連日の暑さにぐったりしている。
暑さが思考能力を低下させることは、身をもって体験している。
思考能力の低下、いや思考そのものを放棄してしまう。
それを利用しての、えん罪も多かったことだろう。
ちょうどテレビの旅番組で、「ルーアン」の紹介をしていた。モネ-の大聖堂の連作の紹介だったが、その近くに木組みの家々が並んでいた。その広場をはさむようにして白い十字架が立っていた。あ~そうか、ここはジャンヌ ダルクが火あぶりにされた地だった。
そこへ秦野のHさんから電話が入った。大喜びした。Hさんもルーアンは行ったことがあったので、ひとしきりジャンヌの話で盛り上がった。救国の乙女を、恩人であるジャンヌを魔女として火あぶりにした、男どものえげつなさ、人間の二面性と、そういえば「セイラムの魔女」という本を読んだ覚えがある。魔女とレッテルを貼って、多くの、良識ある女性たちの命を奪った狂気。アメリカを襲った狂気。
さしずめ私など魔女の筆頭にあげられそうだ。
Hさんの電話に私が一方的に話しまくっていた。なんでこんなにしゃべるんだろう、とわれながらあきれて、気が付いた。朝から人と話をしていなかったのだ。
人間の集団ヒステリー。現在もある。対象は弱いものに向けられる。
閉鎖的な社会が引き起こすヒステリーもある。