英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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不甲斐ない自分にサヨナラ

2008年12月12日 | 英語勉強法
突然ですが、「自分を変えたい」と思ったことはありますか?

「変わりたい」と思ってはいても、実際に自分を変えるのは案外難しく、それまでの不甲斐ない自分・情けない自分とおさらばするには、相当ショックな出来事や覚悟がないと出来ないものです。

今日は、私が、それまでの自分とサヨナラできた出来事をお話ししたいと思います。


高校3年生の時、早稲田を目指して受験勉強をしていました。社会の選択科目は、「政治・経済」。苦手だった世界史から高3の夏休み明けに切り替えたのですが、その面白さにのめりこみ、9月の模試では偏差値が60を超え、その後は長野県でトップの成績をとったこともありました。

この結果に私は天狗になってしまい、足元を固める勉強、つまり基礎事項の徹底暗記を怠るようになりました。換言すれば、“背伸びをした勉強”をするようになったのです。「早稲田=難問」という等式が頭から離れず、基礎を無視して、やたらと難しい問題集に手を出し、勉強をした気分になっていたのです。

「政治・経済」の表面的な知識は培われつつあったので、問題集や過去問を解いていても「参考書の○○ページの左上部に書いてあるな」ということは分かるのです。しかし、そこで徹底暗記をせず理解するだけで満足していた自分。その代償はあまりにも高くつきました。

忘れもしない1990年2月21日。第一志望の早稲田大学政治経済学部の入試当日。どんな難問がでるかワクワクしながら「政治・経済」の問題を解き始めると・・・。すべて、見たことがある、基本的な問題だったのです。

・中小企業基本法による中小企業の定義は?
・景気循環の3つの周期は?
・個人の貯蓄手段は?

などなど・・・。

しかし、心の中では「しまった~!」と叫んでいました。どの問題も、参考書のどこに書いてあるか分かるのです。しかし徹底暗記が出来ていなかったため、確実に解答できない。全く分からない問題なら諦めがつくのに・・・。

人生でこんなにも悔しく、やり場のない怒りを感じたのは初めてでした。勉強をなめていた自分、辛く基本を固める勉強、つまり“徹底暗記”を怠っていた自分・・・。

受験後、宿泊していたビジネスホテルの自室に帰ってきた私は、不甲斐ない自分に対する怒りを抑えきれず、「畜生、ふざけんな!俺は何をやってんだ!」と怒声をあげながら、「政治・経済」の問題用紙を、床に破り捨てたのです。

当然の受験結果ですが、早稲田のみならず、明治・学習院・中央と受験したすべての大学を落ち、浪人する羽目になりました。

それ以来、私の勉強に対する姿勢は変わりました。「この世に応用問題や難問などは存在しない。応用力とは基本を徹底的に追求できる力だ」と・・・。

暗記が曖昧な箇所は、“早稲田激出!”などとタイトルをつけて紙に書き出して壁に貼り、常に目にするようにしました。それでも覚えられないところは、書きなぐりました。

そのような勉強を続けた結果、「政治・経済」はいつの間にか偏差値が80を超え、全国1位をとるまでになったのです。
あの時破られた問題用紙は、不甲斐ない自分を示す証拠として、18年以上経った今でも大切にとってあります。


基本が無ければ何も生まれません。勉強においては、基本=徹底暗記です。

英語ができるようになりたいと勉強されている方、もしくは大学受験生の皆さん、何度も目にして「あ~、あれね。分かるよ!」とは言いつつも、暗記があやふやで、自信がもてない箇所や単元はありませんか?

自動詞のlie、他動詞のlay の過去形・過去分詞形・現在分詞形を自信をもってスペリングできますか?発音できますか?

「respective, respectable, respectful」、「imaginary, imaginative, imaginable」、「industrial, industrious」のそれぞれの意味の区別は大丈夫ですか?

It seems that he studied hard. を、He を主語にして書き換えられますか?

一度やった、もしくは何度も問題集や模試で目にしたことのある問題で、見れば分かるけれども自信がない箇所をつぶしていかないと進歩はありません。当然のことながら、本番では参考書は見れないのですから・・・。

大学受験生は、センター試験まで40日を切りました。各教科とも、基本にしている参考書の見直し、受験した模試の復習、解いた過去問の復習を何度もやることです。「もう理解できて、暗記できてるよ!」と言うかもしれません。それでもいいのです。分かっていることを何回も繰り返す。そうすることで知識が無意識のものになり、どんな状況でも確実に使えるようになるからです。大学受験、緊張しますよ。人生がかかっているのですから。無意識下にない知識は、砂上の楼閣です。ちょっとした状況の変化で、その知識は頭の中から抜けてしまうかもしれません。英語で言うところの go blank です。

これから新しい参考書や問題集に手をつけてしまい、穴を埋める勉強を疎かにすると、浪人は必至です。


私と同じ過ちを犯したいですか?それとも、不甲斐ない自分にサヨナラを言いますか?


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (渥美クライマックス)
2008-12-12 21:12:12
今まさに「自分を変えたい」と思い、そのスタートとしてこの10月から英語の本格的な勉強を開始した者です。今回のエントリーは魂に響きました。ありがとうございました。
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Unknown (管理人)
2008-12-13 00:42:23
♪渥美クライマックスさん♪
今まさに、自分を変えられようと英語に取り組んでいらっしゃるとのこと。
私の体験談が、渥美クライマックスさんの人生にプラスに作用するなら、これほど嬉しいことはありません。

是非とも、今後の英語学習の進捗状況をご報告ください!
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Unknown (早稲商志望の浪人生)
2008-12-14 18:12:32
こんばんわ。 はじめまして。 自分は早稲田の商学部志望の浪人生です。 今日初めてfukkenさんのブログを読ませていただきました。 TOEICのスコア凄まじいですね(*^_^*)  ちなみに自分も選択科目が政経なので勝手に親近感が湧いてます(笑)  基礎の徹底暗記、本当に大事ですよね!!  1つ、質問させていただきたいのですが、自分は社学の正誤問題が苦手で最近河合出版の正誤問題集を始めたのですが、やはりこの時期から新しい物はマズイですかね?? ちなみに英語は苦手な方でセンタープレでは150点、第二回早大プレでは5割取れませんでした(*_*) 明日、成績表が返されるので平均点や偏差値が分かりますが・・・・
  良かったらアドバイスしてください。
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Unknown (管理人)
2008-12-15 02:32:44
♪早稲田商志望の浪人生さん♪
こちらこそ、はじめまして(^_^)。
さて、正誤問題についてですが、既に購入されてやり始めているものであれば、続けていって差し支えないと思います。ただし、やりっぱなしにせず、答えが分かっていても、一度解いた問題を二度三度と繰り返すことが大切です。

旧TOEICのパート6では、正誤問題が20問出題されていました。受験者のほとんどが苦手としていて、私も例外ではありませんでした。

1問あたり30秒で解答しなければならないTOEICで、私がどうやって苦手なパート6を克服したかというと、やはり正誤問題に特化して参考書『スコア別 TOEIC TEST GRAMMARパーフェクト攻略』(松野守峰著・桐原書店)を使って、勉強をしたからです。今ではもう20回以上繰り返してぼろぼろですが、繰り返すたびに新しい発見があります。

正誤問題を克服したことが、自分の英語力の礎となりましたが、常に英文構造の把握に注意して英文を見ることです。当たり前のことですが、主語と動詞を瞬時に把握できる力が本当の英語力です。これについては、今年の5月15日のエントリ(http://green.ap.teacup.com/eigodo/568.html)で書いていますので、是非読まれてみてください!
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Unknown (早稲商志望の浪人生)
2008-12-16 01:22:39
お返事ありがとうございます。 fukkenさんは英語講師プロ)の方だったんですね。 前回の記事しか読んでなかった為、趣味で英語の資格を取ってる方だと思い込んでました。自分みたいな者が軽々しく生意気なコメントをしてしまった事をお詫びします。 

5月15日の記事読ませていただきました。 とても参考になりました。 『常に英文構造の把握に注意して英文を見ること』に注意して正誤問題を取り組んでいこうと思います。 今日、早大プレの成績表が返されました。成績は予想通り悪かったです。 ただ、早稲田はどうしても行きたいので模試の結果に落ち込まず残り2ヶ月で最大限の勉強をしたいと思います。
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Unknown (管理人)
2008-12-16 09:49:51
♪早稲田商志望の浪人生さん♪
受験生にとっては、これからの2ヶ月間が最も密度の濃い勉強が出来る時です。
「大胆かつ慎重に」というメリハリのある勉強を心がけて、是非とも第一志望を突破されてください。
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Unknown (早稲商志望の浪人生)
2008-12-18 00:57:27
ありがとうございます。 3月頃に合格の報告がしたいです。 アドバイスなどありがとうございました。
 早稲田に受かるためにも頑張ります!!!  
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Unknown (calexpo)
2010-08-18 16:28:47
英語道様 初めまして
昨晩、なんの引き寄せか、貴兄のブログにたどり着きました。しばらく、あちこち拝読させていただきました。
で、「基本=徹底暗記」のくだりにピタリと止まった次第です。本当のことというか、核心を突いているというか、直球をど真ん中に投げ込んでいるというか・・・お見事です。
高校時代、「暗記じゃない、理解することが大切だ」教師からコンコンと説かれました。歴史の年号は暗記しなきゃ始まらないじゃないか。当たり前のことを思って見ても洗脳って恐いです。見事に「理解」で止まりました。世界史でした。大失敗しました。記憶していないんだから失敗して当たり前。
あの時の苦い経験がその後の人生に決して軽くない陰を落としているわけですけど、なぜ教師は「理解」とウソを言ったのでしょうか? たしかに記憶するには理解が大いに手助けになります。無数の理屈が出てくると思うんです。でも、年月を経て今思うことは、受験とかテストとか、そんなものに教師自身が箔をつけたかったんじゃないかと強く感じます。
「憶えてなきゃ理解したって回答できんぞ。当たり前じゃんか。」
そう単純に生徒たちに話してくれていれば、彼らの悲劇や不幸、苦悩の大半は消えているでしょう。
「基本」と「基礎」の概念も同じです。
世間の体験が少ない多感で過敏な高校生には、教師や指導者の言葉が100倍にも1000倍にも強烈に増幅して伝わるんですね。
だから「暗記じゃない、理解だ」なんて言っちゃいけない。結果として生徒を欺すことになるのだから。
自分の苦悩に満ちた高校時代を回想しながら「基本=徹底暗記」という真理に、胸のつかえが取れてホッとしました。大仰だな~。
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Unknown (fukken)
2010-08-19 08:05:23
♪calexpoさん♪
コメントありがとうございます。
私も最初は「暗記するにしても理解が大事」と感じていました。確かにそうなんですが、兎にも角にも暗記をすると、理解が出来ることに気付いたんです。何も難しいことを暗記する必要はなく、基本事項の徹底暗記でいいんだと・・・。単元が違っていてバラバラに覚えたことでも、暗記が徹底されるとそれらが有機的に結びついてきて、確固たる知識に変わっていくのを実感できるのです。

calexpoさんに賛同していただき、とても心強く思うと共に、確固たる自信が湧いてきました。ありがとうございます!
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