団塊の世代のつぶやき

誇れる日本を取り戻そう

自転車道

2007年11月29日 | 自転車・公共交通

  

自転車通勤を始めて始めて気がつく事が多いですが、意外と自転車に乗っている人が多いのです。しかし、その多くは学生さんに主婦、そして私を含め(含めたくはないですが)老人です。
  残念ながら老人の自転車は周りの状況に関係なくわが道を行く状態で見ていて交通事故が起きないのは偶然でしかないと言っても過言ではない様相です。
  それだけに自転車が安心して走れる自転車道の整備が必要と痛感します。香川県でも高松はそういう取り組みは意外と早いようです。

 25日、読売新聞香川版より

  安全通行へ分離実験

 国土交通省四国地方整備局や県警などは、高松市の歩道2か所で、自転車と歩行者の通行レーンを分ける実験をしている。・・・中略

  実験区間は、高松高裁前と中央公園を東西に走る復員4メートルの歩道各200メートル。中央にプラスチック製の分離柵(高さ、長さとも0.7メートル)を5メートル間隔で計70個設置し、車寄りの2メートルを自転車レーン、もう一方を歩行者専用にして行う。・・・中略

  県内の自転車保有台数は63万台で、3人に2人が持っている割合と推定され、人口1万人あたりの推定保有台数は全国6位。・・・中略

  県内の自転車事故件数は2285件(2006年度)で、全国ワースト1位となっている。・・・以下略

  なるほど、ワースト1位ですか。まぁ、あの老人の自転車の運転と道路状況を見るとさもありなんと納得するものがあります。兎に角、一日も早く自転車道の整備をお願いしたいものです。
  余談ですが、この記事の東西に走るは南北の間違いのように思います。

  同じこの実験でも感じ方もいろいろあるようです。

  四国新聞コラム「一日一言」より

  11月26日付・袖振り合うも多生の縁

 「さぬき映画祭」が行われていたこの1週間ほど、会場であるかがわ国際会議場や県民ホールによく通った。

 そこへ向かう中央通りの途中、2カ所にわたって歩道が柵で区切られている。自転車用と歩行者用。両者のスムーズな通行と安全を図るための社会実験らしいが、通るたびに覚えた違和感が、映画祭に出演した大林宣彦監督の話を聞いて氷解した。

 尾道を舞台にした名作「転校生」から25年。信州で再び同じ作品を撮った監督が披露したのは、路地裏の文化について。「袖振り合うも多生の縁」、すれ違う人へのささやかな思いやりが、狭い空間を気持ちのよい場所にすることを含蓄ある言葉で語った。

 狭い路地がメーンの通行路だった江戸の人々の間には、道を行く時の暗黙のしぐさがあったという。人とすれ違う時、互いに肩を引き合う「肩引き」、雨の日に、相手に雨粒がかからないように傘を傾け合う「傘かしげ」。広い往来でも7割は天下の公道と了解し、端の3割を歩いた。

 「江戸しぐさ」と呼ばれるこれらの動作、極めつけに「うかつ謝り」というのがある。例えば不注意で人にぶつかってしまった時、ぶつかった方が謝るのはもちろんだが、ぶつかられた方も「こちらもうかつなことで」と謝る。お互い謝ることで、その場をやわらかに収めるのだ。

 歩行者の近くでは自転車のスピードを落とす。歩道を大人数で広がって歩かない。方向を変える時は周囲を確認してから。子供のころ確かに教えられた。マナーや思いやりの代わりに金と手間をかける時代。あの柵は現代の情けなさをさらしているように思えて仕方ない。 

  この気持ちは第2866回第2907回で江戸しぐさを取り上げた私も分からなくはないですが、今更日本人の精神の復活を善意の気持ちで待っていたらそれまでにどれだけの犠牲者が出るか分からないことになりそうです。ここは、やはり、システムとしてマナーの悪さを押さえ込む方式を採用することは仕方ないのじゃないでしょうか。
  きちんとした交通体系にきちんとした精神が加われば鬼に金棒です。まずは、形から入る事も必要なのではないでしょうか。

まずは整備から!