英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

難問

2006年01月15日 | 指導現場にて
英語の偏差値60以上の塾生ですら誰一人として解けない難問を紹介します。チャレンジしてみてください。

2005年学習院大学文学部の文法問題。
Our boss is        to get along with.
(イ) ability
(ロ) impossible
(ハ) incapable
(ニ) unable

いかがですか?殆どの方が(ニ)を選ばれたと思いますが、正解は(ロ)です。

どの参考書や問題集にも、「 impossible は“人”を主語にとらない」と書かれているため、多くの受験生が真っ先に(ロ)を消去するでしょう。そして、be unable to ~ を思い出し、(ニ)を選択するパターンが多いと思われます。しかし、impossible などの難易や快不快を表す形容詞は、文の主語として人間でも物でもとることが可能です。

本問題正解文
Our boss is impossible to get along with.
(我々の上司は、折り合っていき難い。)
は見慣れないためしっくりこないかもしれませんが、実は次の英文と構文的に同一です。

This book is easy to read.
(この本は読みやすい。)

これらの構文の特色は、文頭の主語(This book)が意味上は不定詞(to read)の目的語になる点にあります。つまり、

It is impossible to get along with our boss.
It is easy to read this book.

と言い換えが出来るのです。

本問で(ニ) unable を空欄に入れるとすれば
Our boss is unable to get along with us.
というように、to 不定詞以下に目的語が欠けていない句をもってくる必要があります。

大学入試では、このように誰も解けない難問を正解する必要は全くありません。その他の基本的な問題で確実に得点できれば合格できます。

しかし、英語を教える側にとっては的を射た解説が出来なければなりません。日々受験問題と向かいあっていて難問に出合うと、長年追い求めた理想の女性に出会えたような気分になり、「どのように口説こうか(=どのように解説しようか)」と好奇心を掻きたてられるので、幸せを感じてしまいます(笑)。

一日の仕事を終え、妻と子供が寝静まった後で、布団に潜りこんで1本88円の缶チューハイを飲みながら難問に出合うために大学入試問題を解く。私にとっては、もっともリラックスできる時間です。


コメント
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