油井昌由樹さん来廊。高校一年の時、まだどこにも売っていなかったバンダナを、油井さん経営の『スポーツトレイン』に買いにいった。金属探知機で遊んでいると「UFOの写真見せてやるよ」。コールマンの部品を放り投げた写真であったが。後に油井さんは大学出て間がない頃と聞いた。その10年ほど後だろうか。油井さんが司会の美術番組に出ることになり、その時の話をしようとしたら直前に、黒澤明『影武者』のオーディションに受かって徳川家康になってしまった。再会したのはさらにずっと後である。 司会を代わったのは榎本了壱さんであったが、その番組のおかげで『ブルータス』のジャズ特集の表紙に使われ、撮影していただいたのが長濱治さんである。当時写真に対して撮影者は誰?と気にしたこともなく、愛蔵する写真集『地獄の天使たち ヘルズエンジェルス』を撮った方とは露知らず。それがオイルプリントの個展に来ていただくことに。嬉しい言葉もいただいたが減ってしまうので書かない。 写真という“まことを写す”という用語を蛇蝎の如く嫌い、画面からまことを排除することに努める私は、人形を作りデジタル処理。場合によってはさらにオイルプリントへ。虚構に虚構を重ね、一周して私なりのまことになれば。と考えている。今後この傾向はエスカレートするであろう。“及ばざるくらいなら過ぎたるほうがマシ”これは当ブログタイトルの第2候補であった。
没後50年『谷崎潤一郎展』谷崎像出品
神奈川近代文学館 4月4日~5月24日
オイルプリント制作法
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