明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ここ十年弱、陰翳を排した手法の制作中は、実物の空や水の輝きなどとずっと無縁であったので、大げさにいうとパラレルワールドから久しぶりに帰ってきた感がある。帰ったといっても設定は鎌倉時代だが。蘭渓道隆の背景は雲に劇的な表情がある青空にしたい。私の場合、全てが主役の表情のためにあるので、モノクロ時代は定かではないが、逆光で沈む夕日を使った記憶がない。尖った岩山に立たせることを考えると、つい強風に法衣をなびかせたくなるが、荒天の中、帆柱の先端に立ち法力を発揮する半僧坊と違って、蘭渓道隆の強く落ち着いた内面を強調するため、背景の雲には表情があるが、それに対して法衣はピクリとも風の影響は与えないことにした。

半僧坊



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