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倉敷・備前

2011-11-01 23:03:11 | 窯元をたずねて

10月25日(火)

Img_0788 メタセコイア                                                                           

天気予報では晴れ時々曇りだったが、倉敷は曇りだった。歩き回るにはこの程度がいいかもしれない。アイビースクエアで、お昼に予約しておいた天領祭寿司を頂いて、早目にチェックインさせてもらい、カメラだけもって、フロントで船乗り場を教わって外に出る。アイビースクエアの門を抜けて、川沿いまでの小路をきょろきょろしながら歩く。大きなメタセコイアの木が目につく。
                                                                                                                                                         

今回も陶芸仲間8人の旅。一人はイレギュラーとして加わった連れ合い。

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先ずは船に乗る。仲間内では若い人を会計にしたので、郵便局でチケットを買ってきてもらう。船は5人定員。たまたま2人連れがいたので、ちょうど二艘に分散して乗る。川面から見上げる美観地区の建物は絵になる。緑もまだ残っている。萩も咲いている。光があったら、川面に写る景色はもっときれいだろう。それでもパシパシ、シャッターを切っている。今回のお供はデジカメ EOS5D MarkⅡ、レンズは28~105mm。それでも1.5kgはある。悩んだ末、望遠はおいてきた。EOS5Dは、まだ慣れていないので、出来上がりもいまいち気に入らないが、それでもフィルムを持たないだけラクと言える。

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船を下りて、大原美術館に入る。大原美術館には3回は来ているので、作品の記憶はしっかりとあるが、部屋の記憶は薄れている。エル グレコの「受胎告知」がここにあるのは知っている。この美術館へこの絵が来たエピソードも知っている。エル グレコは日本には西洋美術館と大原美術館の2枚しかない、ということも覚えている。
グレコ独特の赤とブルーは好きなのだが、プラド美術館やトレドでグレコ三昧したし、トレドの修道院のマリアの絵を模写したこともある、だから、記憶の中のグレコの赤とブルーはもう少し輝きがあったように思う。照明のせいなのかもしれない。

                                                                                                                                                       

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本館の西洋美術を見て、分館の日本人の洋画を見て、工芸館に入った。濱田庄司、河井寛次郎、富本憲吉、バーナード・リーチを見て、この人たちと美術館の関わりはもちろん知っている、棟方志功の部屋まで来た。階段の上がり降りが何度もあるので、さすがにくたびれて腰が痛い。他の人たちに先に出てもらい、私は椅子に腰掛けて、連れ合いの来るのを待っている。ところが一向に来ない。辛かったが、腰を上げ、入り口まで引き返して探したが見当たらない。さらに外に出てベンチでしばらく待ったが姿は見えない。携帯を持ってこなかったというから連絡がとれない。寒くなった。ホテルは分かっているし、部屋番は覚えているだろうから、と、橘香堂へ行き、お土産の「むらすずめ」「栗饅頭」などを到着日を指定して送る。戻って、大原美術館の隣の蔦の絡まった喫茶「エル グレコ」に寄り、お茶を飲んで一休み。

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川端を歩いていると仲間たちと合流した。児島虎次郎記念館に寄った。大原孫三郎氏の援助でフランスに留学し、絵画を学ぶ傍ら、大原美術館の絵の蒐集に力を注いだ人物である。フランスへ渡る前の絵は日本人らしい情感を漂わせている。留学中の絵も生き生きとしているが、帰国してからの絵は、表現方法を模索していたのだろう、大きな絵が多く展示されているが、背景がうるさく、主題がかすれている。若くして亡くなってしまったから、大成できなくて残念だったろう。隣のオリエント館を見てホテルに戻る。

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ホテルに戻ると連れ合いは先に帰っていた。気持ちが悪くなったので、途中から抜けてきたのだという。単独行をとることは一向に構わないが、その旨を伝えて行け、待つのは嫌いだ、と怒っている。

                                                                                                                                                         

寒い。倉敷はこの秋一番の冷えこみだという。8時から町並みをライトアップすると聞いてはいたが、寒い中を出るのはいやだ。一杯飲んで寝てしまおう。

                                                                                                                                                          

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それでも、Ipadに今日写した写真を取り込んで、眺めている。やはりいまいち。このカメラで納得できる写真が撮れるようになるには当分かかりそうだ。それともこれがデジカメの限界なのかな?

                                                                                                                                                            

夕食は7時。私ともう一人が洋食、あとは和食のミニ会席。私はグラスワインの赤。
「パンとライスとどちらになさいますか?」「お米、なに?」「銘柄でございますか?」「そう、土地のお米かどうかってこと」「備州米でございますが」「あ~、それ。味見したいからライス。少しでいいわよ」この備州米は可もなく不可もなく、と言ったところ。

                                                                                                                                                         

夕食後、地下にあるバーへ行ってジンフィズを飲んだ。さほど早い出ではなかったが、4時には目が覚めてしまったので、もう一度寝ることはせず、そのまま起きてしまったので、疲れもあって、眠くなった。

                                                                                                                                                            

◇10月26日(水)

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カーテンを引くと朝日が射しこんできた。いい天気だ。寒そうなので、ブレスサーモの下着を着た。着替えとして厚い綿シャツを用意してきたが、日中歩くには暑いだろうと、昨日と同じ薄地の綿シャツにする。今回の私の荷物は、友人が作ってくれたパッチワークのバッグにカシミアの軽いセーターをクッション代わりに敷き、まわりにプチタオルをいれ、そこにカメラ一台、それだけ。それ以外にはいろいろなものが詰まったウェストポーチがある。デジカメは軽くはないが、ウェストポーチも1.5kgはある。脂肪に加えてそんなものをいつも腰につけているから腰痛になるんだ、とまわりから冷やかされている。Ipadは二人分の下着一式の上に乗せ、これは連れ合いが持つ。二人とも荷物は少ない。

                                                        

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7時、朝食。8時、チェックアウト。ホテルの前で記念撮影、といっても撮るのは私。だからいつも私だけは入ることはない。みなさんの荷物はキャスターつきのスーツケース。ガラガラと音を立てて、駅まで歩く。駅まで15分程度と聞いていたが、光があるので、メタセコイアや日向ぼっこする猫を撮ったり、川面に写る町並み写したりして、遅れて一人で歩いていく。昨日、大原美術館の蔦の絡んだ入り口を撮ったら、中途半端に人物が写ってしまっていたので、もう一度撮りたいと思っていたのだ。ところが、イメージしてそこへ行くと、なんと門が閉まっていて、昨日の風情はなかった。やれやれ。

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美観地区の入り口を抜けるとあとは駅までまっすぐな道。のそのそしたつもりでも、8時半には駅に着いてしまった。もう少し写真を撮っていてもよかったかな。
                                                        

9時の相生行きに乗るためにホームに下りる。線路になにやら立て札がある。読むと、パーク&ライドのお知らせ。パーキングは3日間は無料だとある。3日間は東京・横浜まで用事をしてきても間に合う時間のようだ。ほほう、倉敷はエコシティを目指しているんですね。駅周辺に土地があったのだろうが、ごりっぱ。20年ぐらい前になるかな、ドイツのフライブルクで初めてパーク&ライド方式を知ったのだった。美星町に行ったのはいつだったかな。あのときも倉敷を訪れたはず。その時は気がつかなかった、電車で来たにもかかわらず。そういえば倉敷市の観光課にパンフをお願いしたとき、人数分のパンフが入った封筒の裏面に広告が入っていた。広告主が封筒を寄贈するシステムになっている、が、広告の内容は市は責任を持たない旨の説明が入っていた。倉敷市はいろいろ試みているようだ。

因みに倉敷市の財政力指数を調べてみた。0.92(2009年)岡山県ではトップだ。

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岡山で播州赤穂線に乗り換え。ホームの反対側に赤穂行きの電車は待っていた。ボックス型の車内はきれいですわり心地もいい。「昔はローカル線っていえば、古い車両が回ってきたいたものだけど、今はローカル線の方が車両はいいかも」実際、たまにしか乗らないが、東海道線は通勤のためか、対面式で、ボックスは少ない。明るい日差しの中を電車は進む。知らない土地に来ると窓から外を眺めるのが常。刈り残されている稲が日を浴びてまぶしい。こちらに来てセイダカアワダチソウが目についた。一時、小田原周辺の空地や川原に繁茂しているのが目に付いたが、いつしか自然淘汰されたのだろうか、それほどの勢いは見られなくなった。だから黄色に輝く群生は目を引いた。大きな川を渡った。澄んだ水が川底まで見せていた。吉井川かな。
                                                                                                                                                      

連れ合いが咳き込んでいる。「飴、買ってくればよかったのに」と言うと、目の前に飴の袋だけがぶらさがり「どうぞ」という声が聞こえた。立ち上がってみると、土地の人らしい女性が前を向いたまま右手だけ挙げて、袋を差し出していた。「ありがとうございます。いただきます」と連れ合いはもらってなめている。

                                                       

駅名を読みながら「ここは備前長船。聞いたことない?刀剣で有名なところ。刀剣には興味がないからパスしたけど、佐野美術館にも備前長船兼光があったよ」「ここは香登と書いて「かがと」と読むんだよ。おしゃれな名前だね」相変わらずのガイドぶり。伊部(いんべ)に着いた。飴の女性も伊部で降りた。

                                                       

Img_0819 岡山県備前陶芸美術館

「途中下車ですから切符を渡さないでくださ~い。切符、なくなさないでくださいね~」と叫んでいる。小田原、倉敷往復で買ったので、途中下車なのだ。往復だと10日間有効。
改札で途中下車の印を押すのかと思ったら、そのままだった。駅のロッカーに荷物をいれ、先ずは右手にある岡山県備前陶芸美術館へ。

http://www.touyuukai.jp/bijyutu.html

                                                        

ここでちょっと備前焼の紹介を、いやその前に、基本的な焼き物の紹介をしておこう。焼き物には石ものと呼ばれている磁器と土ものと呼ばれている陶器がある。石ものとは磁器、石(陶石)を粉にして成形し高温で焼いたもの、叩くとピンと言う音がする。有田焼・伊万里焼や九谷焼きなどなどが有名。陶器は粘土を使っている。粘土の種類も土地によっていろいろ。同じ土地でも含有物によって違ってくる。磁器より低い温度で焼くので、温かみがある。備前、信楽、唐津、萩などなど有名な産地は多々ある。
                                                       

窯も種類があるのだが、それは割愛して、窯の中に酸素を十分入れ焼くのを酸化焼成といい、窯の中の酸素を少なくして焼き上げるのを還元焼成という。成形し自然乾燥させ、釉薬をかけずにじ

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