安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ポリー・ポードウェル DON'T YOU KNOW I CARE?

2010-03-14 20:47:02 | ヴォーカル(L~R)

3月も半ばになり、平成21年度も残り少なくなってきました。これから送別会のシーズンですが、ここのところ、遠くに転勤する方からご挨拶をいただく機会が増えています。長野市内でも、国内ばかりでなく香港など外国に赴任する人も当たり前のようになりました。別れと出会いの季節の歌というと「蛍の光」あたりが定番ですが、僕の頭をよぎるのは、意味合いは少々異なりますが「Just in Time」です。

POLLY PODEWELL (ポリー・ポードウェル)
DON'T YOU KNOW I CARE? (AUDIOPHILE 1994年録音)

 Dontyouknowicare

「Just in time」は、1956年のミュージカル「Bells are ringing」中の歌で、今や器楽にも非常に多くとりあげられているスタンダード曲です。歌詞の大意は、「自分を見失ってどうしようもない時に、ちょうど君が現れて恋がやってきて、一人ぼっちの生活を変えてくれた」というもので、いいタイミングであなたと出会えた喜びを表現しています。

作詞はベティ・コムデンとアドフル・グリーン、作曲はジュール・スタインで、このコンビは「ピーター・パン」、「ベルが鳴っています」、「ジプシー」、「ド・レ・ミ」、「ファニー・ガール」などのミュージカルの名作を生み出しています。スタインの曲は、軽快で楽しく、かつ派手気味なところがあり、「紳士は金髪がお好き」も彼の作品だといえば雰囲気が伝わるかもしれません。

「Just in Time」は、F・シナトラ、M・トーメをはじめ多くの歌手がとりあげていますが、今日聴いているのは、女性歌手のポリー・ポードウェルのものです。彼女は、ベニー・グッドマンに見出されただけあって、昔のバンド・シンガーのムードを持った歌手です。曲を素直に歌い、声の魅力で聴かせます。

この作品(CD)は、一言でいうと癒し系の作品です。ピアノトリオで曲によりテナーサックスが入る伴奏により、スタンダード曲が穏やか丁寧に歌われます。「Just in Time」、同じくJ・スタインの「Never Never Land」(ミュージカル「ピーター・パン」から)、C・ポーター作の「After You」、「So in Love」など、ポードウェルのささやくような高音部分にうっとりです。