大型CD店のHMVから突然メールがきて、半年以上前に注文したCDが配送されてきました。歌手自身のプロダクションからの発売なので入手をあきらめて注文したことさえ忘れていたくらいなのに、よく入ってきたものです。Karen Egert(カレン・エガート)については、昨年「That Thing Called Love」が国内盤で発売されたのでご存じの方もいると思います。私には珍しく新しめのものですが、さっそく聴いてみます。
KAREN EGERT (カレン・エガート)
LET'S GET LOST (Karen Egert Productions 2003年録音)
女性ヴォーカルのCDは続々と発売されていますが、復刻盤はともかく、新しいものはめったに購入しない状態が続いています。このアルバムは、昨年たまたま出張の際にHMV渋谷の店頭で「That Thing Called Love」を聴いて気にいったので、その延長上で注文を出しておいたものです。田舎では、新作について信頼できる情報が入手できないので、なおさら50~60年代のものに目がいってしまいます。
ライナーを読むと、「カレン・エガートは、1940年代に大人になるべきだったといつも考えていた。といのは、その時代の音楽と作曲家たち(ガーシュイン、カーマイケル、ポーター、エリントン)が彼女をもっとも魅了し、またそこから得るものが多いからだ」と書かれています。選曲もこのことを反映しています。
「You'd be So Nice to Come Home to」、「Let's Get Lost」、「Everytime We Say Goodbye」、「I'm Checking Out Goom-Bye」、「Too Close for Comfort」、「Just One of Those Things」、「If You Could See Me Now」、「DayDream」など12曲のスタンダード曲に、カレン自身の2曲「Wait Until I'm Through With You」と「Please Go Away」が入り全14曲です。
彼女の声はくせのない滑らかなもので、フェイクも交えてジャジーに、また優雅に歌っています。バックはピアノ・トリオに、曲によりフルート、サックスが加わります。ゆっくりしたものでは、「Let's Get Lost」、「Everytime We Say Goodbye」が、早いものでは「Too Close For Comfort」が印象に残ります。こじんまりとしたジャズ・クラブで聴いてみたい歌手です。