長野県の南部(南信州)の特産品である「市田柿」を、職場の同僚(実家が柿生産農家)からいただきました。「市田柿」は、下伊那郡高森町市田地区が発祥の地といわれている柿で、果肉が柔らかくて、糖度が高く干し柿に適しているそうです。そして、ビタミン、ポリフェノールを含んでいて健康にもいい食品だそうです。僕は甘いものには目がなく、白い粉をまとった「市田柿」は大好物で、ストーブにあたりながら、緑茶と一緒に美味しくいただきました。暖かい音色のテナー・サックスです。
IKE QUEBEC (アイク・ケベック)
BOSSA NOVA, SOUL SAMBA (BLUE NOTE 1962年録音)
アイク・ケベックは、スイング時代から活躍しているテナーサックス奏者ですが、1950年代は麻薬のためほとんど活動ができず、リーダー作としては、この作品を最後に44歳の若さで亡くなりました。ここでは、もしかしたら健康上の理由でハードな吹奏は出来なかったのかもしれませんが、ソフトに吹いていて、本来の木管楽器らしい音を出しています。
ピアノレスで、テナーとギターの編成ですが、かえってそれぞれの曲に相応しいアンサンブル、ムードをつくりだしています。メンバーは、アイク・ケベック(ts)、ケニー・バレル(g)、ウェンデル・マーシャル(b)、ウィリー・ボボ(ds)、Garvin Masseaux(chekere)。chekere(チェケレ)は、一般的に知られていませんが、打楽器の範疇に入れていいのでしょうか。実物は見たことがなくよくわかりませんが、写真から大型のマラカスのようなものと想像しています。
曲は、バレル作「Loie」(ロイエ)、ケベック作「Me'n you」と「Blue Samba」、クラシックのアダプトで「Goin' home」(ドヴォルザーク 家路)と「Liebestraum」(リスト 愛の夢)、そして、「Lloro tu despedida」、「Shu shu」、「Favela」、「Linda flor」と全9曲。クラシックの2曲は、ケベックが編曲をしています。ボサノヴァ集というタイトルなので、クラシックを編曲して収録しているのが意外でした。
どの曲も、ミディアム・テンポくらいで、ケベック(ts)の優しい音色で、ゆったりと音楽が進行して、心地よさに加え、哀愁味が感じられます。バレル(g)が、曲の提供、ソロ、バッキングと活躍していて、この二人はいいコンビになっています。どれも一聴に値しますが、メロディが訴えかけてくる抜群の名曲「Loie」(ロイエ)、打楽器によるアクセントが面白く、バレルのソロも入る「Lloro tu despedida」、バックのリズムも軽快な「Favela」、リスト作曲の「Liebestraum」(愛の夢)などと、癒されます。
【いただいた市田柿】
やはりプロが作る市田柿は違います。適度な柔らさで、抜群の美味しさでした。