安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

サラ・ヴォーン SASSY SWINGS THE TIVOLI

2010-04-11 20:32:53 | ヴォーカル(S~Z他)

いささか旧聞に属しますが、作家のロバート・B・パーカーが今年の1月18日に亡くなりました。彼はハードボイルド作家として、私立探偵スペンサーが主人公のシリーズなどで知られています。また、作品には、ジャズのスタンダード・ナンバーがよく登場します。僕は、パーカーの小説は何作も読んでいますが、今日、本棚の片隅に彼の本を見つけたので、ブログに取り上げました。今夜は彼を偲び、彼が大好きだというサラ・ヴォーンの歌声を聴きます。

SARAH VAUGHAN (サラ・ヴォーン)
SASSY SWINGS THE TIVOLI (Mercury 1963年録音)

 Sassy_swings_the_tivoli

ロバート・B・パーカーは、インタヴューに応えて、サラ・ヴォーン、ジョニー・ハートマン、キャロル・スローンを好きな歌手として挙げています。とりわけサラ・ヴォーンは大好きだと語っています。C・スローンを聴こうかと迷ったのですが、彼が大好きだというサラにしてみました。

サラ・ヴォーンには、マーキュリーレーベルに「at The London House」、「at Mister Kelly's」という有名なライブ作品がありますが、デンマークはコペンハーゲンのティボリ劇場におけるこのライブも軽やかで楽しさに溢れる作品です。伴奏は、カーク・スチュアート(p)、チャールズ・ウィリアムス(b)、ジョージ・ヒューズ(ds)で、スチュアートがリズミカルな伴奏をつけています。

曲目(LP)は、「Won't You Come Home ,Bill Bailey」、「Misty」、「What Is This Thing Called Love」、「Lover Man」、「Sometimes I'm Happy」、「I Feel Pretty」、「Tenderly」、「Sassy's Blues」、「Polka Dots And Moonbeams」、「I Cried For You」の12曲ですが、「Sassy's Blues」はクインシー・ジョーンズが彼女のために作った曲で、スキャットで演じられます。

乗りのよさが彼女の特徴の一つですが、最初の「Won't You Come Home, Bill Bailey」からのりのりで、続く「Misty」では、ピアノのスチュワートも途中で歌い出します。バラードの「Tenderly」、急速調の「I Cried For You」など充実ぶりが窺われます。「I Feel Pretty」のワルツタイム部分の可愛らしい歌いぶりが意外性もあり魅力的。

【特別解説付きLP ハードボイルド】

 Hardboiledlpomote  Swingngdickhardboiled  Robertbparkerinterview 

CBSソニーレコードから、「ハードボイルド」というLPが出され、チャンドラー、ハメット、パーカー、ハミルらハードボイルド作家が作品に用いたジャズ曲が収録されています。12曲収録のオムニバスですが、「I Left My Heart In San Francisco」(トニー・ベネット歌)をはじめとした名曲がどの作品に登場したかという解説がついています。付属のブックレット「Swingin' Dick」と「ロバート・B・パーカー緊急インタヴュー」が興味深いです。

【本棚にあったロバート・B・パーカーの本】

 Thejudasgoatparker   Earyautumnrobertparker_2