明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



旅館の玄関前に車を駐車させた。しかし背景の玄関と角度が合わない。車を三等分に切断し、鼻面をいくらかこちらに向けた。イメージに近づけるため、水平線だろうと地平線だろうと歪ませてきた。人の作った車などどうということはない。  旅館の玄関には看板である。今まで『目羅眼科』『三人書房』だの劇中の看板を作ったが、歌舞伎役者や軍人の書など集めたせいで、どうしても手書きの書を使いたい。そこで7月頃だったか、初個展のDMに書いてもらった岡山のNさんに依頼したことは書いた。ノンビリした人ではあったが『桂井館』の三文字である。いくらなんでも書きあがっていても良いだろう。電話してみると、実は書に関してはお袋の方が上手いので、頼もうと思ったら急病になり一時危篤状態になってしまったという。驚いていると、人工肛門になったが、いまは草むしりしてるほど元気なので改めて聞いてみるという。私は陶芸家を目指していた頃の友人であるNさんに書いてもらうのが面白い、と思ったのだが。 お袋さんはかつて大学で事務をやっていたが、証書の文字も担当し、看板などの揮毫も依頼され、石碑の下書きなど書くような人なんだそうある。それにNさんはむしろお袋さんにやらせたがっている感じである。勿体ないような気がするが、上手な嘘をつくには、本当のことを混ぜるのがコツである。有り難く待つことにした。
雨の日の河童撮影にそなえる。赤沼の三郎は生臭くてベトベトしている。ただ水に濡らしただけでは粘液感がでないであろう。そこでネットで検索して長時間にわたり乾きにくい、という一瓶を注文した。“アナラーにも最適!”なんだそうである。 

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