Papasanが昼寝をしていた。ベッドの下には二匹のコリーが、そしてベッドの上には二匹のネコがいっしょに寝ている。老いの部屋だね、とからかったが、言っている本人だっておんなじ部類だ。犬は10歳と9歳、ネコも10歳と7歳、十分老いの仲間だ。動物たちも年をとったので、寝ていることが多い。
土曜日、ネコのリミニが、血を吐いた。どうも口に怪我をしているようだ。血の量が多いので、熱海の医者に連れて行った。なんと昔のカルテが残っていて、10歳だと判明した。歯が抜けかかっていての出血らしかった。月曜日、歯を抜くから連れて来るように言われたそうだが、車に乗せられたのが、嫌だったらしく帰ってくると、どこかにもぐりこんで姿を見せなくなってしまった。
夜、獣医さんから電話があり、出血が多かったので貧血を起しているから・・とこまごました説明を受けたが、当のリミニはどこへ行ってしまったやら、姿はない。Papasanは心配しているが、もう年だから、姿を消してしまったのかな、でも手当てを受けて出血も止まっているから、そんな簡単に死にはしない、と私は冷淡。結局、押入れの中でじっとしているネコを見つけて引っ張り出すと、Papasanにだかさって、薬を飲まされ、スポイトで水を飲ませてもらい、ごろごろ言いながら、ずっとそばで寝ていた。昨日からまた姿を消してしまった。どこかにいるだろう。
犬たちは減量のために、獣医さんの指示に従って満腹感を覚える餌に切り替えている。だから食事のときつい与えてしまう人間の食べ物を控えている。こちらの意識改革にも役立っている。
我が家の動物たちで元気のいいのは鶏の一団。もっとも元祖のチャボのオバサンは最近、かごから出ようともしない。まるで産卵目的で飼育されていた雌鳥なみに、うす暗い部屋の中にずっといる。「健康の悪いから、お日様に当ててやった方がいいよ」「外に出しても一目散で家の中に入っちゃうんだ」「ならかごに入れたまま日に当てたら」そこでかごの鳥の日向ぼっこと相成った。他の鶏たちは、久しぶりの日光に喜んで羽を広げて日向ぼっこしている。
オバサンの記録はブログにあるはず。このオバサンが来たのは2007年。2007年4月1日のブログに、「迷い鶏あずかっています」と写真を添えて、警察にも届けた旨の書き込みがある。家に来てもう5年ということだ。捨てられたのか、逃げたのか、そこら辺は分からないが、子どもに追われていたのを捕まえて持ってきてくれたのである。このオバサンが、卵やさんの卵を孵して、この集団を作ってしまったのだ。チャボの寿命は10~15年、来る前を加算しても、寿命にはまだ間があるように思える。オバサンが育てた初めのころの鶏たちはみんな死んでしまった。
卵を生産する鶏は、2年で廃棄処分になってしまうから、のんびり育てられても、長命ではないのだろう。オバサンを除いていま一番年寄りはアルファとペンタ。この2羽は卵やさんの卵から孵ったものである。ペンタは5だから、5番目の雌鳥ということになる。ペンタは2年を過ぎた。でもまだ毎朝、洗面所の乱れかごの中に卵を産んでいる。
冬のころ、メジロやヒヨドリのために鳥の水のみ入れに、砂糖水を入れてフェンスにつるしておいた。メジロもヒヨドリも来なくなっても、そのままになっていた。季節が変わって、その砂糖水の入れ物に集まるお客さんは、鳥ではなく虫に変わった。一番多いのはハチの仲間である。入れ替わり立ち代りやってきては、お尻を上下しながら甘い水を飲んでいる。
スズメバチも来る。かなり前になるが、二匹のオオスズメバチが空中で音立てて、激しくぶつかり合いをした。その結果、一匹が砂糖水の入れ物の中に落ちた。鳥の水入れだから、ある程度の深さがある。プラスチックの水入れは滑るのだろう。ハチは何とか縁にしがみつこうともがくのだが、届かない。もがけばもがくほど体は沈んでいく。仕方がないので、長い棒を窓からフェンスまでのばし、ハチを救い上げた。ハチはまだ羽がまともだったようで、そのまま飛んでいった。
そういえば以前、箱根の先生さまから、虫のための水のみ場を造ってやってくれと言われたことを思い出した。そのとき、せいぜい深さ1cmぐらいのスロープにしてやると、虫が溺れない、と言われた。鳥の水いれは深すぎるのかも。Papasanが水のみを見に行くと、他の虫が2匹溺れ死んでいた。で、百円ショップで浅い、プラステックの皿を買ってきて、ガムテープでフェンスにくくりつけた。皿の真ん中に自生のつるも這わせた。常連の蜂たちがやってきて、縁から水面に顔をつけて、お尻をふりふり飲んでいる。小さなアリも甘い水を見つけた。見つけたのはいいが、縁を全部占拠してしまって、縁は真っ黒、ハチはなかなか縁までたどり着けない。
そのうちブンブンやカブトも来るだろうが、アリには勝てそうもない。どうなることやらと、おもしろがって眺めている。