明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



何故外側にレンズを向けず眉間に当てる念写が理想、と考えるようになったか。そのきっかけが昨日のBBキングの制作であった。最新のコンサートビデオ、写真を参考に制作したが、完成した頃、遊びに来た人に指摘された。資料のBBは髪が伸び、腹がせり出し歳もそれなりに取っているが、私が資料を元に作ったつもりのBBキングは髪は短く腹も出ておらず若い。私が熱中して聴いていた時代のBBキングなのであった。何より問題なのは、指摘されるまで気が付かなかった、ということである。もちろん指摘された瞬間に我にかえった?が。つまり目の前の視覚として見えている現実よりも頭の中に在るイメージが優ってしまう私の〝タチ”ともいうべきものを知った瞬間であった。    乱歩いうところの〝現世は夢夜の夢こそマコト”という性質である。 荒俣宏さんが書かれた物で好きな話がある。大航海時代、帆船に乗った白人が、ある島にたどり着く。ところが原住民のイメージの中に白人も、大きな帆船もない、なので彼等は島内の白人に気が付かない。  幼い頃、頭に浮かんだイメージはどこへ消えて行ってしまうのか?と思い悩んだが、私の創作行為とは、眉間にレンズを当て、消える前に記録し、やっぱり在ったと確認することである。

 



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