英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

能動的だった受験生

2024年06月14日 | 指導現場にて

代ゼミの南平寮で生活していた浪人時代、同じ単語集『試験にでる英単語』を持っていた友人たちと、食堂で毎晩、範囲を決めて英単語を出し合いました。負けると自販機のカップドリンク(一杯60円)を奢ることになっていたので、みんな必死になって覚えました(笑)。そんなゲーム的な感覚でも、当時覚えた英単語は今の私の英語力の大きな部分を占める一生の財産となっています。

英語の指導現場にいると「英単語が覚えられません」という生徒たちに多く出会いますが、これは「覚えられない」ではなく「覚えられる工夫をしていない」だけです。私の高校時代と違って今はほぼ全ての高校で、『LEAP』や『ターゲット1900』などの英単語集が入学早々が与えられます。通学時間に覚える、クラスや部活の友達と範囲を決めて単語を出し合うなど工夫すれば、いくらでも効果的に暗記できるのに・・・。


私の高校時代は学校から英単語集を与えられることなどあるわけもなく、大学合格のためにどの英単語集をやるべきか、エール出版の『合格作戦』を読まなければなりませんでした。英語に限ったことではありません。受験に必要な各教科で、どの参考書や問題集をどの程度やればいいのか、周りの大人たちは誰も教えてくれないので、やる・やらない含めて全てが自己責任でした。

当時読み漁っていた合格体験記

そして、自ら購入した参考書で勉強し続けるのも本人次第。「あの単語集やってみたら、めちゃくちゃ覚えやすかったよ」「この問題集は解説が薄いよね」「内容が高度過ぎて、やり遂げるだけの基礎力がまだ自分にはついていない」「買っただけで満足し、結局は本棚の肥やしになった」といったように、自ら考え、行動し、振り返る「PLAN-DO-SEE」が、受験勉強を通して自然と身についたと言えます。しかし、今はすべてが与えられてしまっている時代。果たして、良いのか悪いのか・・・。

 

電子辞書なんて存在せず紙辞書だけの時代。

教科書傍用のまとまった予習ノートもない時代。

数学の課題で出される過去問集は答えが載っているだけで解説はなく、すべて自分で考えなければいけなかった時代。

「オープンキャンパス」という言葉自体がなかった時代。

インターネットどころかパソコンやスマホ時代が存在せず、入手できる情報が圧倒的に少なかった時代。

そんな不便な時代を生きていたからこそ、自ら能動的に考え、工夫していたんだと思えます。

現代の高校生たちは、すべてが与えられ、利便性が増してしまったからこそ、指示待ちで行動しなくなってきているのではないのだろうか・・・?

 

 

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