英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

夏期講習終盤

2005年08月07日 | 指導現場にて
昨日で夏期講習全日程の約70%が終了、今日は7月24日以来のOFF。久しぶりの休日に興奮し目が覚めてしまい、こんな夜中に久しぶりのブログ更改に勤しんでいます。

夏期講習は、1コマ60分授業を一日に7コマ、計12日間を全て個別指導で行うため、喋りっきり状態となる。おかげでプチ顎関節症状態になってしまった。話したり咀嚼を行う時に、脳みそで奇妙な音を感じる。これも立派な職業病?。労災認定してくれ~!

この夏休みで、着実に英語力を伸ばしている生徒とそうでない生徒の差が歴然と表れ始めている。未だ基本的な文法事項や英単熟語を終わらせていない生徒を見ると、「本当に受験生か」と疑ってしまう。それでいて平気で難関大学を志望しているのだから、困ったもの。大学全入時代と言われているが、そんなに入試は甘くない。一日でも早く現実の厳しさを自覚してもらいたいと思い、こちらが一生懸命になっても、危機感をもつものは少ない。

その一方で、着実に力をつけてきたものも多い。そういう生徒の場合は、教えていて反応が良く、一段階上の指導が出来るため、手応えを感じる場合が多い。彼らは2学期以降飛躍的に伸びるであろう。

昨日はこんなことがあった。英文解釈の授業をとっていた生徒が、ただ単に単語を調べて、テキストを終わらせようとしていたのである。今夏期講習の英文解釈テキストの難易度は京大二次レベル。英語が苦手な彼女は自分で希望して受講したのだが、ただ単語を調べて、意味をつなげているだけで、テキストを終わらせようとしていたのである。普通なら1時間で10行程度を解釈できるのがやっとの難易度なのだが、彼女の場合はその4倍程度も進んでいたのである。

そこで辞書を引くのを止めさせ、「英文読解は英文構造を見抜けるかが鍵。全ての英文の主語と動詞を1語で指摘する作業をしろ。」と指示。

それに対する彼女の返答は「面倒くさい。主語と動詞がわからなくても、訳せるもん。」

その一言で私はきれた。大きな声で「無理だね」と嫌味をこめて言い放った。英文を訳してみろと指示すると、案の定、所謂“迷訳”になり、日本語ですら何を言っているのかわからない訳を言う始末。ただ単に英単語の意味を羅列しているだけなのである。

未知の英単語を辞書で調べて意味をつなげるだけなら、小学生でも出来る。それで英語が出来るなら、全ての人が英語をモノにしているはずだ。

彼女のような考えを持つ生徒は意外と多い。理由は簡単。
①英語は語彙力だと短絡的に考えている。
②英文法は文法問題を解くためのものだと思い込んでいる。
例えば、次の英文を完璧に解釈できる人はどれ位いるであろうか。

The only thing in the world that one can never give or receive too much is love.

どうだろうか。わからない単語は1語もないはず。でも訳すとなると、かなり苦労するであろう。

英語力を伸ばす上で語彙力は最後にくるもの。まずは徹底的に文法力を鍛えなければならない。しかもその文法力は、文法の穴埋め問題を解くためのものではなく、英文読解をするための強力な武器であるということを認識しなければならない。

英語の長文を見ると皆必至で辞書を引くことに執着している。そんな姿は私から見ると、貧相極まりない。まずは文法力を駆使して、その英文の主語と動詞はどれで、第何文型になるか、という作業をすべきである。その後で自分の推測が正しかったか、辞書を引き確認していくと言うのが正道である。

上述の彼女がこのことに一刻も早く実感してくれることを願うばかりだ。
コメント
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