追い詰められていたChinaがサウジとの通貨スワップを締結したそうです。これがChinaの復活につながらないことを願いたいものです。
宮崎さんが取り上げてくれています。何だか嫌な雰囲気です。こんなことでChinaが窮地を脱するとは思いたくないが、金の亡者達が援助に調子づくのじゃないかと心配になります。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和五年(2023)11月21日(火曜日)弐 通巻第8015号
半世紀続いたペトロダラー体制に黄昏か
サウジ、中国と通貨スワップを締結。米国は為す術もなく
戦後世界経済史は書き換えられることになる。
米国がもっとも懼れたペトロダラー体制に明確な亀裂が入った。
11月20日、サウジアラビア中央銀行(SAMA)は、中国の人民元と「通貨スワップ」締結を発表した。中国は既に30ヶ国と通貨スワップを締結しているが、中東産油国最大のサウジアラビアとは初めてである
スワップの規模は小さく、実験段階の印象はぬぐえないが、500億人民元(1兆円)の枠内で交易決済に使用され、とりあえず三年間有効とし、三年後にお互いが有効性を認めれば、更新・枠の拡大もなされる。
サウジアラビアにとっては中国への石油輸出が最大であり、また中国に大規模な精製基地の建設に同視している。中国からサウジへの輸出品は電気、工業製品、雑貨をさしおいて武器である。
米国は1971年に金兌換制度から離脱し、ドルは変動相場に突入した。
1974年にキッシンジャーとサウジ国王の密約がなって、石油取引はドル建てとなった。これで米ドルの地位は守られてきたが、EU諸国は米ドルに対抗して、「ユーロ」の共通通貨創設で対抗してきた。
だがユーロ建ての商品取引(石油、金、鉱物支援、穀物など)はなく、欧州で独自通貨を維持しているのは英国、北欧諸国とハンガリー、チェコ、ポーランドである。
人民元のドル基軸体制への挑戦が本格化した一方でアルゼンチンのように自国通貨を米ドルに切り替える政策を発表した国もある。
これでChinaが生き返るとは思いたくないが、調子づかせること無く今の内に叩き潰さないと大変なことになりそうです。それだけは許してはならない。