安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

イリノイ・ジャケー SWING'S THE THING

2010-04-04 20:06:13 | テナー・サックス

先日、朝食時に窓から小さな我が家の庭を眺めていたら、知らぬ間に春がやってきていました。ヒュウガミズキの花が咲き、薄い黄色い小さな花が、低い枝に密集してついています。一つ一つは小さいですが、まとまると鮮やかです。今夜は黄色地のジャケットのアルバムを取り出しました。

ILLINOIS JACQUET (イリノイ・ジャケー)
SWING'S THE THING (Verve 1957年録音)

 Swings_the_thing

黄色のジャケットというと、ホレス・シルバーの「HORACE-SCOPE」、ドリス・デイの「Young Man With A Horn」などいろいろ浮かびますが、今夜は「ハーレム・ノクターン」が収録されているイリノイ・ジャケー(ts)の作品にしてみました。

ジャケーは、スイング時代から活躍した、本来はブロー派のテナー・サックス奏者ですが、バラードなども味わい深く、スイング系統の奏者の中でも、忘れられない一人です。後年プレスティッジに吹きこんだ「Bottoms Up」もよくスイングしていてよいアルバムだったと記憶しています。

本作品は、ジャケー(ts)、ロイ・エルドリッジ(tp)、ジミー・ジョーンズ(p)、レイ・ブラウン(b)、ハーブ・エリス(g)、ジョー・ジョーンズ(ds)によるヴァーヴ・レーベルお得意のブローイングセッション。「Harlem Nocturne」、「Can't We Be Friends」、「Have You Met Miss Jones?」、「Lullaby of The Leaves」のスタンダード4曲に、ロイ作「Las Vegas Blues」、ジャケー作「Achtung」と全6曲です。

バラード「Harlem Nocturne」がなんといっても注目されます。ジャズ作品として取り上げられるのは珍しいですが、ジャケーは豪快かつ悠々と吹いて名人芸を披露しています。音色が深いです。ミディアム・テンポの「Have You Met Miss Jones?」でもジャケーは旋律を大事に吹いています。全体にロイ・エルドリッジ(tp)も含めご機嫌にスイングし、時としてエキサイティング。

【庭のヒュウガミズキ】 

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