明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



子供の頃百科事典ブームというものがあり、我が家にも小学館日本百科大事典が来て、小学校から中学にかけて全13巻を一往復は読んだろう。 その百科事典には子供心に?と思う点があった。シャンソンの項が妙に詳しい。ボディビルの項には、肉感に乏しく見える三島由紀夫の上半身が使われていた。別巻の美術が充実しており、シュルレアリズム絵画に子供心に郷愁に似たものを感じた。東洋美術の巻の仏教美術、特に彫像のリアルさに感銘を受けた。何故あれほど惹き込まれたのか、ずっと後年になって、その百科大事典を編纂したのが『虚無への供物』の中井英夫だと知って合点がいった。三島はボディビルのモデルを中井に打診され「あんな嬉しいことはなかった」そうである。三島の書斎の背後に見えるのがこの百科大事典かもしれない。いずれにしても、子供の私にはワンダランドの入り口であったのは間違いない。そしてここに来て鎌倉、室町時代の見覚えがある祖師像に世話になるとは。シナリオはあらかじめ体内に埋め込まれている。



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