昨夜9時過ぎ電話があった。すごいひどい声で、耳の悪い私には聞き取れない。「だれ?」と聞くと、息子の名前を言ったような気がした。「すごい声、どうしたの?」と聞くと、「風邪を引いて喉が痛い」のだという。夕方、会ったのだが、そのときは変わりなかったが、急に具合が悪くなったのかも。「私も鼻水が垂れて困っているのよ、あんたからうつされたのかも」「医者に行った方がいいかな、内科?外科?」「内科に行った方がいいよ」「「9時半からだった?」「知らないけど、たぶん」そんな話をして「お大事に」と言って電話を切った。すると折り返すようにもう一度、ひどい声の電話が入った。「言い忘れたけど、携帯、壊しちゃったんだ」「ふ~ん、携帯ないの?貸してあげようか?」「代替を借りたから大丈夫。新しい電話番号を言うから控えて」「すぐ近くなんだから歩いていけるよ。それよりご飯食べた?」「喉が痛くて食べられない」「じゃ~、紅茶でも甘くして飲んで、温かくして休みなさいね」と言って電話を切った。
明日はNちゃんの誕生日祝いで、イチゴのデコレーションケーキを作る約束になっている。でも風邪気味なので、作業は明日にしよう、と、前の教室に行って、どうも風邪をうつされたらしい、熱は無いからインフルエンザではないからね、と言って戻り、早々に布団に入った。11時ごろ、物音がした?息子だ。「大丈夫?」と聞くと「なにが」という返事。「風邪を引いたって電話をよこしたじゃ~」と言うと、「電話なんかかけないよ」「えっえっ~、じゃ~、あの電話、なんだったんだ」
朝、八時半、警察に電話をしようとした。真鶴の交番は0044の筈。ところがつながらない。何回もまわしたら、この電話は使われていませんというコメントが聞けた。「あらやだ、どこにかければいいんだろう。そこで110番に電話し、住所氏名を言って、オレオレ詐欺かも知れないから、被害にはあわなかったけど、一応お知らせしておきたい、というと、「ここでもかまいません」と親切に対応してくれた。程なく折り返し、電話が入り、110番は神奈川県警・横浜に届くけど、お宅は小田原警察管内だから、小田原警察に電話しておきました、という連絡。「小田原警察の電話番号知らないんです。どこへかければいいか教えておいてください」と言うと、0465-32-0110を教えてくれた。
続いて小田原警察から電話が入った。今度はこと細かく聞き、夫の名前、私の生年月日、息子の名前を使ったとあれば、名簿の流出先があるからと、息子の生年月日や出身校やなども聞いた。そして「注意してください、ご親戚やお友達にこんなことがあったと、知らせてあげてください」
余計なことをいうオバサンが「オレオレだったら、リサーチ不足ですよね、お金なんかないのに」と言うと、相手は笑いながら「カードで借りることが出来ますよ」と言った。あ~そうか。といったって、大金は借りられないけどね。
息子が来たので、経緯を伝えると、「夕べ帰ってきたとき、会ったでしょ」「あれから急に悪くなったのかと思って、心配したんだよ」「親父さんはひっかるとは思っているけど、mamasanがね~」と言って笑った。Papasanも「mamasanが引っかかった」とうれしそうに笑っている。ふん!実害にあったら、笑ってなんないれないよ。
ケーキを仕上げて、両手がふさがっているとき、電話が入った。9時40分。「医者に行ってきた」と電話の声。昨日の男だ。携帯からかけているのは分かったが、番号は覚えられない。ペンと紙は近くにあるのだが、あいにくと手がふさがっている。「あんた、だれ、どこにかけてるの?」と言うと、うちの電話番号を言ったが、途中、間違えた。「違いますよ」「すみません」と電話は切れた。医者へ行ってきた、しかも9時40分、夕べから一連の筋書きはできていたのだろう。
息子の声でなかったのは確かだが、でも風邪で声がしゃがれたと言われ、まして耳も悪いからよく聞き取れない、うまく誘導されてしまっている。思えば、息子なら愛称で名乗るのだが、実名を言ったのはおかしい。内科、と外科とどっちに行ったらいい?、なんてばかげた質問はしない、と気がつくのだが、自分が風邪で寝込もうと思っていたところだったので、かぶってしまったみたいだ。冷静に、なんて言っているが、いざとなると呑み込まれる危険性はある。
さっそくみんなに吹聴している。
みんな、気をつけてね~!