明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



蝦蟇鉄拐図の蝦蟇仙人は、三本脚のガマガエルを伴っている。だからと言って蝦蟇仙人が、カエル面している必要はない、と気が付いた時には、頭部がほぼ完成していた。しかし色々見ていくと、寒山拾得もそうだが、この蝦蟇鉄拐図も、中国の顔輝作の影響が甚だしい。しかし昨日アップした黒人のミュージシャンのように、そもそも架空の人物を作るのが面白くて始めている。それがようやく原点に戻ったのだから、好き勝手にやってみた。ところで第二次大戦で失われたと思われていた長沢芦雪の蝦蟇鉄拐図が数年前に見つかったという。見ると蘆雪も頭に乗せたカエルに似た仙人を描いていた。クセが強い芦雪の作品は、好きなものとそうでもないものがあるが、「あんたもそうしたか?」親近感が湧く。氏素性、時代背景など相違はあるものの、何百年経とうと同じ穴のムジナ同士、腹の中は覗き合えるものである。そう思うと、ここ数年、友人知人よりも、鎌倉や室町時代の連中等と、より親しく交わっている気がする。私の場合、マジな話である。なにしろ連中とはマスク、アクリル板の隔たりがない。



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