザー」と名乗る義勇兵は交流サイト(SNS)などで、「真のロシア人はこんな侵略戦争はしない」「ウクライナ解放後も生きていたら露政権を倒すために戦い続ける」と胸の内を語っている。
ポノマリョフ氏は、ウクライナが計画する反転攻勢について、「主目標は南部クリミア半島の奪還だ。半島に進軍すれば露政権は揺らぐ」と指摘。「ウクライナの勝利とロシアの自由のため、ロシア人部隊は全力で戦う。できれば今年中に終戦させたい」と語った。
22日のベルゴロド州での交戦について、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「状況を注視しているが、ウクライナとは関係がない」と政府の関与を否定した。【5月23日 産経】
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【あまり期待できないプーチン体制崩壊】
権力内部でポスト・プーチンを見据えて「私兵」を集め、反政府組織が攻撃を開始する・・・これでウクライナ軍の反転攻勢で戦況がロシアにとって悪化すれば、プーチン政権が揺らぐ・・・・とも期待されますが、おそらくそうは簡単に政権は崩壊しないでしょう。
****ロシア、次々と刑罰を重く 国家反逆罪は終身刑 国内引き締めか****
ロシア政府は、国家反逆罪やテロ罪の最高刑を引き上げるなど、矢継ぎ早に刑法を改正した。ウクライナで「特別軍事作戦」を続ける中、刑事罰の厳格化で国内の引き締めを図る狙いとみられる。
国際刑事裁判所(ICC)が3月にプーチン大統領に逮捕状を出したことに対しても、新条項でICCへ協力する動きの封じ込めを図っている。(後略)【5月23日 毎日】
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国民の不満を力で封じ込めることを厭わない強権支配体制の「本領」はここからです。
国民不満が力で封じ込められていれば、あとは外からの攻撃か、内部対立が崩壊要因となりますが、さすがに核大国ロシアに攻め入る国はありませんし、内部対立も今のところは各有力者はプーチン氏を「神輿」として担ぐことのメリットを重視しているようです。
仮にクリミア奪還といった事態になっても、プーチン政権はそう簡単には崩壊しない・・・と考えていますが、どうでしょうか。