カポたちがトンビにマークされてから毎日。カラスが来ると、どこからともなくトンビたちがやってくる。
カポに肉をやっていたPapasanが「わ~すごい}と叫んだ。「どうした?」とのぞきにいくと、カポが肉片を枝におくや、すばやくトンビが来て持って行ってしまった、というのである。
「カポはお鳥良しだから、のんびり食べているから狙われちゃうんだよ。Papasan、カポが食べ終わるまでそばにいてやって、人間がいれば、トンビもとることはしないだろうから。ところで、トンビ、どこで持っていった。口?それとも足?」「すばやいから分からなかった。」「じゃ~、枝に肉片、つけてくれない?見ているから」
Papasanが肉片をおくやすぐに一羽のトンビが速度を落とさずに、さっという表現にふさわしく、すばやく肉片を足で掴んで通り過ぎていった。一羽が肉片をとるや、庭の上空は数羽のトンビで暗くなった。「分かったからもうやらなくてもいい」とPapasanに言って、部屋に戻ると、なんとトビたちが白モクレンの木に、鈴なりはちょっとオーバーだが、大きいから鈴なり状態で、何羽もとまっている。
それからカポたちは警戒しながら餌を貰うようになった。急いで口に詰め込んで、あわてて去っていくのである。トンビにちょっかいを出すのはカラスの方が多いのだが、多勢に無勢、この数ではカポたちもかなわないのかもしれない。
カポたちも用心して、枝に来ても鳴かなでじっと待っているようになった。それでも黒いカラスは見つかりやすいのかも。私も肉を少しずつ与えていたのだが、カポは習慣のように、横に置く、と、私とカポの数10センチの間をトンビがすり抜けるようにして餌をとっていった。あれまぁ~、なんと、人間がいたって役に立たない、トンビに、完全にコケにされている!
トンビとの攻防は毎日続いている。
で、トンビの生態を知りたいと本を探した。しかしトンビの研究者は少ないらしく、本は出ていない。図鑑にも、トンビ(トビ)は猛禽類の仲間で、上昇気流に乗って円を描くように飛ぶ。タカの仲間では大きい。雑食性なのでカラスと餌が競合するから中が悪いのだ、ぐらいのことしかない。そうそう、メスの方が大きいとはあった。その程度のことなら何とか知っているが、伝達の方法など知りたかったんだが。
カポたちも二羽で来るから、まだ抱卵はしていないのだろう。ならまだ通うだろうから、もっとも一羽になったら、もっと狙われそうだが、トビたちの動きも観察してみよう。
餌の分捕り合戦はカラスとトンビばかりではない。こちらはシフォンの取り合いだが、シロハラはやっきになってヒヨドリを追い払っている。イソヒヨドリは敏捷でないから、ヒヨドリにシフォンを横取りされている。ヒヨドリはメジロには襲い掛かるがスズメにはしない。どういう基準なんだろう。
スズメのちゅんはフライングキャッチが出来るようになった。何十羽とスズメは来るのだが、もちろんこのスズメたちはすべて成鳥、シフォンをキャッチできるのはチュン1羽。後のスズメは、それを見ても、まねしようともしない。巣立ちしたコスズメは、去年の例だが、まねをして複数、フライングキャッチが出来るようになった。 今年もまたやってみよう。あの覚えた雀たちは群れを離れていってしまったのかもしれない。
ただし、このチュン、困ったことに、私以外の手からは受け取らない。papasanに頼んでも、Papasanでは逃げるのだ。