午前中、娘の追加カットを撮影。脚に絡まる3匹の蛇の場面である。今回、説明はあるが実現していないイメージカットが2カットある。一つは河童の三郎が人間への仇討ちのため、滞在中の旅館に大魚イシナギの死骸を放り込んでほしい、と姫神に願いでるが、人手不足だと断わられる。結局実現しなかった座敷にイシナギが放り込まれているシーン。もう一つが娘に絡まる蛇である。脚に絡まり、どこへでも連れて行ってしまう能力があるらしい赤背黄腹の蛇だが、これもそういう蛇だ、というだけで、能力を発揮せずに終るが、サービスカットということで。 夕方、今度は大事にしている長靴に河童に穴を開けられてしまう旅館の番頭である。番頭役のTさんには、K本に飲みに来るついでに、というつもりでいたが、本日K本は休みなのに気付かず、わざわざ来てもらってしまった。 本来客のステッキで三郎の腕を折るのはこの番頭であるが、呪いをかけた河童の唾で長靴に開けられ、これが三郎にいわせると『奴に取っては、リョウマチを煩らうより、きとこたえる。仕返しは沢山でしゅ。』。当時長靴はそれほど貴重であったということであろう。撮影はマンションの入り口で撮影した。ちょうど旅館の玄関と同じような光線具合だったからだが、Tさんには半纏を着てもらい、穴が開いた長靴を手に困ったような顔をしてもらった。Tさんにとっては、マンションの住人がウロチョロする中、この撮影自体が困った状況であったか、河童に長靴に穴を開けられたとしか思えない表情が撮れた。
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