私に落ち度はなかった。
伸びすぎた木の枝を剪定鋏で切りそろえていた。
遠くからハチが飛んできたのが見えた。
みるみる大きくなり私の顔に止まり、すぐに飛び去った。
顔に痛みが走った。
もう一度そのハチが戻ってきたので反射的にハサミを振った。
ハチに当たった感触があった。
しかしその姿は見えない。
顔に注射された感覚があり隣で草取りをしていた妻に
「やられた」と言った。
妻は私がハサミで自分のどこかを切ったか何かしたと思い「やっちゃった」と聞こえたという。
急いで室内に入り鏡を見た。
鼻筋から少しズレたところにプチンと赤い点がある。
そこを中心に少し腫れているようだ。
発泡性の液体を注入されたかのように、そこが重苦しく痛い。
「毒を出す」
瞬間的に考えて指先で強くつまんだ。
すごく痛かったが血液が混じった透明の液が少し出た。
幾分楽になった気がしたので妻に頼んだ。
「ここを思い切り絞り出して」
妻は遠慮なく2度強く絞った。
2度目は激しく痛んで体全体が一瞬硬直した。
だが同時に軽くなった気がした。
もう痛みは、かなり減った。
保冷剤で鼻の周りを冷やした。
30分もすると全く痛みは取れて作業の再開ができた。
先ほどの現場に行ってみるとキイロスズメバチが何度も何度も巡回してくる。
私を襲った奴は、もっと黒っぽい色をしていたと記憶しているが飛び方が、このキイロスズメバチに似ている。
切り取った枝を捨てに行くとき先日見た光景がまた繰り広げられていた。
キイロスズメバチをシオヤアブが捉えていたのだ。
今度も接近して写真を撮っても動く気配はない。
また別のところではアリがキイロスズメバチを巣に持ち帰ろうとしていた。
「これはひょっとしたら私を刺したキイロスズメバチかもしれない」と感じた。
私のハサミと接触して落ちたところをアリにやられた。
不意をつかれた私だが自然は、そうしたものだ。
自分が被害を受けて、いつもの私の行動が正当化された気がする。
伸びすぎた木の枝を剪定鋏で切りそろえていた。
遠くからハチが飛んできたのが見えた。
みるみる大きくなり私の顔に止まり、すぐに飛び去った。
顔に痛みが走った。
もう一度そのハチが戻ってきたので反射的にハサミを振った。
ハチに当たった感触があった。
しかしその姿は見えない。
顔に注射された感覚があり隣で草取りをしていた妻に
「やられた」と言った。
妻は私がハサミで自分のどこかを切ったか何かしたと思い「やっちゃった」と聞こえたという。
急いで室内に入り鏡を見た。
鼻筋から少しズレたところにプチンと赤い点がある。
そこを中心に少し腫れているようだ。
発泡性の液体を注入されたかのように、そこが重苦しく痛い。
「毒を出す」
瞬間的に考えて指先で強くつまんだ。
すごく痛かったが血液が混じった透明の液が少し出た。
幾分楽になった気がしたので妻に頼んだ。
「ここを思い切り絞り出して」
妻は遠慮なく2度強く絞った。
2度目は激しく痛んで体全体が一瞬硬直した。
だが同時に軽くなった気がした。
もう痛みは、かなり減った。
保冷剤で鼻の周りを冷やした。
30分もすると全く痛みは取れて作業の再開ができた。
先ほどの現場に行ってみるとキイロスズメバチが何度も何度も巡回してくる。
私を襲った奴は、もっと黒っぽい色をしていたと記憶しているが飛び方が、このキイロスズメバチに似ている。
切り取った枝を捨てに行くとき先日見た光景がまた繰り広げられていた。
キイロスズメバチをシオヤアブが捉えていたのだ。
今度も接近して写真を撮っても動く気配はない。
また別のところではアリがキイロスズメバチを巣に持ち帰ろうとしていた。
「これはひょっとしたら私を刺したキイロスズメバチかもしれない」と感じた。
私のハサミと接触して落ちたところをアリにやられた。
不意をつかれた私だが自然は、そうしたものだ。
自分が被害を受けて、いつもの私の行動が正当化された気がする。