横浜美術館で開催されている、ゲルダ・タローとロバート・キャパ 二人の写真家展を見に行った。横浜美術館は何度も行っているが、いつも車だったので、初めて電車で、これまた初めて乗るみなとみらい線で行った。あらかじめ地図で調べていったのだが、みなとみらい駅で降り、地上に出て、案内板を探した。外は霧雨が降っている。美術館は道路の向こうだ。帽子の上にフードをかぶり、標識にしたがって歩き始める。横断歩道がかなり向こうまでいかないとない。昔なら、横切ってしまうところだが、知らないところで交通事故に会っても、と我慢して歩いていく。反対側に渡ると今度は道路沿いを逆戻りだ。入り口は階段。館内に入ると、そこは記憶にあった。ロッカーに荷物とコートを入れ、チケットを買いエスカレーターで二階に行く。
キャパは好きな写真家である。キャパの写真は、写真展が開催される度に見に行くし、あちこちでも見ているので、ほぼ記憶している。しかしゲルダ・タローの作品は初めてである。だからゲルダの写真にお目にかかりたかったのだ。
まずはゲルダ・タローの部屋から。初め彼女はローライフレックスを使っていた。あの正方形の写真で、ゲルダとキャパと作品の区別ができた。しかしその後、ゲルダもライカに替えてしまったので、二人の写真を明確に判断するのは難しくなったそうだ。話題の「崩れ落ちる兵士」もそんなことから後の人たちの想像を膨らませているようだ。だといっても、いまさらどうでもいいことだが。とはいえ、話題性を持つことで集客できれば、それにこしたことはない。二人の写真は多くの人に見てもらいたいから。
初めて見るゲルダの写真はいい。被写体に迫る撮り方は、当時としては凄い迫力、女性のまじめさ、戦場を伝えたいというゲルダの真っすぐな思いが伝わってくる。1937年7月、スペイン戦争のさなか、彼女は27歳でこの世を去った。従軍女性写真家として亡くなった第一号と言われているそうだ。もったいないかぎり。生きていれば、もっといい写真が撮れただろう。おそらくキャパも彼女から大きな影響を受けただろう。
1937年4月、ゲルニカがフランコを支援するナチスにより爆撃され、スペイン戦争にひろがっていく。多くの文化人が政府軍についたが、結局政府軍は敗れ、フランコの独裁に移っていく。1937年は私の生まれた年、写真を見ながらも、戦争の世紀に生を受けたことを感じ入っている。
http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2012/capataro/index.html
一枚一枚、解説を読みながら見ていたので、時間もかかったが、くたびれてしまった。常設もどうぞ、と言われたが、横浜美術館が所蔵しているものは分かっているから、見たいのはやまやまだったが、ちょっと休みたかった。そこで常設はあきらめて外に出た。階段を上ってきた時レストランがあるのに気が付いていたので、ランチを食べにそこ、フレンチ・レストランへ入った。レストランは感じがよかった。レディース ランチをゆっくりいただき、インターコンチへの行き方をたずねると、親切にも外に出て教えてくれた。歩道橋を渡り、クイーンズ スクエアを通って行くと、そのままインターコンチに行けた。みなとみらい駅を降りて、スクエアに上がり、陸橋を渡れば、美術館は近かったのだ。次回は間違えずに行けそうだ。