16日㈭、京都府議会文化生活・教育常任委員会の管外視察2日目。
午前中は苫小牧市の隣りの安平町にある町立の小中一貫校である早来学園を視察した。
安平町は2006年(平成18年)に追分町と早来町が合併してできた町で、2018年(平成30年)9月6日に発生した胆振東部地震で大きな被害を受けた。
その際、早来小学校と早来中学校の校舎も被害を受け、改修か新築かで迷った結果、思い切って小中一貫校の早来学園として新築することになったそうだ。そうなって、専門家や住民のワークショップを進めていくと統合予定でなかった安平小学校と遠浅小学校も一緒にくっつけてほしいと4校統合になったらしい。
文科省的には「義務教育学校」とカテゴライズされるそうだが、小学校、中学校は元々、義務教育であり、ややこしい名称だとおっしゃっておられた。
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基本計画策定費や旧校舎の解体費なども含めた総工費は約37億円で、うち23億円弱は過疎債を使い、一般財源は5600万円弱だった。これだけ多額の過疎債が使えたのは震災復旧だから満額認められたようだ。
校舎は児童・生徒だけで使うスペース、児童・生徒と町民が使うスペースに分けられていて、顔認証等の最新システムで生徒・児童はスムーズに行き来できるようになっていた。
職員室は固定の机がなく、先生達は毎日、自由な席に座って仕事するそうだ。校長室もガラス張りだった。
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1年生から9年生の全校生徒は309人で、各学年28名~46名で構成されているが、人数の都合で2クラス編成にしないといけない学年があり、最初は2クラスが複式学級のように勉強していたが、保護者の反対で分けることになった。そのため、片方のクラスが体育や音楽、理科の実験など、別教室に行くように授業を組んだり、階段下に新たに作った部屋で勉強したりして工夫しておられるようだ。
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校舎の建設には道産材もたくさん活用されていた。
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中アリーナの舞台は通常は舞台として使わずに壁で仕切られ、音楽室として利用されていた。放送室や音楽室、家庭科室など、「どれだけ使うのか?」「本当に要るのか?」とギリギリまで削ったり、共用することで費用面やスペースの無駄をなくす工夫をしておられた。
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図書館は9時から21時まで、町民の方も自由に使えるとのこと。薪ストーブまで置いてあった。
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午後は札幌市東区にある札幌市立札幌開成中等教育学校という中高一貫校を視察した。
ここは2015年(平成27年)に札幌市内初の公立の中高一貫校として開校し、当初から「国際バカロレア(IB)」教育を進めておられる。
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これまでの「中学校」「高校」という概念が取り払われた、まさに「自ら学ぶ」ための学校だった。
大学のように教科選択制であることはもちろん、宿題もテストもなく、大学受験の模擬試験を学校内で行うこともないそうだ。
三者懇談も、教師が生徒の現状を保護者に説明するのではなく、生徒自身が自分の現状や自分の進みたい道を説明し、それに対して教師や保護者がアドバイスするスタイルとのこと。
この学校に入るには、知識があるだけではダメで、コミュニケーション力や自ら学ぼうとする意欲がないと合格できないとおっしゃっていた。
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大学に来ているような雰囲気だったが、この学校では大学進学実績は気にしていないとおっしゃっていた。AO入試で大学進学する子が多いそうで、AO入試に特化した新しいタイプの学校であるとも言えると感じた。
続いて、夕方には札幌市中央区の札幌市図書・情報館を視察しましたが、長くなるのでそちらは別にご報告します。