中国の景気が、どんどん悪くなっているようです。と言うか、当たり前のことですが、この数字だって、出鱈目なんでしょうね。
これだけ崩壊が近いにもかかわらず、1 日、第5965回の「習近平主席の『バラマキ外交』に批判」でも取り上げたように、世界中に実際に実行できるかどうかも分からないバラマキをやっていますが、やはり、そのボロも出てきているようです。
まずは、景気の問題です。
産経ニュースより 2016.2.1
中国製造業の景況指数さらに悪化、1月は3年5カ月ぶり低水準 「中所得国のわな」で岐路
【上海=河崎真澄】中国国家統計局が1日発表した製造業の景況感を示す購買担当者指数(PMI)は1月に49.4と、昨年12月より0.3ポイント悪化した。好不況を判断する節目の50を6カ月連続で下回って2012年8月以来、3年5カ月ぶりの低さとなった。
製品技術の模倣や人海戦術の生産が限界に達し、産業のイノベーション(革新的な技術開発)面の弱さから、製造業が市場競争力を失いつつあることを示 す。製造業の弱体化は雇用吸収力と輸出の低迷に直結し、先進国入りに必要なイノベーションを起こし続けることが、一段と難しくなる。
PMI構成指数のうち輸出も含む受注が前月よりも0.7ポイント低い49.5と50を割り込んで、先行きの不透明さを浮き彫りにした。
国家統計局は「一部企業が在庫を減らすために生産を落としている。世界の経済成長の鈍化で輸出入も影響を受けた」と釈明した。
1月は製造業にとどまらず、習近平指導部が製造業に続く新たな成長エンジンと期待しているサービス業でも陰りが見え始めた。同時に発表された非製造業PMIは53.5と50を上回ったものの前月から0.9ポイント悪化し懸念が強まった。
また、週明け1日の中国株式市場は、PMIが市場予想よりも低かったことを嫌気して反落し、上海総合指数は前週末終値に比べ1.78%安い2688.85でこの日の取引を終えた。
中国政府は、経済成長段階で先進国入りを果たす前に中長期的な停滞を招く「中所得国のわな」を警戒し、25年までに日独に並ぶ“製造強国”を目指す 「中国製造2025」計画を掲げてイノベーションを重視し始めた。3月に北京で開かれる全国人民代表大会(全人代=国会)で採択する今後5年間の経済政策 で、「わな回避策」が具体的に示されるのか注目を集めそうだ。
バラマキの方は、1月 6日 (水)、第5939回の「中国受注のインフラ、延期やトラブル後を絶たず」などで取り上げた、あの日本からかっさらって行ったインドネシアの高速鉄道が、いよいよ危なそうです。と言うか、絶対に完成することは無いでしょうね。
産経ニュースより 2016.1.30
書類ずさん過ぎ…中国受注のジャカルタ高速鉄道、工事“出発進行”できず 中国語のまま「評価できぬ」
【シンガポール=吉村英輝】インドネシア・ジャワ島の高速鉄道整備工事が、監督官庁の許認可が下りず、足踏みを続けている。中国が日本との受注合戦に競り勝ち、21日に着工式典が開かれたが、提出書類が中国語で担当官が理解できないなど準備不足が露呈。事業契約もまだ調印できず、工事の“出発”にすらこぎ着けられない状況だ。
■空軍基地の敷地に駅を予定
整備計画では、首都ジャカルタと西ジャワ州バンドンの約140キロを結び、2019年前半の開業を目指す。事業費約は55億ドル(約6420億円)で、インドネシア政府は負担や保証はしない。事業権期間は50年で、終了後は政府に引き渡される。
着工式典で、インドネシアのジョコ大統領は「インドネシア、中国の両国政府が協力して着工に至った」と胸を張った。だが、式典を欠席したジョナン運輸相は26日、議会公聴会の質疑で、「評価が終わっていない」として、建設許可はまだ出していないとした。
運輸省幹部は、地元英字紙ジャカルタ・ポストに、「5キロ区間の式典向け使用だけ許可した」と説明。必要書類が未提出なうえ、提出された書類も多くは インドネシア語や英語ではなく中国語で記載されており、「評価のしようがない」とし、事業契約も調印できない状況を明かした。
中国側の計画では、4駅が整備されることになっているが、うち1駅はジャカルタ東部にあるハリム空軍基地の敷地を予定。このため、一部政治家から、「首都防衛のための不可欠な施設だ」と、計画見直しを求める声もあがっている。
■「反対を力で排除、慣れてしまっている」
東南アジア研究所(シンガポール)の趙洪氏は、28日の英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)に、中国の国有企業は母国で、反対や障害を力で排除する ことに慣れてしまっていると指摘。インドネシアのような民主主義下では違った対応が必要だとして「地域社会をもっと深く理解する必要がある」としている。
インドネシアの高速鉄道計画をめぐっては、日本が受注を前提に地質調査などを長年進めてきたが、昨年3月、中国が参入を発表。インドネシアは同9月、 費用が安い「中速度」の鉄道にプランを変更し、日中両案を不採用としたが、その後、事業費を丸抱えする中国の新提案の採用を決定。日本は選考過程の不透明 さをインドネシアに抗議するなど波紋を呼んだ。
日経がフィナンシャルタイムの記事を取り上げています。
日本経済新聞より 2016/1/29
[FT]中国、インドネシア高速鉄道の認可遅延に直面
総工費約55億ドルの中国によるインドネシア高速鉄道計画が起工式のあと中断したまま1週間が過ぎ、中国企業が新興国市場で直面する問題が浮き彫りになっている。
10月にインドネシア初の高速鉄道の建設契約を日本との激しい競争の末に勝ち取り、中国政府は大成功を収めたと思っていた。
ジャカルタ-バンドン間の鉄道は中国にとって東南アジアで初めての高速鉄道計画で、中国企業が複雑な民主主義の下で事業を行う能力が試されるとみられ ている。中国の高速鉄道を採用することの利点を精査しているインド、マレーシア、シンガポールなどの国々がそれを注視する。
インドネシアの運輸省によると、建設を請け負う中国とインドネシアのコンソーシアムが必要な書類を提出していないため、同省はまだ建設許可や事業権契約に署名していないという。
当局者の一人は、一部の書類が中国語で書かれているため手続きがなかなか進められないと現地メディアに語った。
高速鉄道への反対を表明しているインドネシアの運輸相は、ジャカルタのモノレール計画のように途中で中止された場合の景観復元を保証してほしいと述べた。
事業主体となる合弁会社のトップは、起工式は式典にすぎず、適正な許可書が発行されるまで建設は始まらないだろうと語った。
■許可手続き、なかなか進まず
許可書の問題は外国人投資家が繰り返し口にする不満の一つだ。世界銀行によるビジネス環境のランキングで、インドネシアは官僚主義で知られる中国の84位より低い109位。
アナリストらは、今回の問題は、インドネシアで最大級のインフラ計画を2018年までに完了しようと急ぐ中国が直面するだろう数々の問題を味見した程度にすぎないという。
土地の買収、環境問題、政争などのために、多くの計画が何年も中断したり、撤回されたりしている。
中国と東南アジアの関係に詳しいシンガポールの東南アジア研究所の趙洪氏は、中国の国有企業は自国では反対意見を強引に押しのけて進んできたが、民主主義下では異なるアプローチが必要だと指摘した。
「中国の国有企業は非常に簡単に政府の承認を得られるが、他国ではその社会をもっと正確に理解する必要がある。特にインドネシアの政治は極めて複雑だ」と同氏は言う。
国営の中国国家開発銀行はインドネシア鉄道計画で資金の4分の3を有利な条件で供給し、インドネシア政府の保証も求めない。
ジャカルタ在住の政治アナリスト、ポール・ローランド氏は言う。「この計画を2年ほどで終えられると思うのは、もともときわめて希望的な観測だった」
誰もが、無理だろうと思っていたことが、早くも明らかになってきましたね。インドネシアも大変な問題を抱え込むことになるでしょうが、金を払う必要が無いので、何の痛みも感じないのでしょうか。
と思ってたら、国家財政を使わないことの承諾を求めているそうです。インドネシアも相当ですね。
産経ニュースより 2016.2.3
【ジャワ高速鉄道】 中国の合弁会社側に「改善なければ認可せず」耐震強化を要求 インドネシア政府
インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画の建設認可を審査している同国運輸省は3日、建設を担う中国とインドネシアの合弁会社に対し、地震対策を強化し、鉄道の耐用年数を延ばすなどの改善を求めたと発表した。
運輸省は改善しない限り認可を出さない方針で、認可がいつ出るか見通せない状況。「準備不足で計画が失敗するリスクは高いように見える」(有力紙)との指摘もあり、計画の先行きに不透明感が漂ってきた。
運輸省幹部は、予定路線は地震が起きやすい地域を通るとして、「地質調査をすべきで、地震の早期警戒システムの設置も必要」と強調。耐用年数につい て、60年間とした会社側に対し、運輸省は100年間にするよう求めた。一部駅の移転も要請しており、事業費が膨らむ可能性がある。
計画が頓挫した場合、国家財政による救済はないことへの承諾も求めたという。(共同)
さて、どうなるでしょうね。どちらが泣くのか、それとも、又、日本が利用されるのか。
何と、中国はマレーシアでも高速鉄道を取るためにとんでもないことをやっているようです。去年の暮の記事ですが、これは、見逃していました。
産経ニュースより 2015.12.12
中国「恩を売る」戦略か…巨額負債のマレーシア火力、高値で買い取り 高速鉄道・南シナ海で“貸し”
マレーシアのナジブ首相が設立した政府系ファンド「1MDB」が、火力発電部門を中国の国有原子力発電大手、中国広核集団に98億 3000万リンギット(約2800億円)で売却することが決まった。「市場価格より割高」(アナリスト)との指摘もあり、1MDBの巨額負債に悩むナジブ 氏に、中国が助け舟を出した形だ。
一方、クアラルンプール-シンガポール間の高速鉄道計画には日本のほか中国も名乗りを上げており、来年にも入札される見通し。マレーシアは南シナ海での領有権を主張する国でもある。ナジブ氏は中国に「大きな借り」(日本政府関係者)ができたといえる。
売却は11月23日に発表。その直前に行われたナジブ氏と李克強・中国首相の首脳会談で最終合意に達したとみられる。中国側は1MDBの火力発電部門 の負債も引き取る。ナジブ氏は今月10日の演説で、1MDB全体の負債420億リンギットのうち「170億リンギットを減らした」と述べ、経営健全化に自 信を示した。(共同)
何と、タイでもやっているようです。どうして、こんな中国に任せるのでしょうか。幾らなんでも、今後は難しくなるのじゃないでしょうか。
それにしても、東南アジアの為政者は金に弱いですね。やはり、日本のように民度の高い国は、世界の奇跡なのかもしれません。何と言っても、たった100万円で、大臣が辞任する国ですから。
やはり、日本は、世界との付き合いと国内との対応は常に全く違うことを考える必要があります。その平和ボケの典型が反日売国外務省ですね。